~パリーグ優勝のオリックス、2021年10大ニュース③ の巻~
12位
10位~7位(~パリーグ優勝のオリックス、2021年10大ニュース① の巻~)、6位~4位(~パリーグ優勝のオリックス、2021年10大ニュース② の巻~)に続いてのトップ3。
その前に惜しくも圏外の12位を。
12位:フィルダースチョイスからの大逆転劇
シーズン序盤、4/22の西武戦。
3-6と3点を追う九回裏、二死一二塁から代打ジョーンズが三塁ゴロで万事休すと思いきや、三塁・佐藤龍世が一塁に送球せず二塁に送りセーフとなって満塁に。
ここでTがライトへタイムリースリーベースを放ち同点。
続く、当時七番の杉本がレフトへサヨナラヒット。
まさかまさかの4Xの大逆転劇に歓喜した試合は、のちに今季のオリックスを代表することとなる、チームの一体感を感じた試合でした。
打ったTも杉本も立派でしたが、3点ビハインドの展開でもしっかりと一塁走者吉田に代走小田を送っていた中嶋もさすがでした。
なお、致命的なミスを犯した佐藤はシーズン途中に日本ハムへトレード。
一球に泣き一球に笑うプロの明と暗を感じた試合でもありました。
3位
3位:本塁打王・杉本裕太郎
監督が代わっていなければ、現役ドラフトが施行されていたならば、このチームにいたか分からない30歳の選手が、恩師との邂逅で大きく羽ばたき、初の規定打席に到達。
そして本塁打王に輝く。
まさに、シンデレラストーリー。
杉本の確実性重視への方向転換を疑問視していましたが、終わってみれば三割30本。
使い続ければ30本塁打はあっても、まさか三割打てるとは思いもしませんでした。
最終打席のライト前ヒット
三割を決めたのは、最終打席。
それは、一昨年までの杉本では考えられない、柔らかなライト前ヒット。
これこそが杉本成長、努力の証で、早くからバレルを意識した打撃フォームに着手するなど試行錯誤しつつ奮闘してきた杉本への、野球の神様からのプレゼント。
実質二年目の来季はマークもより厳しくなるでしょうが、大卒社会人で杉本と同じ30歳で初めて期待打席に到達した和田一浩のような息の長い選手になってもらいたい。
30本打ちながらの打率三割は、確固とした打撃理論なしでは到底到達できないもの。
2位
2位:T-岡田、ロッテ・益田から九回二死逆転スリーラン(&ロッテとの首位攻防戦の死闘)
9/30、雨中の千葉。
カード始まる前のゲーム差3で一つ落とすとロッテにマジック点灯と、土俵際ならぬ徳俵まで追い込まれて迎えた首位攻防戦。
両山崎の力投もあり2連勝で迎えた3戦目は、守備固めに入った後藤の大きなミスもあり2点ビハインドで九回裏に。
二死一塁から紅林がヒットで出て一二塁。
一発出ればの場面で打席に入るはT-岡田。
ロッテクローザー・益田の決め球シンカーを捉えた打球は、ロッテファンの悲鳴の中ライトスタンドに飛び込む、逆転スリーラン。
3タテからの7連勝
喜びを抑え悠々と淡々とダイヤモンドを回るTとは対照的に、オリックスファンはTの奇跡の一打に狂喜乱舞。
その裏、Tと同期の平野が抑えて敵地でロッテを3タテ。
続くソフトバンクも3タテし、大事な終盤で7連勝。
半信半疑だったチームの成長、強さを、この頃は実感として確信していました。
紆余曲折まだあれど、この3タテで、Tの逆転スリーランで息を吹き返したチームは、悲願の優勝へ突き進むこととなります。
しかしいま振り返っても、ロッテとの首位攻防戦は素晴らしい試合の数々でした。
1位
1位:25年ぶりのパリーグ優勝
もちろん1位は、25年ぶりのパリーグ優勝。
いつかこんな日が来ることを信じていたつもりも、まさか本当に来るとは、が本心。
吉田と山本がいる間が勝負と思っていましたが、それがまさか今季とは。
もちろん選手が主役ながら、やはり監督・中嶋聡の存在が大きい。
阪急時代を知る福良が腐った土壌を耕し種をやるも、偏執的な水のやり方でなかなか芽が育たず、続く西村がその畑を大荒らしに荒らしまくった後に現れた、まさに救世主。
CS3戦目の連続強攻
薄い選手層は、二軍の選手含め選手全員を信じることで補い、目先の一勝に拘らず選手のパフォーマンスを優先する姿勢は、中継ぎ陣の3連投ゼロが証明。
攻撃面では打てる野手を辛抱して起用。
前、前々監督と異なり犠打を重視せず、その象徴がCS3戦目の連続強攻。
一球一球、状況を把握しサインを出す中嶋の高い野球脳の証明でもありました。
心を込めて、ありがとう
長い祈りが通じた2021年。
それはまるで夢のよう。
シーズン終盤からの激闘に次ぐ激闘。
歓喜の陰では疲労が当然あるはずで、体を休めてと言いたいところですが、リーダーのTをはじめ多くの選手は既に始動済み。
オリックスファンにとって最高の一年は、頑張ってくれた選手のおかげ。
心を込めて、ありがとう。
最後に、このサイトを通じて、オリックスファンの皆さんとともに優勝を喜べた日のことを、私はたぶん一生忘れません。
おかげで、25年前より優勝の喜びは大きかった気がします。