~オリックス・杉本裕太郎、開幕一軍を手中に収めるサヨナラホームラン の巻~
杉本裕太郎
九回もツーアウト、ランナーなし。
延長のないオープン戦、2‐2の同点の場面で打席に向かうは、杉本裕太郎。
変化球をうまくためてのレフトスタンドへのサヨナラホームラン。
一発が望まれる場面での杉本の一発回答。
劇的なサヨナラ勝ちで接戦に終止符を打ちました。
開幕まで残り3試合。
3エラーで締まらない試合を締めた劇的弾は、杉本自身初の開幕一軍を決定づける一発でした。
左投手から
キャンプ二軍スタートだった杉本。
紅白戦で榊原からアーチを駆け、教育リーグ・オープン戦でも本塁打を量産。
サウスポーのみならず右投手相手でも起用されるなど、選手の長所をみる新監督のもと、その花を咲かさんとしています。
一軍レベルの右投手相手ではなかなか結果が伴わない面もあったものの、
お得意の左投手からこの一発。
これで十分です。
代打より代走・守備固めを重視した前監督と違い、選手の個性をうまく扱う新監督。
一発を秘めた貴重な右の代打としての役割も担って欲しいところ。
開幕投手・山岡泰輔
オリックス先発は、開幕投手内定の山岡泰輔。
昨年の早仕上げを反省し今年は、シーズン開幕に調子を合わせてきました。
失点は糸井に高めのストレートをパワーでレフトスタンドに運ばれた1点のみ。
ストレートも変化球のキレも申し分なく、開幕を任せるに十分足りうるピッチングでした。
さあ山岡でいざ開幕、と思ったところ、こんな記事が。
オリックス・西村徳文監督(59)が22日、阪神戦(京セラ)の試合後、内定していた山岡泰輔投手(23)の開幕投手(29日、日本ハム戦、札幌ドーム)を白紙にする可能性を示唆した。
「開幕投手、一回、考え直します。なくなるかもしれない。副主将も剥奪するかもしれない。開幕投手で副主将でチームを引っ張っていかないといけない立場。あり得ないです」
山岡はこの日、先発して6回3安打1失点も、三回2死から阪神ドラフト3位・木浪聖也内野手が放った一塁線のゴロに対し、一塁ベースカバーが遅れ、内野安打に。続く阪神同1位・近本光司外野手の投ゴロも一塁に悪送球した。結果的にはこの回無失点も、エース候補のミス連発に「話にならない」とバッサリ。「開幕前ラストの登板であんなことされたらチームとして困りますよ。開幕投手と前もって言ってるわけだから、それなりのものを見せてくれないと。コーチ陣と話し合って、もう一回、考えます」と怒りは収まらなかった。(サンスポ)
指揮官の姿勢
かなりおかんむりの西村監督。
木浪の内野安打の場面は、ファースト・マレーロの迷いも一因であり、
投ゴロ悪送球もときにはあるミス。
そこまで激怒することでもないように思えますが、ここに至るまでの開幕投手兼副キャプテンの山岡の姿勢に対してなにか納得できない部分があったのか。
それとも、
開幕まで一週間に迫り、もう一度気を引き締める意味合いを込めての開幕投手兼副キャプテンへの激怒か。
もちろん、単純に、範たるべき開幕投手兼副キャプテンだからこそ、その怠慢プレーを叱責したのかも。
そのいずれにしても、立場ある選手を、いや立場ある選手だからこそ、贔屓、遠慮せずに叱る。
これ指揮官の姿勢は実にすばらしい。
ただ、投球内容をみても、開幕投手の剥奪は現実的ではなくこのままのはず。
この檄を山岡がしっかりと受け止めてくれれば。
齋藤綱記、吉田一将、近藤大亮
守る方は3失策、
打つ方は11安打でタイムリーなし。
なかなか締まらない試合ではありました。
投手陣では七回に左殺しで登板した斎藤綱記に、回跨ぎの吉田一将は文句なし。
特に斎藤の二日続けての好投は嬉しい限り。
ただ、九回に登板した近藤がいまひとつ。
同点後ギアが上がってのストレートは絶品でしたが、一点リードで先頭打者に四球はいただけず。
韋駄天・佐野皓大
最後に、昨日の記事の主役・佐野皓大を再び。
二死から代打でヒットを放ったTの代走で出場し、盗塁。
二塁を奪って打者福田、
フルカウントゆえピッチャーが投げた瞬間に二塁走者・佐野は走り、打球は高いバウンドで一塁に。
佐野、そのままの勢いで一目散に本塁を狙いますが、ファースト一塁には投げず冷静に本塁へ送球しアウト。
ツーアウトでもあり、足を買われての起用なのだから佐野のこの判断は決してミスではなし。
この佐野のスピード。
本塁へのヘッドスライディングは昨シーズン最終戦のそれを思い出しましたが、
そのときより助走期間が長かったこともあり、ヘッドスライディングのスピードと勢いが桁違いで、ダートサークルを突き抜けんとするほど。
昨日のギャンブルスタートしかり、異次元で怖いもの知らずの韋駄天ぶりに、驚嘆するばかり。