祈優勝! オリックスバファローズ

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宗佑磨

~オリックス・宗佑磨、フォーム変更の末の二軍降格 の巻~




見るも無残

見るも無残、というのが今季初めて観たときの印象。
一二軍対抗紅白戦で宗の強烈なスイングに魅了されて一年、
その面影は全くありませんでした。

そのポテンシャルの高さは明らか。
福良がオープン戦から外野にコンバートしてまで使いたくなるだけのものがありました。



トップつくれず

トップがつくれず立ち遅れ
上半身と下半身が連動せずバラバラなスイングは、悪いときの後藤よりもなお悪く。
頭のブレを減らすためにノーステップで始動するも、体重移動がないために全くの手打ち。
それはまるで蝋で固められたかのようで、宗の最大の長所である躍動感を微塵も感じとることができず

以前の記事でも書いていますが、
昨シーズン一軍復帰後、ツーストライクに追い込まれるとノーステップにチェンジしていましたが、私的にはそれすら反対でした。
宗の場合はタイミングが課題であり、打席で打ち方を変えず一つの打ち方、つまりツーストライクに追い込まれるまでの強いフォームを極めるべしと。




角を矯めて牛を殺す

あまりにも崩れ過ぎたバッティングフォーム。
なぜここまでと疑問に思っていたところ、キャンプ中盤2月13日のスポニチの記事で、その謎は解けました。

――キャンプではノーステップ気味の打撃になっている。

「去年とは違って、今はボールを引きつけて打つ練習をしている。去年は強く振ることを意識したが、ボールとバットが離れることが多かった。去年のままだと“もう先が見えない”“同じ感じになってしまう”と思ったので考えた。今年の目標は出塁率を上げることです」

――今キャンプでの打撃の意識は。

「僕の悪い癖は頭が突っ込みがちになるので、自分で止めるというか、前に行きすぎないイメージ。どうしても振ってしまう。あれだけスイングしていたら、止まれるものも止まれない。力みたおしていた。今年は真逆」

ボールを引き付けて打ちたいからその分始動を遅くしているのか?
結果立ち遅れ、バッティングで最も大事なトップがつくれていない。

頭が突っ込みがちになるのを抑えるために体重移動自体をおろそかにしているとすれば、本末転倒。

「あれだけスイングしていたら」と昨年のスイングを悔いた言い方ですが、それだけ強く振れるのが宗の最大の長所。
「真逆」にむかえばつまり、
角を矯めて牛を殺すことに。



「打ち方を変えた方がいいんじゃないか。こっちは去年の方がいいと判断した」

宗なりに考えての試みですが、その結果が二軍降格。
「競争」をチームとして標榜している以上、全く結果を残せていない若手選手を上に置いておけるはずはなし。

オリックスの西村徳文監督が、キャンプ第4クール初日となった19日、2軍降格となった宗佑磨外野手に“原点回帰”を求めた。

今季から取り組む新打撃フォームで結果が出ない現状に「去年の方が良かったんじゃないかと。ファームにいる選手じゃない」とゲキを飛ばした。(Full-Count)

キャンプも半ばを超え結果が必要となってくる時期。
自己調整が許されたベテランならまだしも、レギュラーを目指す若手にこれ以上調整の機会を与えられるはずもなく。

打ち方を変えた方がいいんじゃないか。こっちは去年の方がいいと判断した」(サンスポ)

「ファームにいるような選手じゃないから」こそ、指揮官は当然のように宗に一軍の戦力となってもらいたい。
だからこそ、宗の挑戦は認めつつも、昨年のフォームへの回帰を求めました。



「最初は打てない」

 ――実戦ではスイングも変わる。

「もちろん、このままいけるとは思っていない。実戦に入ったら今のスイングと変わってくるところもあるから、自分で何とか頑張って意識しながら、今の練習を続けていきたい」

――手応えは。

「試合になってどうなるか分からない。最初は打てないと思う。そういう過程だと想定している。最初はしっくり来ないと。続けられれば、合ってくる日がいずれ来るので、我慢しながらやりたい」

――打てないと想定するのはすごい話だ。

「僕の目標はもっと先の方にある。今は、目の前のことで一喜一憂していられない。3年後とか、先を考えたときに去年の打ち方だったら上がってこないだろうなと思った」

――高い意識だ。

「紅白戦とか実戦は、自分の反応を見ながら行きたい。とにかく、自分のやることをやり続けられるように。強い心を持って、やり続けられたら大丈夫だと思っている。今、打てなくても、数年後のイメージは、自分では見えている。そのために毎日キャンプ頑張りたい」

「最初は打てないと思う。そういう過程だと想定している」のは「3年後とか、先を考えたときに去年の打ち方だったら上がってこないだろうなと思った」から。

だからこそ、「目の前のことで一喜一憂」せず、「強い心を持って」「自分のやることをやり続け」ている宗。

しかし、結果を求めるのがある意味当然の指揮官の判断は、「打ち方を変えた方がいい」。



鈴木一朗

首脳陣と一選手の考え方の相違で思い出されるのは、土井正三と鈴木一朗
ただ宗と違って、鈴木は入団当初からその打撃フォームでしっかりと結果を残してきていました。

土井の場合は自分の理想のフォームと異なるから鈴木を干した。
西村は、いまのままでは打てそうにない、つまり宗の目指すべき先に光が見えない、間違った方向に進んでいると考えているから、早いうちに軌道修正をしてあげたい。

宗の理想は十分に理解できますが、私も西村の意見に同意です。




大きな進歩

もう一点言えば、宗のような若手がキャンプを調整の場としてはいけない
打撃フォームを根本的に変えるのであれば、自主トレである程度の形に作り上げていなければならない。
もちろん一朝一夕で出来上がるものではないとしても。

ただ、
かつては野球への取り組みも幼かった宗。
方向性の是非はともかく、
そんな宗がいまの、未来の自分に危機感を抱き、創意工夫をしていることは、大きな進歩だと私は思っています。

この挑戦は決して無駄にはなりません。



-宗佑磨
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