~オリックス、イチロー「神戸にチームがあったら、考えてた」の巻~
「神戸にチームがあったら、考えてた」
マリナーズのイチロー会長付特別補佐(45)が13日、親交の深い豊田章男トヨタ自動車社長がDJを務めるFMラジオの番組に収録出演し、今年にかける思いを語った。今季は現役に戻り、現在は3月に東京で行われるアスレチックスとの開幕戦出場に向け調整中。「2019年の春にユニホームを着て、見てる人が“マジかこいつ”という感じの、45歳現役の姿をお見せしたい。驚かせたいですね」と胸の内を明かした。
2月のキャンプには招待選手として参加予定。「実はまだ(契約に)サインしていないんですよ。チームは今、(選手を)ごっそり変えている。何があるか分からないです」と漏らす一方、日本復帰については「神戸にチームがあったら、考えてたと思う。でもそれはもうないですから」と話した。この豊田社長とイチローの対談の模様は「トヨタイムズ」のサイトでも公開されている。(日刊スポーツ)
本拠地を神戸から大阪に移してはや15年。
合併球団オリックスバファローズはオリックスブルーウェーブの後継球団にあたるとはいえ、神戸で育ち神戸で歓喜を味わったイチローにとっては、別球団という意識なのでしょう。
完結した思い出
米国にいるイチローが古巣のオリックスをいまも気にしている記事はよく見かけます。
ただ、だからといってそこで働くかは別問題で、イチローの中ではすでに完結した思い出。
未所属だった昨年同時期と比べ、イチローを取り巻く環境は大きく変わり、
今年日本で行われるMLB開幕戦・マリナーズvsアスレチックスでの現役復帰が確実視されています。
それゆえ本音も語れたのでしょう。
神戸にチームが残っていれば、イチローが戻ってきていた。
空想するだけで胸躍るも、時は進み、イチローが育った神戸はいま主を失い。
解体
解体モードに入ったマリナーズ。
チームの顔であるカノが、クローザーのディアスとともにトレードでメッツに、
エースのパクストンをヤンキースに、
3年連続三割のセグラもフィリーズに送るなどチームは急速に生まれ変わろうとしています。
そんななか、いくらレジェンドとはいえ、今季46歳になる外野手を使っていく必要があるのか?
マリナーズほどでないにせよ、再建期に入ったのはオリックスも同じ。
そんなチームに、前年15試合の出場で44打数9安打、打率,205の大ベテランが加入すると考えれば、いまのイチローの置かれた立場の厳しさが窺われ。
「でもそれはもうないですから」
しかし、「神戸にチームがあったら、(日本復帰を)考えてたと思う」、
そして「でもそれはもうないですから」ということばの重さたるや。
オリックスが神戸から去った理由が近鉄バファローズとの合併であり、
それをもって、近鉄バファローズは消滅。
奇しくもイチローの発言が記事となった同時期に、近鉄OB会が活動を終了しました。
12球団で最低の観客動員数に、
12球団で最も優勝から遠のいているオリックスバファローズ。
合併が成功したとは決して言えません。
そこに、ある程度わかっていたとはいえ、イチローからの決別宣言。
深いため息とともに、虚空をただ、見上げるばかり。