~オリックス、奮闘する安達 の巻~
安達了一
接戦をものにした昨日の日ハム戦。
地方球場特有のグラウンドコンディションに苦しむ選手が多かったなか、
一人安定した守備をみせていたのが、ショートの安達。
そのなかでも出色だったのが、八回、日本ハムの攻撃の場面。
無死一塁で二番岸里が送りバント。
捕手前に転がった打球を若月が二塁へ投げるも、ワンバンの難しい送球に。
それを安達が難なく捕球し、二塁封殺。
わずか1点リードの厳しい場面で、安達がなにげにみせたビッグプレー。
黒木がなんとか無失点に抑えたのも、このプレーが大きかった。
そんな安達、
ここまで全試合に出場も、
疲労はたまってきているようで…。
勇気
4月16日日刊スポーツの記事。
「僕にとっては、疲れているんでありがたい。休みをもらったといい方向に考えたい」。
死球の影響で15日に欠場したステフェン・ロメロ外野手(28)にとっても恵みの雨になったようだ。福良淳一監督(56)は「ロメロは今日も出場が厳しかった。安達も体調面があまり良くなかったしね。ベテランにとっても良かったんじゃないか」と小休止を歓迎した。
小谷野、ロメロの記事に隠れてはいますが、
このなかで最も重要なのは、記事後半。
「安達も体調面があまり良くなかったしね」。
ゾッとしました。
特定疾患の潰瘍性大腸炎をかかえる安達。
活動期と寛解期を繰り返すこの病。
完治というものはなく、いかに寛解期を長く維持できるかが重要となってきます。
キャンプ中の安達の発言、
「自分では治ったと思っている」のことばがどれだけ嬉しかったか。
昨年全休だったキャンプ・オープン戦も完走し、
ここまで全試合に出場。
しかし、その裏で安達はやはり苦しんでいました。
もちろん体調面の不調が即、潰瘍性大腸炎に結びつくかは定かではありませんが、
疲労がたまってきていることは事実でしょう。
ただ、
それを微塵もみせずにプレーする安達の姿は、
同じ病に苦しむ人のみではなく、
オリックスファンにも勇気を与えています。
チャンスメーカー
一番バッターとして開幕を迎えた安達。
4月8日の日ハム戦から三番に入りました。
その時点での打率は,174。
昨日終了時点での打率は,180と、
とくに大きな変化はありません。
安達が三番に座った試合で一番に入ったのは、宮崎。
宮崎に押しやられた格好ですが、
そこで下位ではなく三番に入ったのはたぶん、福良が足や小技を使った攻撃をしたいがためでしょう。
出塁率は、4割超えの中島、小谷野、Tに大きく離され,328。
得点圏打率も,200と低迷。
数字的には三番にふさわしくはありませんが、
福良は、
三番をクリーンアップととらえるのではなく、
チャンスメーカーと考え、
足でかき回せて(盗塁ではなく、走塁面で)、小技のできる安達を配しているのでしょう。
福良野球
オリックスも痛い目にあった楽天のペゲーロ。
メジャーに目を転じれば、
ドジャースのコーリー・シーガー、カブスのクリス・ブライアント、
今季韓国からメジャー復帰し大爆発中のブリュワーズのテイムズなど、
最強打者を、打順が多く回ってくる二番に配置することが常識となりつつある昨今(たぶん10年後には日本球界もそうなっていると思います)、
二番的役割を課された安達が三番に入るのは、
時代遅れの感は否めません。
だがしかし、
それが福良野球なのでしょう。
バントへの偏重も、
結果を残す今季は、いらだつこともなくなりました。
全ては勝利が薬となる。
いまはただ、
福良のしたい野球を信じるのみです。
選手がしっかりと福良の期待に応えてくれているのだから。
いまはただ、
信じるのみです。