~オリックス、2020年度新入団選手③(前佑囲斗・勝俣翔貴) の巻~
順位縛り
宮城大弥・紅林弘太郎、村西良太に次いでの第三弾は、ドラフト4位の前佑囲斗と5位の勝俣翔貴。
この両選手の共通点は、順位縛り。
この順位以下だとプロ入りお断りという順位縛りですが、それ以下だとプロ入りしないといった程度の意志の選手と、縛りを設けず入ってからが勝負と思っている選手であれば、入団後の大成は後者の方が可能性が高い。
近年では、草場亮太(九産大→日本生命)が順位縛りをしていたため指名を見送られたといわれ、日本ハムの指名を拒否した山口裕次郎(履正社→JR東日本)ともども解禁年の指名もなく停滞。
自分の評価は他者がなすものと語ったのは野村克也。
まさに名言。
4位・前佑囲斗
前は4位縛り。
ドラフト漏れ時の進路との兼ね合いが合ったのでしょうが、覚悟というものは感じられず。
選手としての評価は、まだまだ体もできておらず、ストレートの制球もアバウト。
それが高校日本代表に選出されて名も売れ、順位縛りも設けながら、4位まで名前が呼ばれなかった理由。
140キロの右のスライダー投手は、プロに入れば一番多いタイプ。
と言われながら西勇輝のように大きく花開いた例もあり。
山本の「43」番を受け継ぎましたが現実的目標にするには高すぎ、まずは鈴木優や吉田凌に肩を並べ追い抜いてほしい。
5位・勝俣翔貴
ドラフト5位の勝俣翔貴は、東海大菅生時代に二刀流として名を馳せるも、2位縛りのため指名漏れ。
二刀流といってもいわゆる投手もできる外野手。
右投げ左打ちの中距離打者を上位で指名するはずもなく、プロ球団は当然のようにスルー。
大学入学とともに野手に専念し一年春から主力として活躍するも、ドラフトでは5位指名。
4年時の故障の影響あれど、
これが勝俣の真の評価。
野球村のお話
勝俣の順位縛りは、東海大系列の国際武道大との関係上のもので本人自身が決めたものではないとされていますが、当人がそれを承諾した以上責任は当人に帰結。
個人的にはこういう閉塞的な野球村の話は聞いていていい気持ちがしない。
それが原貢を神と崇める東海大ならばなおのこと。
大学卒業により、この呪縛からとりあえずは脱した勝俣。
一見遠回りとも思えるこの4年をどう捉えるかで、プロ入り後のスタートダッシュは違ってきます。
長打力
即戦力と称される勝俣。
大学時代に務めた三塁の守備力は、プロ入り後目指すべき大学の先輩・西野より下。
しかし勝俣の長所は打力、さらにいえば長打力。
2018年の高校日本代表vs大学日本代表にて、その年のドラフト2位で西武に指名された渡邉から放った流し打っての本塁打は勝俣の魅力を十分に証明しうるもの。
貧打のオリックスが指名するのも納得。
有鈎骨骨折を隠しながら試合に出場し続けたメンタリティもオリックスにはないもの。