~オリックス、ドラフト1位候補②(田嶋、東、鈴木博)の巻~
田島大樹
昨日の記事に続いて、今日もオリックスのドラフト1位候補の評価を。
今回は、オリックスの本命とされる即戦力投手3人です。
まずはこのピッチャー。
田嶋大樹 (182㎝/77㎏、左左、佐野日大高-JR東日本)
佐野日大高時代も「上位候補」と言われたが、社会人でも順調に成長して、アマナンバーワン左腕の呼び声も。最速152キロのストレート、キレのあるスライダーに加え、常に冷静さを失わないマウンドさばきにも定評がある。
高校時代もドラフト候補に挙げられていながら、
プロ志望届を出さずに、社会人の名門・JR東日本へ。
ほぼセミプロのJR東日本で、名将・堀井監督の指導を受け、ドラフト1位重複級のピッチャーにまで育ちました。
オリックス昨年のドラ1・山岡泰輔同様に、高校から直での社会人入りなので年齢も21歳と若く、
にもかかわらず、山岡同様、入社1年目からエース級の働きをみせ、社会人日本代表の常連。
そして、
そんな田嶋が尊敬する投手と公言するのも、山岡泰輔。
田嶋は、こう語っています。
「自分は『打たれたらどうしよう』と考えてばかりいたんです。でも、日本代表で山岡さんと一緒に過ごして『こういう場面は、どんな気持ちで投げていますか』と聞くと、山岡さんは強い気持ちで投げているんですよね。そういう気持ちの大事さを教えてもらいました。だから、山岡さんはプロでも勝っていると思うんです。尊敬する投手です」
そんな田嶋にとって“プロ”の先に夢が1つ。昨秋、初めて彼を取材した際、「2020年の東京五輪で投げたい」と話していたが、今はさらに夢が膨らんでいる。
「プロで10勝したい。そして日本代表に選ばれて、山岡さんと、また一緒にプレーできたら」(週刊ベースボール)
日本代表に選ばれずとも、
オリックスに入団となれば、また一緒にプレーできるわけですが…。
最有力候補
150キロを超えるストレートも魅力の左腕ですが、
腕の出所が独特なのが最大の特徴。
体の開きも速く感じますが、そのぶん腕が遅れて出てくる(ように錯覚します)。
しかもスリークオーターよりもう少し低い位置から。
ストレートの切れ。
右バッターに食い込んでくるクロスファイヤーの威力。
若干腕が緩みますが、変化球も鋭く、まさしくドラ1クラスのピッチャーです。
現状、オリックスドラ1の最有力候補。
オーナーの鶴の一声でその指名も決定的との報道すらあったほど。
私的にも、
オリックスドラ1候補5~6人衆のなかで、2番目に評価する選手です。
清宮という怪物さえいなければ、
田嶋の指名で全然文句ないのですが、
今年は怪物のいる年なので…。
東克樹
東克樹 (170㎝/74㎏、左左、愛工大名電高-立命館大)
小柄な体ながらも最速150キロ超の速球とスライダー、チェンジアップを武器に奪三振率が高い。リーグ戦では大学3年春と4年春の2度ノーヒットノーランを記録した。
こちらも150オーバーのストレートを投げる、即戦力サウスポー。
ですが、
最大の魅力は、多彩な変化球を操り打者を打ち取るクレバーさ。
3年時はストレートの威力がもう一つという印象も、
今年に入ってそこに力強さが加わってきており、
そのぶん変化球が余計に生きています。
チェンジアップ、カーブ、ツーシームと内外・低めに丁寧に集められる制球力も兼備。
しかも田嶋と違って変化球時の腕の緩みがない。
こちらも文句なしのドラ1クラスの投手です。
ただ心配なのが、今秋故障が目立つこと。
170㎝と小柄なのは、吉田正尚しかり山岡しかり問題ないのですが…。
DeNA今永・石田、ヤクルト石川のように、
プロに入っても、どこのチームに入っても、
ゲームメイクをしっかりやってくれるピッチャーだと思います。
鈴木 博志
最後にこのピッチャー。
鈴木 博志 (181㎝/85㎏、右右、磐田東高-ヤマハ)
社会人で10キロ増量の結果、球速アップ。昨年の都市対抗で154キロを刻んだストレートはスカウトも絶賛しており、1位候補にも挙がる。安定した下半身がブレないフォームの土台となる。
前述の5人は間違いなくオリックスのドラ1候補だと思うのですが、
6人という報道もあり、それなら彼、ということでリストに入れました。
数字以上に大きく見えるマウンド姿。
体全体を使って投じられるストレートの威力は、今ドラフトナンバーワンでしょう。
こちらも田嶋同様、高卒社会人ということで年齢も若く、伸びしろ十分です。
しかし、いかんせんコントロールに難あり。
これだけの剛球投手に、しかも21歳の若者に、
そこまで望むのは酷かもしれませんが、
制球力がつかずに消えていった数多の投手がいるのもまた事実なわけで。
育てられる時間、
育てられるコーチのいる球団なら鈴木1位もありでしょう。
しかし、
我がオリックスにはそんな余裕はありません(し、育てられる自信もありません)。
格が違う
2日にわたって、私なりにオリックスのドラ1候補を論じてきましたが、
私の最終評価は、
清宮、田嶋、安田、東、中村、鈴木の順となります。
この中でも清宮がダントツのナンバーワン。
正直、格が違うとさえ思っています。
ただ、清宮という化け物がいない例年通りのドラフトと仮定するならば、
田嶋、安田、東の指名であれば、十分納得できるかなとも思います。
なお、
過去記事を読んでいただければわかりますが、
昨年のドラフト、
私のイチオシは、創価大の田中正義でした。
そして、
山岡の評価がかなり低かったことを、恥ずかしながら付記しておきます。