~オリックス、金子の矜持! の巻~
全幅の信頼
クローザー・増井浩俊が2つのフォアボールを出し、一発が出れば逆転の場面でバッターは鈴木大地。
増井がまだ信頼を勝ち得ていなかったシーズン序盤のことをふと思い出しました。
1点リードの九回、移籍後初めてセーブがつく場面で登場した増井。
先頭の鈴木に初球を打たれ、その打球はいい角度でライトへ。
同点弾を覚悟しましたがもうひと伸びなくアウト。
肝を冷やしました。
それから2ヶ月半。
積み上げたセーブの数が示すように、
増井浩俊、いまや全幅の信頼を置く、オリックスのクローザー。
鈴木をファーストゴロに打ち取り(あそこで平然とグラブトスができるところに鈴木昂平の守備センスの高さが表れています)、ゲームセット。
接戦をものにしての逆転勝利。
山本、増井、吉田一将らのリリーフ陣を使うも勝ちに結びつかないことが多かった昨今。
もちろん彼らのおかげで負けを免れてはいましたが、
やはり勝ちに繋がってこそ(山本にも勝ち星が付きました)。
これで、2連勝。
毎度の拙攻、毎度の大城
勝ったものの、反省点の多い試合ではありました。
まずは、毎度の拙攻。
相手先発の有吉のあの出来で5回で1得点は余りにも。
吉田正尚が昨日同様ロッテバッテリーの徹底的な外攻めに対応できず無安打。
四番が打たねばこうなるとはいえ、やはり余りにも。
それに、こちらも毎度の大城の凡ミス。
野球脳の低さというよりも、こうなると性格の問題。
大城の日常を調べに、西村と風岡が舞洲の寮に向かったということを以前の記事でも書きましたが、そうしたくなる気持ちが分かります。
凡ミスといえば宮崎ですが、その比にならぬくらいに多い(こういう性格の大城を二番に配していたのも、4月の低迷の一因でしょう)。
走攻守に素晴らしいものがあるだけに、ひとえにもったいない。
病的なバント狂
さらには、福良。
五回無死一二塁で福田に犠打。
ピッチャーに疲れが出てくるころ(実際、ロッテ先発の有吉はこの回で降板となりました)。
ここはなんでもできる福田に任せてもいいところ。
そして極めつけは、
六回無死二塁、ランナー・マレーロ、バッター・好調の西野に犠打。
案の定、三塁封殺でチャンス壊滅。
これにはファンの怒りも爆発。
画面を通しても福良への罵声が聞こえてきました。
この病的なまでのバント狂。
チーム打率が表すように、選手個々の能力の低さは当然あるものの、
この福良のバント偏重が、
試合を重苦しいものにしている主因でしょう。
盗塁にエンドラン
六回、
西野の犠打失敗のあと、盗塁を仕掛け一死二塁として、代打・後藤がタイムリー。
八回、
一死一塁で、最近の福良のお気に入りの一死一塁からの犠打をせずに、西野・後藤でエンドランを仕掛けて一死一三塁に。
続く安達のセカンドゴロで勝ち越し点を挙げました。
犠打でなく、
盗塁にエンドランが見事に決まって同点さらには勝ち越し。
この成功体験が、福良の犠打への固執を氷解させるきっかけとなれば…。
ヒーロー・後藤
つらつらと愚痴を書き連ねましたが、今日の勝利は非常に大きい。
自ら勝利を手放すような攻撃を繰り返していたからこそ、
中盤からの逆転劇に、喜びが増します。
打のヒーローは後藤。
これまでかなり手厳しく叩いてきましたが、開幕から3か月経ってようやくヒーローに。
小田が抜け、Tが抜け、宗が落ち、左打者は枯渇。
今日の活躍を機に、さらに出番が増えそうです。
交代必至も
そしてなんといっても、金子千尋。
いまいちパッとしないピッチングでしたが、
なんとかピンチを凌ぎ、迎えた六回。
一死一三塁から、九番・平沢に四球を与え満塁。
この時点で球数は100球超え。
しかしここから粘ります。
荻野をキャッチャーフライ、トヨタの後輩・藤岡を三振に斬り、点を許さず。
この時点で109球。
内容もアップアップ。
試合は同点。
交代必至と思われたなか、七回のマウンドにも金子の姿が。
高山×福良×金子
その七回、
三・四番を簡単にツーアウトに取るも、もともとが限界。
ここから二者続けてのフォアボール。
ボールの抑えが効きません。
ここでマウンドに向かったのが投手コーチの高山郁夫。
じっくり間を取るかと思いきや、ひと声のみかけ、金子の尻をポンと叩いてベンチに。
もちろん福良は動かず。
金子への厚い信頼が窺えた場面でした。
そして金子、
福浦をセンターフライに抑え、七回を投げ抜きました。
金子の矜持
チームを支えるリリーフ陣の登板過多が目立つオリックス。
高山曰く、勝利への最善策を取った末がこの選択とはいえ、
これでは勝負所の八・九月が心配。
もちろん、チームのエースを長年務めてきた金子がその点に思いが及ばずはずもなく、
そこを慮っての、金子の続投だったのでしょう。
これぞ金子の矜持。
金子の覚悟がチームに伝わり、
勝利をものにすることができました。
試合後、金子と喜ぶ高山の姿が印象的でした。
「うちのチヒロ」も、
立派なものです。
追伸:待望の新外国人については、また後日に。
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