～オリックス、勝ってもストレスが溜まる！ の巻～
一矢を報いる
1点リードの九回裏、二死一二塁。
増井のアウトコースボール気味のストレートに審判の右手が上がり、なんとか逃げ切り。
7-6。
6連敗中の西武にようやく一矢を報いました。
先制するも逆転され突き放され、
またいつもの展開と思っていたところで出た、吉田正尚の逆転満塁弾。
低めのボールを掬った当たりは、
軽々とセンターバックスクリーン横、オリックスファンの待つスタンドに。
吉田らしい豪快な一打は、プロ初の満塁弾。
これぞまさにプロ。
いいものを観せていただきました。
山本由伸
休養明けの山本が再び八回のマウンドに。
黒木、田嶋の降格のときは三味線弾いていましたが、
山本は本当に休養だったよう。
安心しました。
山川・中村という球界屈指の長距離砲に2本の本塁打を浴びた今日の山本。
ある意味復帰初戦の調整登板の面もあり、
逆転されないでよかったというところ。
今後は山岡をどう使っていくのか。
今日もベンチに入っており、山本が戻ってきてもリリーフ待機の模様です。
大砲一門に火縄銃
しかし、西武打線おそるべし。
中村剛也、5戦連発でこの3連戦3発目。
シーズン佳境に入ったところで、打線はいよいよ強固に。
大砲数門に機関砲まで備えた西武打線に比べれば、
オリックスは大砲一門に火縄銃。
よく勝てたなと思わずにはいられません。
一点を追う九回表、西武の攻撃。
先頭の秋山が塁に出て二番の源田。
福良なら100％犠打の場面でも、堂々とヒッティング。
結果アウトになったものの、
ランナーは二塁に進め、
3-2まで粘り一歩間違えば無死一二塁とチャンス拡大していた可能性も。
娯楽としても勝負としても
この3連戦、西武監督・辻発彦。
幾度か犠打が考えられる場面もありましたが、とにかく強攻。
結果犠打は0。
セイバー上否定されている犠打はなく、加えて選手のほとんどがフルスイング。
しかも、勝利を積み重ねる。
娯楽としても、
勝負としても、
観ていてこれほどすっきりとするチームはなく。
羨ましい限りです。
選手に任せれば
それに比べて、福良淳一率いるオリックス。
初回、宮崎がヒットで無死一塁。
二番・西村にバントと思っていたところ強攻成功でチャンス拡大。
無死一二塁となったところで、クリーンアップの西野真弘。
ここで福良のサインは、またも犠打。
二度バント失敗してサイン変更。
サードゴロでゲッツーコースも、西野懸命に走り、一塁はセーフ。
勢いあまってベース通過後一回転した西野。
自分のミスを全力で消しにいったその姿を観て、
選手に任せれば、たとえ失敗したとしてもなんとか信頼に応えようと一生懸命働いてくれると再確認しました。
サインミス
二点を追う五回裏。
先頭の八番・大城がヒットで出て、九番・若月。
福良のサインはまたもバント。
打者も九番の若月でもあり、二塁に送ってまずは一点と考えるのは分かりますが、
二点ビハインドで相手が強力打線の西武（しかもオリックスのピッチャーはディクソン）。
貴重なアウト捨てて、せこせこと一点取りにいってもあまり意味はないと私は思いました（ここは意見が分かれるところでもあると思います）。
結果またも二球失敗。
追い込まれたところで、愚策中の愚策、スリーバントの素振りをみせた若月。
結果ボールで見逃したところで、
三塁コーチャーの風岡に呼ばれ、
ベンチでは福良が「なんでここでバント？」と怪訝な表情。
若月のサインミスだったようです。
バントという厚い雲
ただ、このサインミスに、福良オリックスを覆う空気が感じられます。
TPOを弁えないバント狂をまた今年もやらされ続けた結果、
選手自身が福良のサインは「どうせバント」と思い込んでいる。
もちろん若月に非があるも、
バントという厚い雲がチームを支配しているのが分かります。
その原因の福良、
このサインミスの場面で呆れた表情も見せていました。
「なんでここでバント？」と思わせるようなことを数多くしていたことに、自分自身が気付いていないということがよく分かりました。
もはや喜劇
結局ここもヒッティングに切り替え、ヒット。
若月の犠打失敗が大量点に結びつく皮肉は、もはや喜劇。
相手にワンアウトをプレゼントする犠打ではやっぱり大量点は無理だな、と指揮官が感じてくれればよいのですが、
それはもう砂上の楼閣。
それができるなら、とうに変わっています。
勝ってもストレスが溜まる。
それが、福良オリックスです。