~オリックス、福良・小谷野、去る の巻~
終焉
2018年最終戦。
大きな夢の花はまた今年も開かず、蕾のまま散り。
65勝73敗。
4位。
阪急・オリックスOBである福良淳一に託した未来もここで終焉を迎え、
指揮官は、本日をもってグラウンドを去ることとなりました。
大好きな選手であった福良との別れは、
寂しさよりも悔しさ・悲しさが先に立ち。
1996年以来のリーグ制覇。
その悲願、福良のもとで成就して欲しかった。
東明大貴、山岡泰輔
オリックス先発の東明は今日も好投。
しかし四回二死から突如崩れ4失点。
この回で降板となり、納得いくシーズンの終わり方ではなかったものの、
トータルでみれば、十分復活の足掛かりとなったシーズン。
来季の東明が本当に楽しみです。
東明の後を受けたのは山岡。
苦手のソフトバンク相手に3回無安打無失点。
またも二桁ならずも、中継ぎ経験後のピッチングには見るべきところが多くあり。
打線の援護が少ないのは自らのテンポの悪さも一因。
ボール自体は一級品。
オリックスのエース候補であることに変わりはありません。
吉田正尚、T-岡田
ロメロにタイムリー、
吉田正尚とTに本塁打。
この二人のアベック本塁打は今季初では?
強いチームには必ず和製大砲の存在があり。
吉田は合格点も、Tは赤点。
吉田のマークを減らす意味でも、もっとTにはやってもらわなきゃ。
三番・吉田、
四番・T。
この形ができればチームは必ず強くなります。
凝縮
この試合が最後の采配となった福良淳一。
以前からその人間性は高く評価されていましたが、それを物語る潔い去り方や愛弟子小谷野との関係など、
辞任決定以降、人間・福良の評価は高まるばかり。
しかし、監督業は、福良本人が語るように「結果が全て」の世界。
3.5年監督を務め、Aクラスに一度も入れず貯金をつくってシーズンを終えることもなく。
選手の力量不足は重々承知も、その硬直した采配に憤りや失望を感じたこともしばしば。
2点を追いかける五回裏無死一塁の場面。
ビハインドの展開で、ここ5試合の打率が4割5分を超える若月に対して、当然の如く犠打を命じ。
監督・福良の全てが、この場面に凝縮されていたと思います。
ただそれも、
いまはもう、思い出の一つです。
小谷野栄一
九回裏ツーアウト。
伏見のところで代打・小谷野栄一。
打席を奪った伏見に一言謝ったあとネクストに向かうも、感極まり立つことすらできず。
心身の病気により野球すらできなくなっていた小谷野にとって、
白球に対する思いは普通の野球選手とは大きく異なり。
復帰への支えとなった恩師が見守るなか、
三球目を打ってショートゴロ。
その表情は、一つの仕事をやり切った男の顔でした。
涙
試合後のセレモニーでは、
退任する福良監督に花束を渡したTの涙、
去る小谷野を優しく眺める福良監督の涙が印象的でした。
阪急ファンであった私にとっては、
球団の阪急回帰の傾向が素直に嬉しく、
その象徴が監督・福良淳一でありました。
だからこそ、上述した通り、
福良監督のもと、大輪の花を咲かせてほしかった。
心の底からそう思います。
阪急回帰
小谷野が去ることも寂しい。
自らを育ててくれたオリックスを心から愛してくれていた福良が去ることも寂しい。
ただそれ以上に、
阪急回帰の流れが切れてしまいそうなのが一番寂しく、そして怖い。
最終戦終了後から来季がスタート。
しかし希望より不安や恐怖がだいぶ勝っていて、
いまはまだ展望を開くことはできず…。
祈優勝
ここで筆を擱こうかと思いましたが、暗くなったのでもう少し。
選手の皆さん、ファンの皆さん、
一年間お疲れさまでした。
今年は例年より長いシーズンではあり(笑)、5~6月は正直夢も見ました。
うまく立ち回ればAクラスはあったといまも思っています。
一時期の大暗黒期は抜け出ました(たぶん)。
西武の破壊力、
ソフトバンクの底力、
日本ハムの育成力をみると、強気なことは言えませんが、
また来シーズンも、「優勝」を恥ずかしがることなく堂々と、祈り続けたいと思います。
オリックスファンの皆さんとともに。