~オリックス、抑え確定・開幕未確定 の巻~
守護神指名
日本ハムからFA移籍したオリックス・増井が3日、正式に守護神に指名された。第1クール3日目に初めてブルペンで投球練習。投球後に個別面談した福良監督が抑え起用を直接通達した。
「ブルペン投球後に話をしました。増井には“一番後ろを任せる”と伝えました。それは、早めに伝えた方がいいですからね」
鬼はいない。節分の日は“仏の福良”だった。96年以来遠ざかるリーグ優勝を目指しチーム内競争をあおる基本方針があっても、増井については別格だ。求める役割を早々に伝え、調整に専念できる環境を用意した。(スポニチ)
FA交渉時の口説き文句が「クローザーを任せたい」であった以上、
故障でもない限り、増井の抑えは決まっていたこと。
とはいえ、
「競争」を今キャンプのテーマに掲げながらのキャンプ3日目での抑え指名。
さらには、
せっかくベテラン二人をサードで競わせることを決めた翌日のこの発表。
いまひとつ解しがたく。
一計
しかしながら、クローザーというポジションの重要性、過酷さは、
昨年の黒木の例をみるまでもなく明らかであり、
チーム構成の幹となる部分であることに異論はなし。
である以上、
抑えが増井に決まっているのであれば、早めに伝えるのもまた一計。
そして、
同じような重責ある立場で「早めに伝えた方がいい」ポジションとして、開幕投手も挙げられます。
ただこちらは、
まだ福良が悩んでいるようで…。
「開幕を取りに来てください」
オリックス・福良淳一監督(57)は3日、「開幕を取りに来てください」と今季の開幕投手を争奪戦とする考えを明かした。
この日、金子が今キャンプ初めてブルペンに入り、30球を投げた。その後、指揮官は金子を呼んで話し合った。当然、大本命であるエースに開幕投手を通告したかにみられたが、そうではなかった。
「1年間トータルで考えた時にどうか。開幕にこだわらなければ、例えば6連戦の頭にエースという考え方もある」
今季は3月30日の金曜日がソフトバンクとの開幕戦。昨季は金子が中5日を繰り返し、火曜日に持って行った。初登板を開幕2カード目初戦の火曜日にすると、毎週6連戦の頭をエースに託せるという利点がある。
金子本人は「やっぱり貯金ができるように2014年の貯金11(16勝5敗)以上を目指す。年間通して(ローテから)抜けたくない。監督が描いている通りにしっかり投げたい」と理解を示した。(デイリー)
私からすると、
まだああだこうだ言っているの、という印象。
同日、西武の辻監督は菊池雄星に開幕投手を通達。
しかも署名入りの色紙にて。
「1人しかいないだろう。聞くまでもないよ」と辻は語り、
指名を受けた菊池は「よし来たか、という思い。早い時期に伝えていただいたこともありがたい」と決意を新たにする。
そこに小手先の策はなく、
あるのは信頼感のみ。
それに比べて…。
策を弄す
以前の記事でも書きましたが、
金曜日に試合がないのであれば木曜日に金子を移行し、
カード3連勝を託す、もしくは3連敗を止める、あるいはカード勝ち越しを決める大事な役割を金子に託せばよいだけ。
さらに火曜は試合があるといっても、雨が降ればローテが崩れるのは自明の理。
福良の言う「金子火曜登板説」は、どうも策を弄している気がして私は賛成しがたい。
エースは堂々と開幕に投げればよい。
一年の始まりを、最も信頼置く投手に委ねればよい。
難しいことではありません。
むしろ、簡単なことです。
小手先の策
思い起こすのは、初のCS進出となった2008年。
CS初戦の大事なマウンドに上がったのは、
勝ち頭の小松聖ではなく、近藤一樹でした。
相手の日本ハムはもちろん、エース・ダルビッシュ有。
ダルビッシュに小松をぶつけることを避け、
二戦目を確実に取りにいくという、弱気な策を弄した結果、
チームは2連敗であっさりと散りました。
「PRIDE 1」。
ヒクソン・グレイシーvs高田延彦。
ヒクソンの周りをぐるぐると回る高田をみて、某選手はこう言い放ちました。
「弱い奴ほどよく動く」と(ちなみに私はUWFが大好きです)。
責
燻る、この開幕投手問題。
「開幕を取りに来てください」などと競争を煽る言い方をしつつ実は、
福良が金子に「ボク、開幕投げなくていいですよ」と言わせたいだけのような気がしてなりません。
福良のなかでは、最も信頼するエースの金子を火曜に固定するのが最善の策だと思っている(その是非は別として)。
ただ、
それを福良が金子に伝えることは、
金子から開幕投手の栄誉を奪うこと、球界最高年譜投手の名誉を傷つけることとなる。
福良はそんな責は負いたくなく、
金子から自発的に開幕辞退を言い出してもらうことで、この責から逃れ、
そして、
結局は金子が決めたことですからと言い逃れすらもできる。
私がひねくれているのかもしれません。
性根が腐っているのかもしれません。
しかし、
調子を崩していた平野が、「自ら」ファーム落ちを言い出すまで動かなかった福良をみると、
さらには、
「信頼しています」といいながら、ファーム落ちを平野が切り出した瞬間即座に下に落とした福良をみると、
あながち的外れな推量でもない気がしています。
もちろん、大きな見当違いであってほしいのですが…。
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