~オリックス、スペシャル対談・野村克也×福本豊 の巻~
野村克也×福本豊
2019年パリーグ最下位のオリックス。
個の集合体がチームであるにもかかわらず、今季の野手査定に首を傾げることが多く。
ゆえに過去に逃避し手にした2017年1月23日号の週刊ベースボール。
新春スペシャル対談として登場したのは、野村克也と福本豊。
そのなかから、阪急ブレーブスのレジェンド・福本豊の発言をいくつか抜粋。
クイック投法
福本:クイックを最初にやらせたんも(野村)監督だし、あれはびっくりしましたよ。
いまでは投手必須となったクイック投法。
助っ人投手が来日後最も苦しむ部分で、近年のオリックスでも、160キロの豪腕投手がクイックを習得できぬまま消えていきました。
MLBのピッチャーがほぼできないのが表すように、クイック投法(和製英語)は日本発祥のもの。
そしてそれは、盗塁王・福本対策として当時南海の兼任監督であった野村が生み出したのは有名な話。
それを示す傍証は、福本曰く「最後まで(クイックを)しなかったのは阪急のピッチャーでしたな」
「塁に出んと盗塁もできませんから」
福本:(野村にメジャー挑戦について問われて)「盗塁はそう(通用)するかもしれんけど、打てるかどうかは別ですわ。塁に出んと盗塁もできませんから」
「盗塁の秘訣は」と問われ「打つこと」と返す福本の答えは禅問答的でもありますが、オリックスの選手の貧打をみるたびにその福本の言葉を思い出し。
西浦、小田、佐野の快足三人衆。
彼らの打率はそれぞれ.195、.206、.207。
1065盗塁が目を引きますが、福本の通算打率は.291。
塁に出るから試合に出、試合に出るから走られる。
「間違うてパカンとホームランいく」
福本:西本(西本幸雄)さんは僕に「インハイのストレートを打てんかったらレギュラー取れへんぞ」と言ってた。「バッターというのはみんなツボを持っているから、それを殺したらあかん。間違うてパカンとホームランいくときもあるし、それで相手は警戒するんや」って。だから僕みたいなチビでも「当てにいくな、腰でスイングしろ」ってずっと言われてきましたね。
1065盗塁が目を引きますが、福本の通算本塁打数は208。
Tが現在170本塁打。
いまの選手を見て思うのは、「間違うてパカンとホームランいく」スイングをしている選手が果たして何人いるのか。
当てにいくスイングをしなければ空振りは当然増えますが、その空振りをよしとしないチーム(ベンチ)の雰囲気。
長打率はリーグ最下位。
チーム打率も最下位。
加えて、出塁率もリーグ最下位。