~オリックス、榊原の力投に野手陣がようやく応える! の巻~
肩を落とす榊原
地元・千葉での初登板となったオリックス先発の榊原が今日も好投。
ただ100球超えた七回、ツーアウトまでこぎつけるもタイムリーを浴び、同点に。
がっくりとぐったりと肩を落とす榊原。
両手を両膝に当てなんとか体を支えるも、意気消沈は見てとれ。
ただここで気を取り直し、次打者を三振に取ってこの回を凌いだことが大きかった。
今日もまたもう一本が出ず若い榊原を楽にしてあげることができなかった野手陣。
今夜は、
榊原の落胆を後ろからただ黙って見守っていたのみにあらず。
無骨な勝ち越し点
榊原に白星がつくラストチャンスとなった八回表。
先頭のキャプテン・福田がツーベース。
次打者の大城に犠打のサインを出しますが、代わった唐川がストライク入らずフォアボール。
ファーストのチャージ激しく、バントしていたら三塁封殺も十分にあり得た場面で、この四球は助かりました。
スコアリングポジションにランナーを置いて本日3回目の打席となった吉田はここでも打てず一死一三塁。
バッターは五番の小島。
ヒットも外野フライすらもそう望めず、期待薄のなか小島の放った打球は投ゴロと思いきや唐川捕れず、小島全速で一塁を駆け抜け併殺を阻止し、あの野手陣が虎の子の一点を奪いました。
決してかっこいい点の取り方ではなかったものの、その無骨さが逆に榊原をなんとか勝たせたいという強い思いを感じさせました。
この後、澤田―増井と繋ぎ、
榊原に2勝目をようやくプレゼントすることができました。
なんとかして榊原を勝利投手に
貧打に泣いても、救援陣に白星を消されても、
文句ひとつ言うこともなく、ベンチの最前列に立ち声を張り上げ、チームを鼓舞し続けた榊原。
弱冠二十歳でこんなことができる選手はそういません。
野球の神様がいるとするならば、そんな榊原を見捨てるはずがなく。
そして、野手も意気に感じぬはずがなく。
この八回の攻撃、
チームに勝利をというより、なんとかして榊原を勝利投手に、と野手陣は思っていたのでは。
佐野だからなせる技
ただ、貧打自体は相変わらず。
チャンスで主砲が三度凡退したのをはじめ、もう一本が出ない。
しかしそれならばと、三回の同点劇は足で稼いだもの。
ならば主役はもちろん、佐野皓大。
ヒットで出てすかさず初球にスチール。
中川が狙いすまして右打ちし佐野を三塁に進め(実に素晴らしいプレーでした)、福田のセカンドゴロで佐野、猪突猛進ホームイン。
ロッテ内野陣は前進守備を敷いていましたが、そんなことはお構いなしのヘッドスライディング。
これこそ、佐野だからなせる技。
八回問題
そして、八回問題も相変わらず。
澤田が登板しましたが、チェンジアップは総じて高く、困って要求したストレートを荻野に弾き返され。
打者は鈴木・角中と左が二人続き、その角中には以前増井の代理クローザーとして登場した際に同点ツーランも浴びており、ここは左の海田の方がよいのではと思いましたが、澤田がなんとか踏ん張りました。
ただ、怖い。
澤田の高めに浮くチェンジアップをみて、金子のチェンジアップのコントロールのよさを再認識したほど。
陰のヒーロー・大城滉二
今日の陰のヒーローは、大城滉二。
疲労でボールが高めに浮いてきた榊原が井上、レアードに連打を浴びた七回裏の場面。
レアードの三塁線への当たりで一塁走者・井上は三塁を狙いますが、中継に入った大城は、レアードが二進したのをちらっと確認した後、ボールを受け取ると三塁を一顧だにせず反転し二塁へ送球し、レアードを刺しました。
レアードが残っていれば無死二三塁。
同点どころか逆転も十分にあり得たわけで、榊原は勝利投手でなく敗戦投手になっていた可能性もあります。
打もよく、ショート・大城、
なくてはならない存在になってきました。
オリックス唯一の勝ちパターン
とにかく榊原に白星がついてよかった今日の試合。
上述したように課題は解決とはいきませんが、それでも今日のような接戦をものにし白星を一つずつ積み重ねていくことが肝要。
先発陣が踏ん張り接戦を制するという、現在のオリックス唯一の勝ちパターンで今週は幕開け。
明日の山本にも申し訳ないですが踏ん張ってもらって、千葉で2連勝といきたいところです。