~オリックス、張奕今季初勝利&ジョーンズ2戦3発で中嶋監督代行2連勝! の巻~
喜ぶ辻に高山
四回裏。
好投の西武先発・内海から、吉田正尚がチーム初ヒット。
内海のエラーで一死一二塁となって、五番・ジョーンズ。
甘く入った外寄りのチェンジアップを逃さず、連日の先制アーチは実に効果的なスリーラン。
ジョーンズの一打に、球場内で最も喜んだのではと思われるくらいに弾けていたのが新一軍打撃コーチの辻竜太郎。
後ろでは新指揮官中嶋もガッツポーズ、そしてその横では高山郁夫も。
勝利に無関心のチームを代表するくらいに陰鬱としていた高山。
指揮官が代わるだけでこれだけ気持ちも変わるものか。
目的の共有が感情の共有を生む。
新チームの一体感を感じます。
張奕、今季初勝利
オリックス先発は肘痛から復帰2戦目の張奕。
三回、四回とピンチを招くも、早めに打者を追い込み無得点で凌ぎ、5回/87球・被安打5・奪三振6・与四死球2・失点0と力投。
ピンチでの落ち着きは投手転向2年目とは思えず、粘り強く投げ抜きました。
四回一死満塁を、攻めるピッチングで抑えたのが大きく、その張の粘りがその裏のジョーンズの一発を呼びました。
二回中村、三回森から三振を奪ったストレートは、強く制球も文句なしで素晴らしかった。
あそこでストレートでズバリと勝負できるのが張の強み。
再び、三度のジョーンズ
張の後を受けた澤田が中村に一発を浴び2点差に迫られた六回裏。
再び(というか昨日から数えれば三度の)ジョーンズのアーチが左中間スタンドに突き刺さり、三点差に戻しました。
打点は運の要素が強いものの、監督交代を機にチャンスもしくは欲しいところで打ち始めたジョーンズ。
これこそがファンが待ち望んだ、期待した姿。
今日の2本は緩い変化球。
あとは、強いストレートに押し負けなければ。
大城、ジャンピングキャッチ
試合は、5‐2でオリックスが勝利。
タイトル通り、今季初勝利の張奕と2本塁打打点のジョーンズの働きが勝因も、球場が最も沸いたのは2点リードの七回表、二死満塁バッター中村の場面。
ヒギンスの5球目を弾き返した打球は、強烈なライナーで左中間に。
それをショート大城滉二が、これしかないというベストのタイミングでジャンピングキャッチ。
抜けていれば逆転もあった当たり。
ナイスプレーでした。
その大城に送られた万雷の拍手。
冷めていたファンも熱気を取り戻し、選手とベンチ、そしてファンに一体感が生まれてきました。
「チームの雰囲気も明るくなりましたね」
監督代行就任後2連勝を飾った中嶋へのインタビュー。
笑顔一流、コメント三流だった前監督に比べ、中嶋の一言一言は実に興味深い(昨日の四番中川に対するコメントなど近年では最高のものでは)。
喜ぶ中嶋の顔が一瞬強張ったのは、「チームの雰囲気も明るくなりましたね」との大前アナの質問に対して。
一拍置いて「前が分からないので」とにこり笑って返した中嶋。
答えに窮するしかない、大前氏らしくない質問でしたが、近い距離でチームをみてきた大前氏だからこそ余計に感じていた変化なのでしょう。
そして約1か月ぶりの連勝が、大前氏の冷静さも奪ったのでしょう。