~オリックス・平野、メジャー移籍へ着々と の巻~
平野佳寿
オリックス・平野佳寿投手(33)が16日、米国から帰国し、米大リーグへの思いを打ち明けた。今オフのメジャー挑戦を視野に入れ、海外FA権を行使する意思を固めている右腕。「自分にとって、すごくいい時間になりました」と切り出した。
現地には3日間滞在。ナ・リーグ優勝決定シリーズ(CS)第1戦のドジャース―カブス戦(14日・ロサンゼルス)を生観戦した平野。「日本、米国とそれぞれに良さや熱さがある。実際に肌で感じられたという部分でも、向こうに行って良かったです」。3月のWBCで注目を集め、Rソックスやカブスなど複数球団がシーズン中から熱心に視察してきた。権利行使に備え、米球団との窓口にはイチローの代理人を務めるジョン・ボッグス氏を選定した。
代理人を選定し、
半年後、そこに立っているかもしれない舞台を見学し、
世界最高峰の試合を観戦する。
平野佳寿、
着々と、メジャー移籍に向けて動いています。
ナ・リーグチャンピオンシップ初戦。
ドジャースは、先発・カーショウから前田、最後はジャンセンと鉄壁のリレーで勝利を掴みました。
この激闘を、平野はどのような思いで観ていたのでしょうか。
半年前、平野は、野茂が石井一久が、斉藤隆、黒田博樹が立ったドジャースタジアムのマウンドにいました。
優勝したアメリカの四番・ノーラン・アレナドと真っ向勝負し、見事三振を奪う。
侍ジャパンにオリックスから唯一選ばれた平野は、オリックスファンの誉れでした。
京産大から、逆指名でオリックスを選んでくれてから10年が経ちました。
先発、セットアッパー、クローザー。
すべてプレッシャーのかかる場面で弱音を吐くこともなく、
チームのためにマウンドに立ち続けてくれました。
先発時に右ひじの手術をした以外はほぼ故障もなかった平野。
そのタフネスさも、メジャーが評価している理由でしょう。
さよならの時が近づいています。
レッドソックス、カブス、カージナルス
平野の移籍先の候補として挙がっているのが、
レッドソックス、カブス、カージナルス。
どこも名門チームで、
カブスは昨年の世界一で、今季もナ・リーグ中地区の1位。
レッドソックスはア・リーグ東地区、ヤンキースを蹴落とし1位。
カージナルスは近年はカブスの後塵を拝しているものの、世界一に何度も輝いた強豪。
カブスだと、昨年のナ・リーグMVP・クリスブライアントをバックに従え、レスターやアリエッタからマウンドを受け継ぎ、リグレーフィールドのマウンドに立つ。
名将・マッドンの口から「ヒラノ」の文字が出てくるのを想像するだけでもたまりません。
レッドソックスだと、グリーンモンスターに見守られながら、キンブレルの前を任されることになるでしょう。
そしてカージナルスに入団となると、平野の先には世界最高峰の捕手、ヤディエル・モリーナがグラブを構えて待っている。
どれも素晴らしく、最高です。
「僕を育ててくれたのはオリックス」。
この言葉だけで、十分です。
塚原頌平
今年の平野離脱時にクローザーを任された黒木は一気に調子を崩し、シーズン最後はファームで迎えることになりました。
振り返ってみても、
2014年を支えた比嘉、馬原、佐藤達也。
今年でいえば海田も、ほとんどの中継ぎ陣が怪我に泣き、調子を崩しています。
そして今年もまた悲劇が。
塚原が右ひじのクリーニング手術とのこと。
プロ二年目、かなりの期待を受けていた塚原。
プロ初勝利を挙げるも、すぐに離脱。
その時も右ひじの故障でした。
遊離軟骨(通称ネズミ)の除去だと思いますが、同じ手術を受けた東明もまだ苦しんでいるところをみると、そう楽観視もできません。
旧態依然
このチーム、
とにかく、中継ぎ陣に故障が多すぎる。
ここまで多いと、当人のケアの問題というよりも、首脳陣に問題がありそう。
リード時もビハインド時も、判で押したように同じ投手を使い倒す。
壊れたらまた別の人間探せばいいやというような乱暴な起用法。
また、
メジャー帰りの日本ハム投手コーチ・吉井やヤクルトの高津が、いかにリリーフ陣の負担を軽減するかに苦心し、結果としてブルペンで無駄な球数を放らさないように心がけているなか、
出番があるやなしや分からないゲーム序盤からルーティンのように肩をつくらせ続ける福良オリックス。
バントへの妄信もそうですが、
旧態依然のやり方を変えない、変える勇気を持たない指揮官のもとでは、
チームの変革は難しいでしょう。
もう少し、というかもっと、ブルペン陣を大切にしなくては、
いつまでたっても投手王国はできません。
2014年時の投手コーチ・高山郁夫の復帰は吉報ではありますが、
その起用法をみる限り、高山も革新的な考えはたぶんなく、
その点は心配ではあります(特に近藤が)。