~オリックス・宮内オーナーの「鶴の一声」の巻~
満足感
昨日に続いて、宮内オーナーへのシーズン報告の話。
昨季の最下位から2つ順位を上げた4位に終わった今季だったが、宮内オーナーは4割4分4厘だった今季の勝率を持ち出し、満足度を「44%」と述べた。
さらに、「連敗で始まって連敗で終わった。去年は最悪の最下位で、去年よりチーム力が上がったとは思う。でも今年は下の2チームが極端に悪かった。だから6位から4位になったというだけで、浮上したという気分にはならない」と振り返った。(スポーツ報知)
おっしゃる通り、
ロッテの大コケ(しかしそこに唯一負け越しているわけですが)に、日ハム・大谷の故障離脱があったゆえの4位。
CS争いに加われずの、Aクラスから大きく離れた4位に満足感は全くなし。
外国人も当たり昨年よりかはチーム力は上がったものの、それでもこの位置。
オーナーの言う通り、浮上した気がまったくしません。
精神力と技術
「打つ方は走れない、機動力が低すぎる。決定打がなかなか出ない。追い込まれると弱いのも自信がないから。打つ方は深刻に頑張ってもらわなイカン」と奮起を促した。
機動力に関しては昨日書いたので今日は省くとして、
「決定打がなかなか出ない」
「追い込まれると弱いのも自信がないから」
は、まさにその通り。
チャンスの弱さに関しては、Tのように精神力の問題もあるとは思いますが、
三冠王二度の大打者・落合博満は、勝負強さについてこうも述べています(以下、横尾弘一、「落合博満の視点vol.5『勝負強さを身につけるために必要なことは』」より引用)。
では何が必要かといえば、こう明言します。
と。
横尾氏はそのことばをこう読み解きます。
つまり、走者のいない場面よりも、チャンスで打席が巡ってきた時のほうが、打者にとって打ち辛いボールが来る確率は高い。そのボールをしっかり打ち返すには、精神力以前にそれだけの技術が不可欠だということだ。
結局は技術、ということです。
得点圏打率が正式タイトルにもならず、
セイバー上でもほとんど評価されていないのもそういうことでしょう。
オリックスの選手が、チャンスで嬉々とするというより、びくびくしているようにみえているのは事実で(吉田正尚、ロメロ、マレーロ除く)、
そこを改善するためにも、とにかく練習し技術を上げていくしかありません。
これだけ練習したからやれる。
そう言えるだけの自信がオリックスの選手に欲しい。
猛練習のバファローズ
ゆえに、宮内オーナーはこう注文します。
現有戦力が一軍半ばかり。
さすがオーナー、よく観ています。
猛練習、ぜひやってください。
長嶋巨人の伝説の伊東キャンプのように、死ぬ気でやってほしい。
壊れればそれまでの選手だったということです。
鶴の一声
そして、昨日の、宮内オーナードラフト私見の続き。
【オリックス】宮内オーナー「現状でいくとピッチャー」清宮回避へ「鶴の一声」
という嫌な惹句が目を引く記事が出ていました。
オリックスが、早実・清宮のドラフト1位指名を「鶴の一声」で回避することが18日、決定的になった。都内で福良監督からシーズンの報告を受けた宮内義彦オーナー(82)は、ドラフト戦略について「意見を差し挟む余地はない」と前置きしつつ「現状からいくとピッチャーですね。おそらく必要なんだろうなと思う」と指針を示した。
今季のチーム防御率3・83はリーグ5位。2ケタ勝利を挙げた先発は金子だけで、他のローテ陣は全員負け越しという投手事情を「力と頭、両方弱い」とぶった切った宮内オーナー。現時点では清宮、履正社・安田ら高卒野手も1位候補に残っているが、オーナー発言を受けてJR東日本・田嶋大樹投手(21)ら即戦力投手に絞り込むことが確実だ。(スポーツ報知)
「決定的になった」
「確実だ」
衝撃を受けたのですが、
冷静に読むと、
長村球団本部長をはじめ誰もオーナーの提案に同意したという追加情報はない。
全然、
決定的にも確実にもなっておらず、
まだ清宮の可能性も残っていそうです。
田嶋、安田が単独で獲れるのならば、彼らでいってもいいと思いますが、
単独が無理なのであれば、怪物・清宮にいってほしい
(田嶋、安田以外で単独指名するような価値のある選手はいません)。
清宮が入れば注目度が増し、チームに大きな大きな刺激を与えるはず。
そして、
そういう外的刺激こそが、緩みきったいまのオリックスを変える最大の方策ではないかと思っています。