~オリックス・増井、「答えはオリックスだった」の巻~
一騎打ち
日本ハムからオリックスにFA移籍した増井浩俊が日刊ゲンダイの取材に応じ、
FA移籍の裏側を激白しています。
そこには、オリックスファンにとって嬉しいコメントもあり…。
――改めてFA移籍を決断した理由は?
「これまでもいろいろな経験をすることでレベルアップしてきた。年齢的に最後かもしれないし、環境を変えて勝負をしてみたかったからです」
――各球団で争奪戦となる中、最終的にオリックスを選んだ。
「そうやってマスコミは争奪戦と言ってましたけど、実際は争奪戦になんかなりませんでしたよ」
――と言うと?
「実際、正式に誘っていただいたのは2球団でした」
――オリックスと巨人?
「はい」
大学・社会人(3年)を経てのプロ入りのため、
そこから最短8年でFA権を取得するもすでに33歳。
環境を変えるには最後のチャンスで、オリックスに入団。
それは、巨人との一騎打ちを制したもの。
巷ではその真偽は別として、
FA戦線で巨人が獲得に名乗り出たにもかかわらず獲得できなかった初めての選手とも評される増井。
FAではとにもかくにも大盤振る舞いの巨人を増井が袖にした理由は、
意外なものでした。
「優勝を狙えるチームと考えたとき、答えはオリックスだった」
――巨人のオファーを断ったのはなぜ? 条件ですか?
「声を掛けていただいてうれしかったのですが、条件というより同じリーグの日本ハムからオリックスを見ていて若くていい選手が多い、これから強くなるチームという印象があった。優勝を狙えるチーム、移籍先で優勝したいと考えたとき、答えはオリックスだった」
――巨人より優勝の可能性があるということか? 巨人はイキのいい若手が出てこないのが課題とされている。
「巨人も日本ハムも、最近リーグ優勝しているし、オリックスは(96年以来)かなり遠ざかっていますけど、ボクはそう思いました。確かに巨人は主力がベテランになってきて、チームも低迷していますよね」
実際のところはどうなのかは分かりません。
社交辞令もあるでしょう。
しかし、
「優勝を狙えるチームと考えたとき、答えはオリックスだった」との言は、嬉しさしかなく。
実績ある選手の獲得、もしくは残留において、
「優勝に手が届くチーム」あるいは「これから強くなるチーム」との理由が聞かれたことは数回ありますが、
巨人という比較対象を公言し、その上でオリックスを選択したというのはあまり記憶にありません。
岡目八目
ファンはあまりにも近くにいて、憧憬するその対象物の本当の価値を見失うこともしばしば。
私の例でいえば、
あの石毛、レオン、伊原、中村時代のオリックスでさえ、シーズン前は優勝できるものと信じていました(もしくは信じようとしていました)。
物事の実際の価値を把握するには、岡目八目、
つまり、距離をとってみること、もしくは第三者の意見こそが重要で、
そう考えれば、他球団にいた増井のオリックス評は実に貴重で、より真実味を帯びたものとなります(もちろん、すでに交渉に入っているわけですから完全なる第三者とはいいがたいですが)。
2018年のオリックス。
本当に、優勝に手が届くところまできているのかもしれません。
負け続けた過去が鬱積し、増井の言葉を容易に信じられるほどに楽天的ではなくなっている自分がいます。
しかし、増井の発言は、
今季のオリックスに、いままで以上の期待を抱かせるもの。
光が差してきました。
不可欠
――オリックスで目についた若手とは?
「打者では吉田(正=24)。えぐいスイングをしているし、飛ばしますね。投手では(2年目の)黒木(23)。新人時代の昨年から、いい投手だなと思って見ていました。同じ2年目の山岡(22)もいいですよ」
――もう守護神が決まった。
「奪い取るものだと思っていたので、こんなに早くていいのかなと。もちろん、そのために来たので、やるからには40セーブを挙げて優勝に貢献したい。パはソフトバンクの1強みたいになっている。何とか食い止めたいと思っています」
吉田正尚はともかく、黒木を高く評価しているのがさすが。
若いころの自分を重ねているのかもしれません。
増井が言うように、近年のドラフトの成功もあり若くていい選手がいるのは確か。
ただ、
「これから強くなる」ために、
「優勝を狙」うために、
「移籍先で優勝」するためには、
発言の主である増井当人の働きが不可欠。
増井が目標として掲げる「40セーブ」を挙げれれば上位進出は間違いなく、
もちろんその先も。
心躍らせた増井の言葉が現実のものとなることを、心から願っています。
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