~オリックス、聖域なき競争 の巻~
ベテラン
中島宏之。
主要タイトルの獲得こそないものの、オリンピック、WBCでも活躍した名選手。
西武の栄光の背番号「3」の後継者でもあります。
小谷野栄一。
数少なくなった松坂世代のひとり。
打点王を獲得したクラッチヒッターで、勝負強さは球界屈指の、こちらも名選手。
ともに4年前にオリックスに加入。
年を重ね、
中島、35歳。
小谷野、37歳。
ベテランの域に入りました。
象徴
オリックス春季キャンプ(2日、宮崎)“仁義なき戦い”だ! オリックス・中島宏之内野手(35)が2日、内野ノックで今季から本格的に再挑戦する三塁についた。昨季正三塁手だった小谷野栄一内野手(37)とのポジション争いが勃発。ともに2015年にチームに加入した実績十分のベテラン2人が若手のようにポジションを奪い合う。
2人は2015年にチームに加入。中島は阪神と古巣・西武の誘いを断り、アスレチックスからオリックスへ。小谷野も日本ハムからFA移籍で加わった。経験も実績も十分。しかも仲が良い。そんな2人にも、容赦はない。福良監督は「ベテランも競争? そういうこと」と例外なしを強調し、「誰でもいい。いい人間を使います」と競争をあおった。(サンスポ)
若い選手が多いオリックスにとって、
実績、さらに優勝経験のある二人は別格。
ある意味では腫れ物に触るように、起用法も配慮されておかしくない存在ですが、
福良はそんな彼らを特別扱いせず。
ベテラン二人にサード争奪戦をけしかけました。
キャンプ前に福良は、「今年は例年以上に争いが厳しくなる。ある程度、高いレベルで競争できる」と、競争激化をにおわせていましたが、
このベテラン二人を、今キャンプのテーマ「競争」の象徴とするとは…。
中島、小谷野。
ベテラン二人が一つのポジションを奪い合う姿を間近にみて、安穏と構えられる選手がいるはずもなく。
福良の大英断です。
人身御供
2人のベテランが、ホットコーナーで激しく火花を散らした。南国の日差しが、さらにバトルを熱くさせる。一流のプレーヤー同士による異例のポジション争いが勃発。三塁に殴り込みをかける中島が、定位置奪取への意欲を口にした。
「ユニホームを着て、みんなと一緒にドロドロになろうかな。みんな競争やからね。いままで人のことは気にせず、自分がいい結果を残じるようにやってきた。でも、全員が競争となってやっている。グラウンドには限られた人しか立てない。結果を残すしかない」
サングラス越しに力強い決意が伝わってきた。現状、チームのレギュラーはゼロ。元メジャーリーガーですら、ポジションを奪うに行く立場だ。
言葉足らずな面のある中島のコメントを私なりに要約すれば、
オリックス入団後、自分のことしか考えていなかった中島が(西武時代からそういう選手ですが)、チームのため人身御供となり、「競争」の海に身を投じる覚悟をした、ということでしょうか。
風変わりな髪形や乱闘時に目立つのは二の次。
みんなと一緒にドロドロになる中島の姿を、
後輩もファンも楽しみにしています。
聖域なき競争
中島と小谷野。
三顧の礼で迎えられた実績十分の彼らは、
入団した2015年以来、不可侵の聖域でした。
御しにくい彼らの存在(とそれに反比例した成績)は、
前監督・森脇の休養の一因にもなりました。
そこに堂々と手を付けた福良。
やはり培ってきた関係性がそれを可能とさせるのでしょう。
「聖域なき競争」
これができれば、
間違いなく、チームは強くなります。
そして、その競争の結果として、
福良曰く、「誰でもいい。いい人間を使います」。
そう、
それだけです。
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