~オリックス・増井浩俊、「クローザーに開幕から戻る」 の巻~
「クローザーに開幕から戻る」
オリックスの増井浩俊投手が13日、自主練習に励む大阪市の球団施設で「クローザーに開幕から戻る。あと37で通算200セーブなので、達成できているのが一番いいイメージ」と11年目のシーズンの目標を掲げた。
昨季は登板53試合で1勝4敗18セーブ、防御率4.83にとどまり、2軍落ちや抑えから中継ぎへの配置転換も経験。6月に36歳となるベテランは巻き返しに燃える。この日の練習では、ネットスローで下半身の体重移動などを丁寧に確認した。
東京五輪の影響で開幕が約1週間早まる。キャンプ中の実戦登板にも意欲を示し「まずチーム内の競争に勝っていけるようにしたい」と話した。(共同通信)
移籍先にオリックスを選んだのはクローザーを務めるため。
明快で明確な理由。
それならば、昨年の蹉跌あれど再びクローザーを狙うは当然のこと。
「抑えはディクソン」
ただ、増井の置かれた現状は以下。
オリックス西村徳文監督が来季も守護神をディクソンに任せる考えを明かした。「抑えはディクソン。来年のスタートもそうなると思う」。来日7年目の今季は初めて救援を経験。
シーズン途中からは抑えも任され、37試合で2勝1敗18セーブの成績を残した。米国代表に初選出された11月のプレミア12でも3セーブを挙げるなど、指揮官が安定感を買った。ディクソンにつなぐ方程式については「左は海田、右は近藤がいる。沢田も(ケガで)悔しいシーズンを送ったと思うので頑張ってほしい」と期待した。(日刊スポーツ)
クローザーにはプレミア12でベストナイン(球宴部門)選出のディクソン。
セットアッパ―には、近藤に海田、さらには澤田。
西村構想の救援主要部門に、増井浩俊の名はなく。
先発転向拒否
そしてそれには理由があり。
オリックスの増井浩俊投手(35)が29日、来季の守護神奪回に向け不退転の決意を語った。
「リリーバーならクローザーが一番格好いい。目指すべき気持ちはなくさずやりたい」
今季は不調もあって6月途中からディクソンに抑えのポジションを奪われた。オフに首脳陣と話し合いを重ね、先発転向や先発調整なども提案されたが、すべて辞退。「長いイニングを投げて力の抜き方を思い出そうか、と言われましたが、キャンプでそういう練習ができれば必要ないですと話しました。短いイニング限定でやります」。クローザーにこだわる強い決意の表れだった。(スポニチ)
増井の復活を首脳陣が最大限考慮して出した結論が、先発転向。
しかし増井はそれを拒否。
リリーフに枠がない、リリーフを任せられないと考えているから首脳陣は増井を先発にもっていこうとしたわけで、である以上、西村構想に増井の名前がないのもある意味当然のこと。
栗山の果断
そういえば、
クローザーで失敗を重ねていた増井を先発に回し、二桁勝利を挙げさせたのは日本ハム監督・栗山英樹。
この配置転換は日本ハム大逆転優勝の大きな要因となりましたが、栗山はこの転向の理由をこう語っています。
「抑えでうまくいかなかったから今度は中継ぎって…それで増井が本当に輝くのかを考えたんだ。中継ぎでうまくいかなければ、そこからまた抑えというのは難しくなる。でも抑えから先発なら、仮に先発でうまくいかなくても、それをいい勉強としてまた抑えに戻るチャンスもあるからね」(Number/912)
選手中心にものごとを考える、栗山らしい果断。
複数年と矜持
西村と高山にそのような深い思惑があっての今回の先発転向案なのかは分かりませんが、当時縦に振った首を今回横に振ったのは、年齢と晩年に入った自らの野球人生、そして抑えとしての矜持によるもの。
「抑え以外アドレナリンが出ない」とまで公言するは、増井のクローザーとしての矜持の証明。
この矜持はプロ野球選手としても非常にかっこいいものの、これが成績に直結する単年契約でなく年俸が保証された複数年での発言である点が疑問。
複数年の場合、単に我がままにも感じられます。
「優勝」のために
ただ、チャンスに臆するオリックス野手陣に比べれば、その強気な性格は稀有であり貴重。
巨人でなくオリックスを選んだのは増井曰く「オリックスの方が優勝する可能性が高い」と思えたから。
そのためにもまだまだ増井の力が必要。
クローザーとは言わずも、短いイニングでその経験を活かしてほしい。