~オリックス、年に一回あるかないかのアップセット! の巻~
成瀬 vs 岸
山岡で落としての2戦目。
楽天先発は、岸孝之。
金子の一つ下ながら、いまなおリーグトップクラスの実力を保持する、昨年の最優秀防御率投手。
翻ってオリックスの先発は成瀬善久。
ヤクルトを自由契約となり、トライアウトでも結果を残せず、失礼ながらプロ野球選手として棺桶に片足突っ込んでいた選手。
オリックス入団は、実力というより、ロッテ時代の恩師・西村の縁故と温情の色合い強く、
そしてそれを表すかのような前回登板でのノックアウト。
好調のKを明日に回したことをみても、首脳陣のこの試合への見立ては明らかで、
このゲームへの期待は、薄。
望外の好投
この試合をいっぱしの試合らしくするためには、成瀬の好投が必須。
それも、6回3失点のQSクリアなどでなく、とびっきりの好投が。
その成瀬、前回よりも丁寧に、とにかく低めにボールを集めます。
チェンジアップは若干抜け気味でしたが、スライダーにストレートをしっかりと内外にコントロール。
130未満のストレートながら、若月は臆せずインコースを求め、成瀬もそこに投げ込みます。
5回2/3を投げ、被安打3の1失点。
望外の好投には、拍手(と謝罪)しかなく。
ロメロ
成瀬の好投は全くの想定外も、
オリックスの貧打は全くの想定内。
故障明けの岸に手も足を出ず、連打は望めず。
となれば大砲の一発に賭けるのみ。
しかし吉田はタイミング合わず、となればもう一門の大砲ロメロに。
そのロメロの第三打席、
3-1からストレート一本待ちのところで、そのストレートを見逃さず、打球はレフトスタンドに一直線。
素晴らしいバッティングでした。
ロメロの一振りで試合は振り出しに。
そして好投成瀬の負けも消えました。
福田、中川、吉田、そしてロメロ
岸降板後の八回、
先頭の若月に代えて代打・福田。
スタメン落ちもやむを得ずの内容が続いていましたが、ここはしっかりとボールを見極めフォアボール。
この四球が逆転劇の始まり。
好調小田への無意味な犠打は失敗に終わるも、走者入れ替わり、小田が二盗。
昨日チャンスで三振を喫した中川が反省を即生かしてボール球を追いかけずフォアボールを掴み、続く大城の打席ではランナーを走らせていたのが奏功し野選で満塁。
ここで吉田の打球が一塁手の頭上を越え、勝ち越しに成功。
そしてロメロ。
一二塁間を破るダメ押し打でこの回3点目。
このロメロのタイムリーが実に大きかった。
アップセット
その後は澤田に増井が締め、4-1で勝利。
七回にマウンドに上がり逆転の機運をつくった近藤の力投もより高く評価すべきでしょう。
勝てると踏んだ試合を落とし、
負けると思われる試合を確実に落とすのが我がオリックスの特徴。
その法則をみごとに覆した今日の勝利。
たぶん、年に一回あるかないかの、アップセット。
それを呼んだのは、間違いなく成瀬の望外の好投。
こういう勝利が、実は最も嬉しい。