~オリックス、紅林の攻守にわたる活躍で山本15連勝&18勝、25年ぶり優勝に王手! の巻~
エース・山本由伸
いろいろと楽しかった2021年、オリックスの最終戦。
25年ぶりの優勝のためには是が非とも取りたいこの一戦の先発は、エース・山本由伸。
その山本、仙台の寒さなんのその、これぞ山本、これぞ日本のエースというピッチングを披露。
プレッシャー微塵も感じさせず、いつものように堂々と。
楽天先発田中の丁寧なピッチングの前に、オリックス打線も沈黙。
両投手の我慢比べが続きます。
先制打に追加点、紅林
0行進の緊迫した試合、先制したのはオリックス。
五回、二死二塁から、田中のスプリットをなんとか捉えた、七番・紅林の力のない打球が三遊間を破り、一点先取。
欲しかった先制点がオリックスに入りました。
追加点も紅林。
七回、二死二塁から、安達のボテボテの打球を田中捕れず山崎ファンブルで一三塁。
ここで、紅林のフラフラと上がった打球をライトが捕れずで二点目。
この二点目で山本、だいぶ楽になりました。
育成の象徴、紅林弘太郎
いずれも会心の当たりでないながら、大事な試合で2安打2打点の紅林。
一番いい当たりが第一打席のレフトフライでこれはアウト。
これが野球の面白さ、もしくは、前の試合も紅林の打球で顔を出した野球の女神の悪戯。
ただその悪戯も、しっかり振っているからのご褒美。
育成と勝利の両立といういまだかつて誰もなしえなかったことを成し遂げようとしている中嶋。
その育成の象徴が、紅林弘太郎。
担当した牧田が4年後に一軍の戦力と評した紅林が高卒2年目で規定打席到達の打率.228、本塁打10、打点48の働き。
常識外の成長力。
ノーステップ、ノーバン、ストライク
しかもそれがショートで一年出てというところに、さらなる価値があり。
2打点の打の活躍を上回るインパクトを与えた六回の紅林のビッグプレー。
一点差、二死二塁から浅村の捉えた打球は三遊間に。
打った瞬間同点を覚悟しましたが、三遊間を締めていた紅林は打球に対して横に行くのではなくやや後ろに下がりながら深いところ、芝生上で捕球。
これだけでも二走の本塁突入を防ぐファインプレーも、ここから一塁へ大遠投。
これがノーバンで一塁Tのグラブに見事に収まり、まさかのアウト。
あの深いところからほぼノーステップでノーバン、しかもストライク。
ちょっと考えられない、規格外のビッグプレー。
五回の若月からのワンバン送球のキャッチングも、七回の鈴木の打球処理も素晴らしく、好守で紅林に助けられました。
ツーランスクイズ
そして、九回表。
ラベロ、杉本の連打で一死二三塁。
これで杉本は三割確定。
確定打がライトへのヒットというところが今季の杉本を表しています。
そして。
3-1から安達がスクイズ敢行。
まさに奇襲。
安達がしっかりと転がしたときには三走佐野は既にホームイン。
二走後藤も還ってきて、ツーランスクイズ。
最後の阪急戦士・中嶋聡
2021年最後の攻撃でツーランスクイズ。
まるで幼子の成長を愛おしむように、このチーム、本当に強くなったなとの思いを感じざるを得ず。
そしてこのチームを引っ張ってきたのが最後の阪急戦士・中嶋聡。
かつてブレーブス坊やだった者にとっては、感慨深いものがあります。
エースの仕事
九回裏はそのままエースがマウンドに。
後藤駿太の好プレーもあり、今季4度目の完封劇。
球団新となる15連勝に18勝目。
そしてなにより、勝たねばならぬ試合で完封という至上の結果を残す。
これがエースの仕事。
絶対的エースのいる有難さ。
山本には感謝しかありません。
王手
優勝を争うライバルロッテは、ソフトバンクに大敗。
ロッテのマジックは残り3試合で3。
3連勝ないし2勝1分け以外、ロッテの優勝の目はなくなりました。
最終戦勝ったオリックスが優勝に王手というところ。
ただ、この王手は必至ではなく詰めろで、ロッテが王手から3手逃げ切れればそのままロッテ。
逃げ損えば、つまり一つでも負ければ、オリックスが優勝。
オリックス、オリックスファンがそうであったように、ロッテもロッテファンももちろん一生懸命。
戦いはまだ続きます。
天命を待つ
オリックスとしては自身の課題をクリアしました。
あとはロッテ、ロッテと対する楽天、日本ハム次第。
人事は尽くしました。
あとは天命を待つだけ。