~オリックス・メネセス、禁止薬物使用により契約解除 の巻~
メネセス、契約解除
オリックスは27日、ジョーイ・メネセス選手と選手契約を解除する手続きを行ったことを発表した。
メネセスは今季からオリックスに加入した27歳の内野手。開幕前に行われた侍ジャパンの強化試合『ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019』ではメキシコ代表の4番として活躍を見せ、シーズンでの活躍にも期待が高まっていた。
ところが、5月5日に右手の負傷で登録抹消となると、その後にまさかの急展開が。4月9日(火)にZOZOマリンスタジアムで行われたドーピング検査の際に、メネセスから採取された検体から禁止物質が検出されてしまう。
そして今日、6月27日付でNPBアンチ・ドーピング調査裁定委員会からアンチ・ドーピング規定違反に対する制裁の内容が公示。「2019年6月27日から2020年6月26日まで、1年間の出場停止処分」が下った。
球団はこれを受け、裁定を受理したうえで、メネセスとの選手契約を解除。本人は球団を通じて「今回の結果にはショックを受けています。しかしながら現実を受け止めるしかなく、処分を受け入れる必要があると思っています。ファンの皆様、関係者の皆様にご迷惑をおかけして誠に申し訳ありません」と謝罪した。(ベースボールキング)
メネセス解雇。
残念ながら既報通りの結果となりました。
メキシコ代表の四番
メジャー昇格はなかったもののフィリーズ3AでMVPを受賞。
ブライス・ハーパーのフィリーズ入団を予想した代理人の判断もあり日本行きを決断しオリックス入団。
欲しかった長距離砲の入団を心から喜びました。
キャンプでの紅白戦、
癖のないバッティングでセンター前を連発。
そしてメキシコ代表の四番として侍ジャパンと対決。
そこで大暴れし、シーズンでの期待は膨らむばかり。
まさか、そこがメネセスのピークとなるとは想像だにせず。
禁止薬物使用後の契約
たとえば、ジョニー・ペラルタやネルソン・クルーズ。
禁止薬物使用により出場停止の処分を受けるも、その後いままで以上の大型契約を締結。
さらに、ディー・ゴードン。
敬愛するイチロー引退に涙したスピードスターも、マイアミ時代ドーピングにて出場停止。
しかしそんなことをもはや誰も話題にしない。
禁止薬物を使用しても契約上大きな痛手とはならない事実がそこにあり。
そのようなドーピングへの敷居の低さ(とその後の栄光)が外国人選手の根底に存在していることは確かでしょう。
身体的影響とフェアネス
一時の成功のために禁止薬物に手を染めることは、選手自身の身体にも悪影響を及ぼします。
タイガーマスクの好敵手であったダイナマイト・キッドは、ステロイドの過剰摂取により体が蝕まれ、長き闘病生活の末、昨年死去。
また、
東ドイツの砲丸投げの選手であったハイジ・クリーガー。
彼女の場合当人は知らなかったにせよ、スポーツでの国威高揚を目指した東ドイツの国家的指示のもと筋量アップを目指し男性ホルモン系の薬物を投与され続けた結果、ホルモンバランスを崩しいまや男性に性転換し日常生活を送る。
そして何より、スポーツの最高の美徳ともいえるフェアネスに背く。
メネセスの契約解除。
やむなし。
痛手とならない
ただ、
チームとしてメネセス退団をみた場合、大きな痛手とならないのも確か。
打席では日本のストライクゾーンに苛立つ場面も多くあり力が発揮できず、グラブの紐が緩むという小学生レベルのミスもみられるなど、集中力と覇気に欠けたプレーが散見され。
故障による5月初旬の離脱以降、チームはメネセスがいないものとして進み、交流戦終盤ある一定の形を作ったのも確か。
昨年の楽天アマダーのように、禁止薬物使用が明らかになるまで一軍にいた選手でもなし。
もちろん長距離砲不足は懸案材料も、そこをメネセスに託す必要もなし。
交流戦明けの戦いが始まる直前にこの問題に蹴りがついたことは、チームにとって好都合。
さあ、明日からリーグ再開。
先発は山本由伸。
最高の投手でスタートです。