~オリックス、中島宏之、巨人決定 の巻~
相思相愛
沈鬱な金子の表情とは一転、満面の笑みで読売巨人軍監督・原辰徳とグータッチをする中島宏之。
中島の読売入団が交渉その日に決定しました。
第2回WBCで打率,364を放ち、日本の2大会連続優勝に大きく貢献した中島。
原はそのときの監督。
人生最高の瞬間を共有した両者。
中島にとっても原にとってもお互い好印象で、まさに相思相愛。
塩漬けの記憶
中島の来季年俸は1億5000万円。
オリックスよりも好条件で、しかも尊敬する原もいる。
オリックスの減額制限超の提示は、中島にとってまさに渡りに船。
ただWBC当時の2009年に比べ、
勝負強さは健在も、走攻守全てにおいて大幅にダウン。
塩漬けされた2009年の記憶をベースに原が考えているとすると、大きな乖離が生まれることになるでしょう。
中島と金子のことば
しかし、破顔一笑の中島の口から発せられる言葉にはいろいろ考えさせられることもあり。
入団の決め手を聞かれ「それはもう原監督の言葉、それだけです。『いい時も悪い時も一緒に助け合って一緒に戦おう。一緒のタイミングで入団して一発やってやろう』と。そういう思いを伝えてもらったので。それだけで決めました」(産経新聞)
「気持ちで動く」という中島のことばを鵜呑みにすれば、
オリックスとの交渉においては熱意を感じることがなかったということ。
そして、昨日の金子の独白。
「今後オリックスがどういうふうに進んでいけるのか、を聞いてみたかった」
その結果がとりあえずの物別れ。
一抹の不安
編成トップが「今後オリックスがどういうふうに進んでいけるのか」を金子に尋ねられて、納得させられるだけの答えができない。
浅村とは交渉の席にすら立つこともできず、中島や「熱意ある言葉を期待」(サンスポ)する西の琴線に触れたようにも思えない。
いずれも難航が予想される交渉とはいえ、
過去のドラフトの失敗例や福良続投要請を振り返ると、
やはり、長村球団本部長の能力には一抹の不安を感じずにはいられません。