~オリックス、宮城12勝目で5連勝&1か月ぶりの首位奪還! の巻~
平野佳寿
わずか1点リードの九回表。
マウンドに立つはもちろん、クローザー・平野佳寿。
厳しい場面での登板が続く平野、この試合でも三番栗原からの打順。
その栗原をストレートで空振り三振。
柳田には伏見の要求した内を攻めきれず四球を与えるも、一発警戒の場面でもありここはやむなし。
続くデスパイネには、フルカウントからこちらも外の真っすぐで空振り三振。
最後は牧原をショートゴロに打ち取り、無失点に抑えて、勝利。
ロッテスイープの勢いに乗り、復調不気味なソフトバンクも降しました。
平野のストレート
このセーブを加え、平野はリーグ2位に並ぶ24セーブ目。
後半戦だけみれば、17試合に登板し13セーブ。
セーブ機会を逃したのは2試合あるも、それも同点止まりでチームに黒星はつけず。
あの頃のような150を超える真っすぐはもうありませんが、それでも今季の平野のピッチングの軸はフォークではなく真っすぐ。
この試合の2つの三振の場面もともに決め球はストレート。
栗原には自分のスイングをさせず、デスパイネには伏見のサインに首を振ってからの真っすぐで空振り三振。
平野のチームへの貢献度は、2014年を優に上回ります。
平野の加入が今季の補強で最大の大当たり。
続投
先発は、白星遠ざかる宮城大弥。
課題の左打者へのインコース攻めができたとは思いませんが、時折抜けて内にきた変化球が奏功した印象。
それでも無四球が表すように無駄球少なく自分を苦しめず。
6回で95球。
いままでの流れだとここで交代かとも思いましたが、中嶋の判断は続投。
この決断が見事にはまりました。
勝ちパターンよりも、先発が続投できるか否か状態を見極めることの方が大事。
それが中嶋はできていました。
納得
先発の状態よりもパターンを優先したのが前日のロッテであり、この試合のソフトバンク。
6回で94球の石川を代え不安定な岩崎を投入したことが裏目に出ました。
七回まで石川が続投し、八回にモイネロだったならば果たして勝ち越せていたかどうか。
いままでの中嶋の投手起用は奇を衒ったように感じることが多かったのですが、ここ最近の中嶋の投手起用には納得できることが多い。
宗の同点タイムリー
吉田がスタメン復帰も、好投石川の前に打線はなかなかつながらず。
チャンスは七回。
伏見が12球粘ってツーベース後、太田が犠打。
今回は成功し三塁に進めるも福田還せず。
チャンス逸するかと思ったところで宗が同点タイムリー。
この宗の一打は大きかった。
続く八回は杉本、モヤの連打で無死一二塁。
ここでバッター紅林に中嶋のサインはまたも犠打。
犠打×失投
バントの構えでボールを待つ紅林をみて、一塁中村は猛チャージ。
一球見送った後、中嶋はサインを変えバスターで勝負も振り遅れてファール。
あのまま犠打続行はさすがにあり得ず、この変更は当然といえば当然。
そしてこのバスターで中村のチャージが幾分鈍った3球目にまたも犠打。
紅林、三塁線に上手く転がし犠打成功。
ただこれは相手バッテリー、特に岩嵜の投げ損い。
一塁手に取らせたいのにアウトコースではなくインコースに投げるは、大きなミス。
オリックスにとっては大助かりの失投でした。
12勝目
T敬遠で満塁となったところで、岩嵜二度目の投げミス、ワイルドピッチで勝ち越し点をゲット。
犠打で三塁に送ったことが珍しく活きました。
結局この1点が決勝点。
これが勢いのなせる業か。
ただ犠打をしっかり決めた二人の若者の働きあってのこと。
そして宮城は8月21日以来の12勝目。
首位奪還
これで、目下の敵、楽天・ロッテ・ソフトバンク相手に5連勝。
山本でしか勝てなかったチームが、山本以外で負けず、山本で始まった連勝のタスキを再び山本に渡すこととなりました。
この勝利で、試合のなかったロッテをかわし、約1か月ぶりに首位奪還。
交流戦の貯金で立った首位の座を、パリーグライバル球団を蹴落とし取り返したいまのチームには強さを感じます。
勢いあれど勢いだけでは片付けられないこの5連勝。