~オリックス、二割の差 の巻~
解任
サッカー界では、日本代表監督・ハリルホジッチが電撃解任。
次の解任候補は、オリックス監督・福良淳一との声もちらほら目につきます。
開幕から、2勝7敗。
スタートダッシュ失敗といっていいでしょう。
しかし、監督を替えるかどうかの判断をするにはまだ時期尚早。
対戦は一回りもしておらず、
今週からは、ホーム5連戦。
決してホームでの成績が良いわけではないので過度な期待は抱けませんが、
熱いファンの声援があれば、選手はやってくれるでしょう。
とにかく勝つのみ。
一つずつ勝って、借金を返していくのみ。
まだ130試合以上残っています。
ただ、
本拠地でいまのようなみっともない戦いが続くと、
さすがに、監督交代も現実味を帯びてくるかもしれません(それでも解任はないと思いますが)。
バント論
その福良。
「福良と言ったらバント」ということで、今日も懲りずにバント論。
昨日の記事に引き続いて、舞台は昨日(4/9)の西武戦。
1点差に迫られた六回表、
先頭の若月がヒット。
ここで打席に入るは宗。
福良のサインはもちろん送りバント。
山岡の調子からしてあと一点がどうしても欲しい場面。
ファン期待の宗といえど、
二割を切る打率でもあり、ここで福良が送るのはある意味当然でしょう(次の福田に期待はできないので賛成ではないですが)。
その宗のバント、
捕手の目の前に転がり、炭谷は二塁封殺を狙います。
しかし、送球が高めに浮き二塁セーフ。
記録は、犠打でも野選でもなく、捕手のエラー。
すなわち、バント自体は失敗であったということです。
バントは失敗
続くバッターは、一軍昇格即スタメン起用の二番・福田周平。
敵から頂いたチャンス、
押せ押せムードのなか、福良のサインはもちろん送りバント。
そのため(つまり犠打のため)に、このようなタイプの選手を二番に起用しているのだから、福良の采配としては至極当然の選択でしょう。
その是非はともかくとして。
タッチを要しないこの場面、
西武守備陣も当然のごとく三塁封殺を狙い、一塁の山川はその巨体を揺らしチャージをかけてきます。
初球、福田バント失敗。
その打球は一塁ファールラインを越えていきました。
二球目、今度はラインの内側に入れますが、
転がしたボールは山川の目の前。
山川迷わず三塁に放るも大暴投。
記録は、犠打でも野選でもなく、一塁手のエラー。
すなわち、二人続けて、
バントは失敗であったということです。
三塁方向に転がす
この場面、
守備側は三塁封殺を主眼とする以上、三塁手が前に出てくることはなく、
攻撃側、つまり打者が、三塁方向に転がすのは当然のこと。
なのに、それができない。
上述の通り、初球のファールも一塁側。
失敗した(敵失により結果オーライでしたが)二球目も一塁側。
高校大学社会人とエリートコースを進み、その中でもつなぎの役割を任されてきた福田が、それを知らないことはないでしょう。
つまり、初スタメンという緊張により、
いままでの経験を忘れ、ただ転がすことだけに専心したということ。
そこに技術不足も加わり、このような結果となりました。
宗も福田も若い選手とはいえ、指揮官の方針が、とにかくバント一本槍である以上、それに応えるだけの技術を身につける必要があります(特に福田)。
犠打失敗の主因はもちろんそこにあり。
しかし、問題は福田の場面。
なぜそこに、
つまり二番に、福田がいるのかということです。
二番・福田周平
二軍でも、ひいてはオープン戦でも打率は二割を越えることはなく、
大城以上に非力で、打撃に課題を残すことが誰からみても明らかな福田周平。
その福田を一軍昇格即二番に起用する。
つまり、福良のなかでは、(今までの起用でも明らかなこととはいえ)二番に打力を全く求めていないということ。
換言すれば、
福良が固執する犠打をはじめとする小技で繋ぐことさえやってくれればいいということ。
二番最強打者論(なぜ強打者を二番に配するのか)に関しては、
論文も多く出ており、ほとんどの方がその有効性をご存知だと思うのでここでは割愛しますが、
福良の頭の中にはそのような考えは皆目ないということ(むしろ正反対の立場であるということ)が、白日の下にさらされました。
福良監督、
昨年一昨年からなにも変わっていません。
分かっていたこととはいえ、
虚無感と諦観が私を覆います。
誰なのか
二番はバント。
それが福良の信念ならば、もうそれはそれでいいです。
ただそれならば、
少なくとも、一二塁で三塁方向に転がせる(成否は別として)選手は起用しましょう。
初スタメンという緊張により、福田ができなかったとするならば、
そのようなプレッシャーのかかる二番で福田を使ったのはいったい誰なのか。
レフトのカバーが来ているにもかかわらず、暴投だけを見てレフトの動きを確認せずに腕を回したサードコーチャー・風岡。
その風岡を、三塁に滑り込んだ若月が見れていたかは別として、
腕を回していたのは紛れもない事実。
選手の心理を把握できず、
つまらないミスを平気でする首脳陣。
力を発揮できない選手。
策が総じて空回るベンチ。
勝てない大きな理由が、
ここにあります。
二割の差
この3連戦、決して完敗ではありませんでした。
一つの綻びからガタガタと崩れ落ちた印象を受けます。
もちろんその綻びを逃さず衝いた西武打線が、敵ながら立派でした。
その中でも3戦すべてで大事なところでタイムリーを放った西武・源田。
源田の打順は、二番。
打撃に難ありと評されていたトヨタ時代。
それでも辻をはじめとする西武首脳陣の指導のおかげで開眼し、
打率はいま、,314。
それに比べてオリックスのこの三連戦の二番打者の打率(源田、下記ともに三連戦終了時点)は、
大城、,190。
福田、,000。
二人の平均、,095。
その差は、,219。
私は、源田個人にやられたというよりも、
この二番打者の打率二割の差にやられたと思っています。
そしてこの二番打者に関する口惜しさは、
福良が監督を務めていく以上、ずっと付き合っていかねばならない感情なのでしょう。
再び、
虚無感と諦観が私を覆います。
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