~オリックス、ユーティリティー化計画 の巻~
レギュラー空白地帯
ルーキーの西村凌捕手がシートノックで三塁の守備に就いた。
見守った西村監督は「動きは悪くない。実戦に入ってどうか。春も継続してやらせるつもり」と話した。
捕手としてプロ入りしたが、1軍デビューは外野手としてだった。
今季は打率・193ながら2本塁打を記録するなど非凡なものを見せた。
首脳陣は打力を生かすためレギュラーのいない三塁挑戦を提案したもの。春季キャンプでも継続することになる。
秋季キャンプではほかに山足内野手が外野、武田外野手が一塁に就いている。
いずれも13日からの最終クールで行う紅白戦でも試していくことになる。(デイリースポーツ)
中島、小谷野の両ベテランが退団。
彼らが務めていた一三塁がレギュラー空白地帯に。
かといって二塁に遊撃も安泰というわけでなく、
正二塁手有力候補の福田は来季2年目、ショートの安達は打力物足りず。
来季レギュラー確定は、捕手・若月に外野・吉田正尚(にロメロとメネセス)のみ。
ユーティリティー化
つまり、候補はいても穴だらけ。
ジグソーパズルの隙間にきっちりはまるピースが少なく、
それならばと、ピースの形を微修正していくことで一つの作品をつくろうと。
内野の山足を外野に。
西村を三塁に。
好守の武田をファーストに。
そしてこの記事の西村をとらえた写真の背後には背番号23・伏見寅威の姿があり。
ただし、転向というよりも併用。
つまりはユーティリティー化。
スーパーユーティリティー
ユーティリティーの必要性はMLBでは非常に高く、
2016年にワールドチャンピオンに輝いたシカゴ・カブスのベン・ゾブリストの活躍は記憶に新しく。
メジャーでは近年、各球団、いわゆるスーパーユーティリティーの育成・獲得に精を出しています。
弊害
その潮流に乗ればこの傾向は首肯すべきもの。
しかし、振り返ればユーティリティー化はいまに始まったことではなく、
森脇、福良時代から目指していること。
その結果、大城というスーパーユーティリティーが生まれたものの、
一弊害としてレギュラーの固定化ができず。
もちろん選手個々の能力の問題はあれど、
打撃力に目をつぶり守備力と複数ポジションを守れる選手がチームとしてを重視した結果、そのような同タイプの選手がベンチにあふれることとなり。
西村凌
春季キャンプと違っていろいろなことに挑戦できる秋季キャンプ。
この時季だからこその意味合いもあると思います。
ただ西村に関しては、青森山田時代は捕手、SUBARU入社後は(怪我もあったものの)先輩捕手を抜けずに外野転向。
そしてプロ2年目に三塁挑戦。
二軍ではマスクを被るも上では外野での出場のみで、その外野守備も拙くプロレベルには達さず。
結果としてどれも中途半端に終わる危険性があり、それが心配。
伏見寅威
そしてもう一点。
秋季キャンプでサードに入っている伏見について。
高知キャンプを観に行かれたオリックスファンの先輩によると、
「他メンバーの捕球時もすべて見ていて、そのときの良い点を瞬時に誉め」、
「伏見が内野若手組を引っ張って」いたとのこと。
人間的魅力にようやく野球の技術が追いついてきた伏見。
Tに安達もいいものの、
人間的にチームリーダーに最もふさわしいのは伏見寅威。
伏見がチームリーダーになったとき、このチームは確実に変わります。
だからこそ、伏見にはレギュラーを奪取し常にグラウンドに立って欲しいと、心底願っています。