～オリックス、2020年10大ニュース③ の巻～
3位：中嶋聡新監督誕生
～オリックス、2020年10大ニュース① の巻～、～オリックス、2020年10大ニュース② の巻～に続き、2020年最終日は3位～1位。
3位：中嶋聡新監督誕生
二軍監督から昇格し、代行の立場で一軍の指揮を執り始めた西武戦。
監督交代で、不振だったジョーンズがまるで人が変わったかのように打ち始め、まさかまさかの3連勝。
ここからの逆転優勝、五割復帰は夢想すらせずも、（その意味はともかく）最下位脱出はあり得るかもと思わせる3試合でした。
代行としての中嶋の成績は29勝35敗3分け、勝率.453。
就任日をリーグ開幕戦と仮定すれば楽天・日本ハムを凌いで4位とのことですが、所詮Bクラスの4位ともいえるわけで。
さらにいえば、代行時代の成績があまり意味をなさないのは、福良監督代行が42勝46敗を残した翌年に完全最下位を達成し証明しています。
育てながら勝つ
ただ、その2チーム＋福良時代のオリックス（もしくは残りの上位3チーム）と異なるのは、明らかに育成に主眼を置いていたという点。
育てながら勝つことがいかに難しいか。
内川・松田が衰えようやく斜陽に入ったと思われたソフトバンクの4年連続日本一の陰には若手の躍進がありますが、こちらは勝ちながら育てる。
成長には成功体験が不可欠。
弱小チームでは勝利という成功を手にしにくい。
そんな中での中嶋の苦闘は称賛に値します。
たぶん最後の阪急出身監督。
ブレーブスファンにとっては最後の砦でもあります。
2位：西村退任
2位：西村退任
変革を標榜した西村徳文前監督。
確かに変わりましたが、それは実に悪く古い方に。
犠打多発に一三塁でのみえみえのダブルスチール敢行。
ブラッド・ピット主演の「マネーボール」を再見しましたが、主力のジェイソン・ジオンビやジョニー・デーモンが抜け戦力低下に泣くアスレチックスGMビリー・ビーン（ブラッド・ピット）に経済学部出身で野球未経験のピーター・ブランドがこう言い放ちます。
「選手を買うのではなく勝利を買うべきで、勝利を買うためには得点を買う」
そしてシーズンが始まるとセイバーに基づきビリーは「バントはするな」「盗塁はするな」と徹底させ、アスレチックス奇跡の20連勝達成。
20年の遅れと福良野球の継承
MLBでセイバーが市民権を得て20年が経ちますが、非統計的な福良・西村野球を観せられ続けると、オリックスそしてNPBはそのころから進化・進歩しておらず、20年の遅れを痛感。
そしてそれは2030年になっても変わらないのでは。
貧打に泣いている現状がありながら、ファームで杉本がOPS1.0を超えても全く上げる気配はなし。
自らの狭い選手評価に固執した結果、薄い選手層をさらに薄くし。
もともと西村監督就任は、結果が出なかった福良野球の継承がその理由。
悪いものを継承すればこうなるのは明らか。
そしてそれはほとんどのファンが分かっていたこと。
トップに責任をすぐ擦り付ける昨今の風潮には与しませんが、この西村監督就任はさすがに悪手中の悪手。
誰がこれを主導したのかは知りませんが、これはフロントに全ての問題があり。
1位：球史に残る同一カード6連戦6連敗
1位：球史に残る同一カード6連戦6連敗
スタートダッシュに賭け、山岡・田嶋・山本の三本柱を楽天との開幕3連戦に全投入。
これ自体は理解しうる策で、この作戦上、裏ローテとなる6連戦最初の3連敗はまだ想定できる範囲内ではありました。
4戦目、開幕投手の山岡泰輔に連敗ストップを託すも、その山岡が初回3球で降板。
不可抗力の面もあれど1億貰うエースがこれではさすがに厳しく、田嶋・山本もみえない流れに押しつぶされて、球史に残る同一カード6連戦6連敗。
そしてこれでシーズンもジ・エンド。
弱いという事実
発表された来季スケジュールに同一カード6連戦はなく、いまのところ空前にして絶後の恥ずべき記録。
同一カード6連戦6連敗があるならばオリックスと囃されるのは成績からみてもやむを得ず。
しかしそれを覆すこともできず、そのまま現実となる弱さ。
改めて、このチームが弱いという事実を実感したこの6連敗。
それでもこのチームが好きですが。
一筋の光
3日にわたり10大ニュースを書いてきましたが、2年連続最下位、6年連続Bクラスが示す通り、暗い話題が多くランクイン。
それでも中嶋が監督に就任し、その暗夜に一筋の光を感じた今シーズンでもありました。
来年の優勝は戦力的には厳しいのは否めず、しかし再来年に勝負を賭けられるくらいの位置には是が非とも来て欲しい。
野球のみならず日常でも苦しいことが多かった2020年。
来年こそはともにみんなで笑い合える年でありますように。
よろしければ一押しお願いします。