~オリックス、八回二死から意地の逆転劇! の巻~
後藤駿太、宗佑磨
八回ワンアウト、小島が空振り三振。
しっかりと低めにコントロールされた変化球をみて、いくら自己最長イニングに突入、さらには球数100球を超えていたとはいえそこまで2安打のソフトバンク先発の松本に初完封を献上するのだなと漠然と感じていました。
二死から若月に代えて、代打・後藤駿太。
昨日は大事なところで一本が出なかった後藤ですが、それを批判する声が出ないところに後藤の打撃面のこれまでの貢献度が窺い知れ。
その後藤、今日は際どいボールを見極めフォアボール。
二の矢は宗佑磨。
始動の遅さは新打撃フォーム変更後付いてまわる課題ですが、打ち出してからのスイングの強さは昨年のいいときと遜色ないレベルまで戻っており、2球目高めのカーブを捉えた強く捉えた打球はライト線へのツーベース。
福田周平
これで二死二三塁と一打同点のチャンス。
ただ、それでも二死。
ここで松本を諦めたソフトバンクは左の嘉弥真にスイッチ。
対左の打率が4割を超えている福田にサウスポー。
データ的には大歓迎も、嘉弥真は左打者が総じて苦手とする左サイド。
シーズン序盤も無死二三塁の好機で内野フライに打ち取られた過去もあり。
外スラを2球続けて見逃しての真ん中高めへのストレートを、
体開かずしっかり溜めてセンター前への同点タイムリー。
さすがの、キャプテン。
大城、吉田正尚、マレーロ
これで同点。
ただ、それでも二死で、逆転のランナーは一塁。
続く大城、あっさり2球で追い込まれ万事休すかと思ったところ、しぶとくレフト前。
そして三番の吉田正尚。
3‐2から投手にとっては最高のストレートも主審の手は上がらずフォアボールで満塁となり、迎えるバッターは今季初めて四番に入ったマレーロ。
高めに甘く入ったスライダーを見逃さず、センターの頭上を越えるタイムリースリーベースヒット。
八回二死ランナーなしからのまさかの逆転劇。
いや、
ここまで苦杯を喫してきたソフトバンク相手に、意地の逆転劇。
ファンが先に諦めてどうする
2勝11敗。
飛車角抜きのソフトバンク相手にこの数字は、同じプロとして恥ずかしさしかなく。
特に打者の差は著明で、
体の大きさ、そこから生じる打球の強さ、飛距離の差で積み重なった大敗の数々。
さらに、
常勝と常敗のチームゆえ野球偏差値にも差があり、その差で積み重なった惜敗の数々。
また3タテかと諦めが入ったところでの大逆転劇。
ファンが先に諦めてどうする。
そう思わせた勝利でした。
竹安、近藤、ディクソン
七回まで毎回安打を浴びながら要所を三振で締めたオリックス先発の竹安大知。
休養もしくは首脳陣の判断ミスにより二軍降格となった近藤大亮の力強いピッチング。
九回、らしくゴロアウトを3つ積み重ねたクローザー・ディクソン。
投手陣の踏ん張りも大きかった。
神戸でなんとも言えない負けが2つ続いての大阪。
それでも3万人を超えるファンが集まりました。
ファンの声とキャプテン福田
普通に3タテを狙ってきた大型連勝中のソフトバンクと、上手くいっての目標が2勝1敗のオリックスとの意識の差が出たこのカード1勝2敗という数字も、借金+3寸前までいっての今日の勝利は最下位に沈むチームにとっては大変大きく。
この逆転劇を生んだのは、諦めないファンの声。
現地に応援に駆け付けたファンの後押しは無形の力となったに違いなし。
そしてキャプテン・福田。
頭部死球で「まだズキズキする」状況ながら、昨日は次打者初球に盗塁を仕掛け、今日は同点タイムリー。
プロ2年目・福田のこの闘志になにも感じないのならば、もはや男ではない。