~オリックス、佐竹の一言がTを救う の巻~
12球団一優しいファン
以下、デイリーからの引用です。
3年ぶりに最下位に終わったオリックス。野手は高知、投手は大阪の分離キャンプで巻き返しへ動き出している。そんな中、T-岡田はウインターリーグ参加のためプエルトリコへと旅立っていった。
FA権行使も視野にあったという今オフ。残留のきっかけとなったのは最終戦となった9月29日のソフトバンク戦に代打で登場した際の大歓声だった。
「まさか、あんな声援をもらえるとは思ってなかった。あれがなかったら今ごろどうなっていたかわからない」
代打・T-岡田のアナウンスに喜び、
ストレートに3つ振り遅れての空振り三振に落胆したのがあの日の私。
肩を落としそそくさと、首脳陣から最も遠いベンチ通路に急ぐT。
それでも、球場のファンは万雷の拍手。
オリックスファンは12球団一優しいのではと昔から思っていましたが(私を除く)、
あの内容の三振を観た直後のファンの底なしの優しさには心底驚きを隠せず。
激励会に参加させていただいたときの感想を言えば、その優しさが選手の甘さに繋がっているのではとも思うのもまた事実。
が、
その優しさはオリックスファンの最大の美点であることは間違いなく。
「岸田の引退試合ですからT-岡田を守らせてやってもらえませんか」
実はあの日、2軍にいたT-岡田が緊急昇格を言われたのは試合の数時間前だった。練習前のコーチ会議で佐竹外野守備走塁コーチの提案がきっかけだった。
「岸田の引退試合ですからT-岡田を守らせてやってもらえませんか」
この提案に西村徳文監督らが快諾。急きょ、呼ばれることになったのだ。
T-岡田は「岸田さんの最後だったんで、プレゼントを買いに行こうかと思っていたところに電話が入って。ビックリしました。何にも準備してなかったです」と苦笑いで振り返る。
佐竹コーチの粋な計らいが、結果的にT-岡田の心を動かす結果となった。まさにファインプレーと言える。
当日、ある意味唐突に発表されたTの一軍昇格。
Tの去就が新聞沙汰となっていた時期も時期、もしかしてこれが最後の顔見せなのかとの心配も頭をよぎりました。
が、真相は、佐竹の選手思いの提案によって。
快諾
その提案はもちろん嬉しいもの。
しかし、西村がそれを「快諾」したことも同じくらいに嬉しい。
記者の主観が入っているのかもしれませんが「渋々」ではなく「快く」という点。
T自身、干されているという気がしないでもなかったはず。
二軍での数字をみればそれは当然に否定されるはずも、自分のことが最も見えないのもまた自分なわけで。
長距離砲への信頼度は決して高くはない西村ですが、来季はまた一からフラットに見てくれるはず。
「オリックスに残ったことが良かったのかどうか。わかるのはこれから」
佐竹コーチは「岸田とT-岡田は履正社の先輩後輩ですから。長く一緒にやってきてるし、最後は守りたいんじゃないかと思っただけです。あんな大歓声は想像してなかった。まだT-岡田に復活してほしいというファンのみなさんがたくさんいるということでしょうね」とクールに振り返る。
選手思いのコーチらしい行動だが「良かったのかどうかわかりません。オリックスに残ったことが良かったのかどうか。わかるのはこれからですから」と話した。
多数のファンはTの残留を喜んでいると思いますが、それはたぶんに心情的なもの。
オリックスファンというフィルターを外してみれば、来季の復調を声高に主張できるだけの近2年の成績でないこともまた確か。
ほんと、佐竹が言うように、「良かったのかどうかわかりません。オリックスに残ったことが良かったのかどうか。わかるのはこれから」。
それでも信じたいと思わせるのがTの魅力。
もしくは長くTを見てきたファンのなんともいえない感情。
若手に混じっての異国での再修業は、弱いとされるTの精神面の強化に繋がらないはずがない。
そう信じて、異国のTを今夜も思います。
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