~オリックス、2018年ドラフト①(甲子園編) の巻~
スカウト会議
オリックスは13日、大阪市内の球団事務所でスカウト会議を開いた。前日12日に夏の甲子園出場校が一巡。甲子園に出場していない選手も含めて高校生約50人を絞った。
上位候補には投手では金足農・吉田輝星、大阪桐蔭・柿木蓮、浦和学院・渡辺勇太朗、倉敷商・引地秀一郎、明徳義塾・市川悠太、野手では大阪桐蔭・根尾昂、報徳学園・小園海斗、大阪桐蔭・藤原恭大らの名前が挙がった。(日刊スポーツ)
今年のドラフト、
高校生BIG3と評されるは、根尾昴(大阪桐蔭)、藤原恭大(大阪桐蔭)、小園海斗(報徳学園)。
昨年の清宮(早実→日本ハム)、安田(履正社→ロッテ)、中村(広陵→広島)の長距離砲3人(中村はタイプ的にはちょっと違いますが)に比べると、好打者タイプが揃った印象。
大阪のチームとして、地元の上記3人は集客面を考えるとぜひ欲しいところですが、
タイプ的にはどうでしょうか。
以下、私なりの寸評を加えたいと思います。
根尾昴(大阪桐蔭)
根尾昴(大阪桐蔭)。
誰が言い出したか、
投・内・外の「三刀流」なぞと騒がれていますが、それをいえば、大城も小島も二刀流。
実際のところは、高いレベルで投手ができるショート。
もちろん、大谷翔平のような「二刀流」のレベルにはあらず。
今日の沖学園戦に先発し、140キロ後半の直球を放っていましたが、
球速の割には伸びはなく、投手としてドラ1レベルにあるとは思えません。
プロでは内野手。
タイプ的には、現ソフトバンクの今宮健太。
ただ、私の中では、
明豊高校時代の今宮の方が、投手としても遊撃手としても上の評価(バッティングセンスは根尾が数段上ですが)。
もし根尾が大阪桐蔭ではなく、大分・明豊高校にいたと仮定するならば、ここまで騒がれたかどうか。
藤原恭大(大阪桐蔭)
藤原恭大(大阪桐蔭)。
私が観たなかでは、甲子園ナンバーワンのバッティングセンスを持った選手。
故障明けですが、しっかりと振れており、
なによりバットの芯で捉える技術が卓越。
文句なしのドラ1候補。
大阪桐蔭では四番を打っていますが、プロでは一番ないし三番。
左打ちの外野手という点がネックも、その打撃センスはそれを補うに余りあり。
現時点でも、打撃だけなら後藤駿太より上でしょう。
小園海斗(報徳学園)
小園海斗(報徳学園)。
深い守備位置は、高校ナンバーワンショートとしての矜持。
バットコントロールにも優れ、完成度はまさしく高校生ナンバーワンショート。
平沢大河(仙台育英→ロッテ)など、高校生遊撃手が高評価を受けてプロ入りするも、そのままショートのレギュラーを掴むのは至難の業。
しかし、小園はショートとしてプロでも活躍できる選手。
パワーがもう一つ付けば、ドラ1重複指名も。
ダントツで藤原
私の中では、高校生BIG3の中ではダントツで藤原。
二年生ながら選出された昨年のU-18で、木製バットを苦にせず使いこなす姿を観たときから、その評価は一貫して変わらず。
昨年同タイプの西浦を獲得したオリックスが指名するかは別問題ですが。
あとは、目についた選手を3人ピックアップ。
吉田輝星、木村颯太、西純矢
吉田輝星(金足農)。
大会ナンバーワンピッチャーの呼び声高い豪腕投手。
金足農といえば、30年前に佐川潔という同タイプの剛速球投手がいましたが、
その佐川によく似たピッチャー(巨人ドラフト3位からオリックスに移籍)。
球威は文句なしも、あとは制球。
木村颯太(佐賀商)。
初戦で散りましたが、マックス146キロ。
ただこの投手、ストレートよりも変化球の方が面白く、指先の器用さは山本由伸を思い起こさせるほど。
投手としての完成度が高い投手です。
西純矢(創志学園)。
ご存知、オリックス西勇輝の親戚とのこと。
現在二年生も、今年のドラフトでも1位指名確実の逸材。
ストライクゾーンからボールゾーンに落ちるスライダーはまさに消えるという表現がぴったり。
プロでエースになれるピッチャー。
大事な夏
いまのオリックスが、高校生をドラフト1位で指名することは皆無に等しく、
オリックスにとっては候補のままで終わりそうな予感もしますが、
それでも、真夏に生きのいい高校生の溌剌としたプレーを観るのは単に楽しく。
やっぱり、夏は甲子園ですが、
オリックスにとっても、今年は珍しく大事な夏。
明日からは敵地での西武戦。
なんとか勝ち越しを。
そして、
いい加減、多和田を打たないと。