~オリックス、ヒューストン・アストロズ、世界一への道⑥(実績選手の補強) の巻~
実績選手の補強
チーム解体→トッププロスペクト獲得→若手育成ときた2017年のアストロズ世界一までの過程。
最終段階は、実績ある選手の補強。
アストロズGMルーノーが2016年オフに獲得したのが、カルロス・ベルトラン。
2000年代を代表するファイブツールプレイヤーで、シルバースラッガー2回、ゴールドグラブ3回受賞、球宴9回出場の強打のスイッチヒッター。
そしてその成績以上にルーノーがベルトランに求めたのは、その卓越したキャプテンシー。
カルロス・ベルトラン
チーム最年長のベルトランは、ルーノーの期待通りに、経験の浅い選手が多いチームをまとめ、アストロズそして自身初の世界一を手土産に引退。
人望厚いベルトラン、今季よりメッツの新監督に就任するも、球界を揺るがしたサイン盗み騒動の主犯格として一試合も指揮を執ることなく退団することとなりましたが、それはまた別の話。
アストロズ世界一にベルトランが果たした役割は非常に大きいものがありました。
また、32歳のベテラン、チャーリー・モートンを前年フィリーズで故障のため4試合しか登板しなかったにもかかわらず、データに基づき2年1400万ドルで獲得。
世界一決定の瞬間にマウンドに立っていたのは、そのモートンでした。
結実
チーム解体時はベテランを放出し、若手育成の時期を経て、勝負の年到来と確信した際にはベテランを集め(現ヤクルトの青木宣親もこの年アストロズに加入(シーズン途中でトレード))、成績面のみならず精神面での強化も図る。
この理路整然とした強化策が結実し、スポーツイラストレイテッドの予言通りに世界一に輝いたアストロズ。
オリックスも見習うべき点が多数あります。
アダム・ジョーンズ
今季の目玉であるアダム・ジョーンズの加入は、アストロズに例えれば最終段階である「実績選手の補強」。
それは、チームリーダーとしての役割を、福良GMがジョーンズに求めていることでも明らか。
しかし、チームとしてはまだ若手育成の域を脱しておらず、個人的には2年は早いという印象。
それでもジョーンズ獲得はジョーンズ自身の年齢も加味するとここしかなく、だからこそ昨年の中途半端な育成が残念でなりません。
アストロズと比べると、(サイン盗み等の)汚いことをしないという点以外はオリックスは全てにおいて劣っています。
グラウンドレベルではフライボールレボリューション、シフト、オープナー等、編成レベルではいままで書いてきた強化過程。
チーム強化の結果を明確に出している策がメジャーにありながら、それを参考にする様子も見えないのは、本当にもったいない。