~オリックス・未来のエース、山本由伸 の巻~
,228と22
現在最下位のオリックス二軍。
スタートダッシュは決めたものの、試合を重ねるにつれいつもの定位置へ。
その原因は、ひとえに打力不足。
チーム打率,228は、首位の広島(,285)と約6分の差。
もちろんリーグ最下位。
一軍の指揮官が、選手に長打力より犠打の正確さを求めている以上、こうなるのも仕方ありません。
それは本塁打数に著明に表れ、
もちろんリーグ最下位の22本塁打。
リーグ最多の広島(71本)とは約50本の差。
同じプロとは思えないこの差。
情けなさに涙が出てきます。
俊足巧打といった同タイプの選手を多く集めた結果がこれ。
練習もそうですが、スカウティングを改める必要があります。
0.27
これだけの貧打ながら、なんとか4位もしくは3位を狙えそうな位置にいる理由。
それは投手陣の頑張り。
チーム防御率3.08は僅差ながらもリーグトップです。
規定投球回数に達しているのは、防御率リーグ3位の山田のみも、
以前ここで書いた2年目の吉田凌は防御率2.19と依然好調をキープ。
試合に出始めた育成の榊原翼(浦和学院)、
復活待ち遠しい比嘉の活躍も目立ちます。
そのなかでも出色の成績を残しているのが、
ルーキーの山本由伸。
33回2/3を投げて、被安打20、奪三振28。
失点はわずか1で、防御率は驚愕の0.27。
末恐ろしいルーキーが現れました。
0.53
その防御率以上に驚くのは、与四球の数。
33回2/3投げて、与四球わずか2(与四球率0.53)。
考えられません。
沢村賞を受賞した2014年の金子の与四球率が1.98(今では考えられませんが)。
それでも驚異的なのに、それを軽く上回る山本。
上と下との差、投げたイニングの差はあれど、
その能力の高さは否定できないでしょう。
14
また、投手の能力を防御率以上に表すと言われる、K/BB。
奪三振数÷与四球数で出しますが、
現段階での山本のK/BBは、14。
3.50を超えると優秀な投手といわれるK/BBでこの数字は破格中の破格。
NPBで歴代最高(1000回以上投げたなかで)のK/BBを誇る上原浩治が6.88。
これも前述と同じく一二軍の差、サンプル数の絶対的な少なさがあるとはいえ、
ルーキーでこれだけの数字を残す投手に期待しないわけにはいきません。
マエケン二世の声もあがる山本由伸。
シーズン後半の一軍デビューもありそう。
今春のキャンプ、
オリックス二軍監督・田口が山本をこう評していました。
「正直、びっくりしました。いい球を投げる。だから大切に育てたい」
「試合で投げさせるのは今夏くらいを考えている。名前がしばらく出てこないと思いますが、大切に育てたい。それだけの素質を持っている」(日刊スポーツ)
とにかく、
久しぶりにスケールの大きな、未来のエースが現れました。
結論
3位と16.5ゲーム差。
5位と9.5ゲーム差。
よほどのことがない限り、4位は安泰のオリックス。
にもかかわらず、福良は若手を起用していくつもりは毛頭ないようで。
その理由は、自らの置かれた立場の不透明さゆえでしょう。
球団社長の続投宣言はあったものの、オーナーの了承はなく、
宙ぶらりんといえば宙ぶらりんのいまの福良。
もともと目先の勝利を優先しがちな福良ですから、いまの立場では余計にそうなってしまいます。
辞めさすにせよ、続けさすにせよ、
来季のためにも早々と監督人事に結論を出すべきときです。