～オリックス、具台晟に牧野塁 の巻～
「金子さん、西さんが抜けた穴を僕と田嶋で埋めたいと思います」
オリックスの田嶋大樹投手、Ｋ−鈴木投手、西村凌外野手、西浦颯大外野手、広沢伸哉内野手が２４日、大阪市北区の大阪天満宮で行われた福玉まきに参加した。
壇上でＫ−鈴木は「金子さん、西さんが抜けた穴を僕と田嶋で埋めたいと思います」と宣言し、大きな拍手をもらっていた。
西村は「今季はみなさんの印象に残るようなプレーをしたい」と話した。
その後は５人で福玉をまいていた。（デイリースポーツ）
オリックス二年目選手の恒例行事、福玉まきに5選手が参加。
K曰く、「金子さん、西さんが抜けた穴を僕と田嶋で埋めたいと思います」。
西と金子の抜けた穴は、勝ち星でいえば14。
田嶋が復調したとしても田嶋一人では難しく、公約成就においては発言主であるKの奮起が必須。
それだけの手応えをこのオフに得た上での壮語であることを願います。
具台晟
懐かしい名前を二つ。
ところで、レギュラーシーズン最終シリーズでは、サプライズがあった。
ジーロング・コリアの監督は、オリックスでもプレーしたク・デソン（具台晟）。韓国プロ野球在籍中にはシドニー五輪に出場、銅メダル獲得の立役者となり、その後、日本のプロ野球を経てメジャーの舞台にも立った韓国野球界のレジェンドだ。2006年に復帰した韓国プロ野球は2010年限りで引退したが、その直後にオーストラリアに移住、この年発足したABLのシドニーブルーソックスに入団している。ABLではその後5シーズンにわたってプレーを継続、2016年からはコーチを務めていたが、今シーズン、韓国人球団が発足するにあたって監督に就任した。
選手集めに制限のある外国人球団とあって、成績は7勝33敗にという記録的な数字に終わったが、そういう中でも応援してくれたファンへの感謝の気持ちを込めてか、最終シリーズとなったブリスベン・バンディッツとのホームゲームの3戦目に彼は49歳にして4年ぶりのマウンドに登った。
2対9と試合の趨勢はほとんどついた9回表から登板したク・デソンは不甲斐なかった投手陣に喝を入れるかのように、1イニングを四球ひとつ出しただけで無難に抑え、ひさかたぶりのピッチングを披露した。（オーストラリア冬季リーグ、シーズン終了。韓国のレジェンド・ク・デソン、最終シリーズで現役復帰／阿佐智）
具台晟といえば、考えられないほどの暗黒期だったオリックスを支えた快速左腕。
2年目には金田と具で防御率1位2位を独占したほど（にもかかわらずチームは50勝87敗でダントツの最下位）で、ブルーウェーブ最後の勝利投手にもなっています。
現役復帰といえど本格的なものでなくファン感謝的色合いの強いものですが、それでもオリックスOBがいまだ野球への情熱を持ち続けていることは嬉しい限りです。
牧野塁
もう一つ。
徳島インディゴソックスは１２日、新監督にプロ野球・オリックスなどで投手としてプレーした牧野塁氏（４４）が就任すると発表した。２９日に徳島市のとくぎんトモニプラザで就任会見を行う。
牧野氏は神奈川県出身で、山梨学院大付高から１９９２年ドラフト３位でオリックスに入団。速球派の右腕として阪神、楽天、広島でも先発や中継ぎをこなし、２００９年に引退した。
１２年からは楽天のベースボールスクールでジュニアコーチを務め、小中学生の指導に当たっていた。
徳島球団は、楽天の２軍投手コーチに就いた石井貴前監督の退任に伴い、後任の人選を進めていた。牧野氏は日本野球機構（ＮＰＢ）での指導経験はないものの、プロ選手育成と併せて人間教育を重視する球団の方針と合致した。(徳島新聞)
牧野塁。
一年目からウエスタンリーグで活躍し、終盤には一軍でプロ初登板初先発し好投。
グリーンスタジアム神戸での鮮烈デビューに、胸躍りました。
改名前の鈴木一朗がウエスタンで驚異的な数字を叩き出しており、打は鈴木、投は牧野がチームの主軸になると信じていました。
監督・牧野塁
唸るストレートは誰がみても一級品。
投手コーチの山田久志もその才を買い、我慢して起用しましたが、制球難を克服できず11年目のシーズンをもって阪神にトレード。
その後阪神から楽天に移り、最後は広島。
いずれも人的トレードでの移籍であった点、また14年という現役生活の長さに、牧野の素質の高さが窺えます。
しかし、その牧野がプロ通算わずか13勝で終えるとは、一年目のプロ初登板に歓喜した者からするとやはり物足りず、と二十有余年経っても思ってしまいます。
引退後は打撃投手や楽天ジュニアコーチを務めていた牧野。
そこでの仕事ぶりや人間性が認められてのアイランドリーグ・徳島の監督就任でしょう。
具台晟同様、こちらも嬉しいニュースで、
新天地での牧野の活躍を祈っています。