~オリックス、目下のライバルに3連敗 の巻~
大シャッフル
先制し追いつかれ、
勝ち越され追いついて、迎えた九回表。
一死三塁となったところで、
サードに鈴木昂平を入れ、
サードの大城をセンターに回し、
センターの小田をライトに入れ、
ライトの吉田正尚をレフトに回す大シャッフルを敢行した福良。
ここまで備えて迎えた今宮の打球は、
動いた4人と福良をあざ笑うかのように、彼らの頭上を越えてライトスタンド最前列に飛び込む決勝ホームラン。
一点をやらないために考えた福良の策で、それ自体は否定すべきものではありませんが、
それが全く功を奏さないところに、福良の勝負師としての運のなさが感じられ。
正直なことを言えば、
福良を勝負師だとは思っていませんが。
肝心要のピッチャーそのまま
九回、左が二人続くため、左殺しの山田修義を投入した福良と高山。
8月17試合のうち13試合目の登板となる山田。
左というだけで、勝ち負け展開問わずに起用。
明らかに使いすぎ。
山田自身のエラーもあり一死三塁。
この場面で上述の野手大シャッフルを福良は敢行したのですが、
パズル合わせに気を取られたのか、
打者が今宮・グラシアルと右が二人続くことをきれいに失念していたようで、
肝心要のピッチャーはそのままで、
左の山田が右の今宮に痛恨の一打を浴びる滑稽さ。
柳田に山田をぶつけたかったとするならば(実際そうでした)、柳田に回った時点でかなりの確率で失点しているはずで、
1点をやらない布陣を組んだのに、
1点をやらない投手起用は怠る。
よく分かりません。
2015年の惨劇
西武戦、ソフトバンク戦での岩本、
復帰後の山本、
今日の山田。
リリーフ陣の失敗が目立ちますが、彼らを責めることはできず。
打たれるまで投手を酷使し、
打たれ始めれば、お役御免とファームへ。
まるで使い捨て。
リリーフ陣の失敗を責めることはできないと、何度も書いてきましたが、
それだけ酷使が続いているということ。
目先の一勝に拘り過ぎるから、連続無完投記録更新寸前まで行き、
その結果、リリーフ陣は疲弊し、先発陣は成長しない。
栄光の2014年翌年の2015年の惨劇が、今年は、一年の間に起きている。
ここに関与しているのは、この3年全てで投手コーチを務めた高山郁夫。
「理想と現実は違う」の一言で片付ける
なぜオリックス投手陣に完投がないのかについて、6月、デイリーの記者が尋ねています。
その際の高山の答えは、
「もちろん完投を否定するつもりはないです。理想は先発投手が最後まで投げきること。できれば週に3人くらい完投してほしい。理想と現実は違う。ただ、目の前のゲームだけを勝てばいいわけじゃない。シーズンを通して考えなければいけない。そのために最善を尽くしている」(デイリースポーツ)
「出来れば週に3人くらい完投して欲しい」と言いながら、
中4日のMLBと違い中6日のNPBで100球前後で常に交代。
結果、完投は記録更新がかかった試合でのディクソンの完投のみ。
しかもその際は140球以上投げさせるという暴挙。
「目の前のゲームだけを勝てばいいわけじゃない」と言いつつ、
やることは目の前の試合を勝つために、リリーフ陣をどんどんつぎ込む。
「シーズンを通して考えなければいけない」?
いったい何を考えていたのか?
その答えがこれなのか?
挙句の果てには、
自らの言行不一致を、
「理想と現実は違う」の一言で片付ける。
福良続投となるぐらいならば
と、書いたものの、
打線の奮起があればその起用法も幾分かは変わったはず(2014年の投手起用をみていると根っこの部分はそのままですが)。
そこは少々与すべき点ではあります。
ライバル・ソフトバンクに、3連敗。
それ自体は勝負事ゆえ仕方のない面もありますが、ホームでの3タテは余りにも情けない。
ただ、
それでもまだ5.5ゲーム差。
逆転不可能な数字では決してなく。
しかし、
ここから3位に入って福良続投となるぐらいならば、
落ちるところまで落ちて新監督招聘(禅譲)を確実なものにした方がよいという気持ちの方がいまは強く。
何度も書いていますが、
大好きだったんですけどね、
阪急・オリックス時代の福良淳一選手は。