~オリックス、2019年前半戦総括③(采配編) の巻~
チーム犠打数58(リーグ1位)
前監督のなにが嫌だったかといえば(采配の部分だけで、それ以外は好きです)、TPOを弁えぬ犠打の嵐。
得点効率という見地から考慮すれば、セイバーで明確に否定されており、
さらに、興行という観点からみれば、つまらないの一言。
勝ちに結びつかず、しかも試合が面白くない。
その結果、2014年の快進撃で足を運んでくれた方はもちろん、オリックスファンも球場から足が遠のき。
選手時代シーズン最多犠打を2度記録した福良が辞めるだけで、犠打は減り、
さらに次期監督に就任した西村徳文は「積極的」を標榜。
積極的の対極に位置する犠打がようやく減ってくれると安堵したのも束の間、
現時点でチーム犠打数58はリーグ1位。
昨年と同じ
昨日の記事で、チーム打率・本塁打・得点・打点・出塁率・長打率と得点に大きくかかわる打撃主要部門すべてでリーグ最下位と書いたばかりですが、
得点との関連性が低い犠打はリーグトップ。
上述の部門は選手個々の能力の問題も、
この犠打は、明確に指揮官・西村の問題。
打てないからとりあえず犠打でという安直さ。
と思えば、オリックスでは稀少な三割バッター(大城や中川)にも犠打を命じ。
福良が西村をヘッドに招いたのは「野球観が同じだから」。
なんだかんだ言っても、結局は同じ穴の狢。
小技重視で大砲軽視。
攻撃の基本は犠打。
トップは違えど、昨年と同じことが繰り返されています。
チーム盗塁数77(リーグ2位)
が、昨年までと異なる点は、西村の昔取った杵柄で、チーム盗塁数。
77はリーグ2位。
盗塁で得点との関連性が高い、つまり重要視されるは数でなく成功率。
成功率が最低7割ないと危険を冒してまで盗塁を企図する意味がないといわれますが、
前半戦のオリックスの盗塁成功率は,687(77/115)。
ようやく「足」という面に意識が向いてきたいまの段階では、この数字自体は仕方ないかなと思っています。
盗塁への意識が強まることで、次の塁を狙うことの意識づけの一助となれば。
先発を長く
攻撃面での采配は落第点も、投手起用に関しては及第点といってもよいのでは。
前監督さらにいえば前々監督は先発を軽視。
ブルペン陣を頼り続けた結果、酷使により翌年ブルペン崩壊ということが繰り返され。
そして先発陣は、完投など脳裏にないかのように、QSクリアを最低ではなく最高の目標のような発言もみられ。
西村はシーズン前から先発を長く投げさせる方針を立てていましたが、
それに関しては、(山本の穴が埋まらない現実的問題があるとはいえ)有言実行できています。
この西村の覚悟が、若い先発陣の開花に繋がりました。
2位とはわずか4ゲーム差
采配(特に犠打中心の攻撃)に腹立つこと多々あれど、それでも勝利監督インタビューの西村の笑顔を見れば、怒りが氷解することも多々あり。
「~やないですか」の定型文の前監督と異なり、ニコニコ笑顔で自分のことばで話す西村のインタビューは観ていて気持ちがいい。
後半戦はこのインタビューを多く観れますように。
首位とは大きく差が開けど2位とはわずか4ゲーム差。
後半戦は田嶋からスタート。
前半戦のように先発が踏ん張り、
前半戦終盤のように攻撃陣に粘りが出てくれれば、十分に勝負になる。
さあ、後半戦がスタートです。