~オリックス、愛すべき野球少年 の巻~
元・野球少年
オリックス・吉田正尚外野手(23)が21日、神戸市内で「トークショー&サイン会」に出演。男性ファンが会場の大多数を占めたことを受けて「新しいことですし、やりたい」と将来的な「男性限定イベント」開催に意欲を示した。
若い独身選手には定番の黄色い声援ではなく、野太い男たちの声に出迎えられた。500人の聴衆の約7割が男性で、サイン入りグッズプレゼントの当選者も4人全員が男性…。球団関係者は「フルスイングも飛距離も、男らしい豪快さがあるからでしょう」と分析し、本人は「一般の平均くらいの身長だし、そういう意味では同じ男性に共感していただいているのかも…」と苦笑いだった。(スポニチアネックス)
オリ姫の存在が球場を華やかにしてくれていますが、
オリ達も負けていません。
吉田正尚のトークショー、7割が男性だった模様。
その理由として、球団関係者は「フルスイングも飛距離も、男らしい豪快さがあるから」と語り、
吉田本人は「一般の平均くらいの身長だし、そういう意味では同じ男性に共感していただいているのかも…」と推測しているようですが、
簡単なこと。
オリックスファンの男たちが、
吉田の実力を心から認め、憧れている、
たったそれだけのことです。
幼少期から青年期にかけて、
多くの野球少年が、グラウンドや野原で、バットを振りボールを追いかけまわしました。
自らをプロ野球選手に投射しながら。
ただその過程で、自らにその才が欠如している現実にも直面します。
バッティングは特に難しく、
目先の結果がほしいがために徐々にスイングが小さくなっていきます(それでもなかなかヒットは生まれないのですが)。
そんな元・野球少年からみて、
吉田のあのフルスイング、
吉田のあの飛距離、
憧れないはずがありません。
多くの野球少年はきっと、吉田のようになりたかった。
男たちは、吉田に、
あのころ潰えた、自らの夢を、託しているのかもしれません。
現・野球少年
幾らかの年月を経て、多くの少年・青年が、白球が駆けるグラウンドを離れていきますが、
いままさに、真っ白なユニフォームで汚れなき白球を追いかける野球少年たちがいます。
そんな現役の野球少年のために、
オリックスの選手会長兼チームリーダーのT-岡田が、同僚の安達・山崎福とともに、無料の野球教室を主催しました。
オリックスのT―岡田外野手(28)が22日、神戸市内で神戸市東灘・灘区の小学生10チーム160人を集め、自身初の野球教室を主催した。
ユニセフに所属する知人から引き継ぐ形で、主催することになった今回の野球教室。その背景には「もっと野球の良さを分かってもらって、野球をやっている人が増えたら。そういう思いを込めてやってみようと思った」と、野球人口の減少を寂しく思う気持ちが詰まっていた。
今後もオフにはできる限り続けていきたいといい「これを機に野球選手と触れ合えるのを感じてもらえれば、やりがいがあるし、もっと野球少年が増えてほしいと思います」と野球のさらなる普及へ願いを込めた。(スポーツ報知)
私は幼少期、現役時代を全く知らない元プロ野球選手からの指導しか受けたことがありませんが(それも30分程度で直接的なアドバイスはなし)、
それでもわくわくしていたことを、ふと思い出しました。
それが現役選手なら、
そして、
本塁打王のタイトルホルダーならば、
どれだけ興奮するものか、
想像だにできません。
野球人口の減少が喧しく叫ばれ始めたのは、
いまから20年前、Jリーグが発足したとき。
その後急速にJリーグの人気が下がったことから、球界の危機感は薄らぎました。
しかし、
ボール一つあれば事足りるサッカー人口は、着実に増え続けています。
子どもの数が大幅に増えないいま、
野球の魅力をもう一度伝えていく必要があります。
そのためには、Tが行ってくれた野球教室のような慈善的活動が最も効果的でしょう(もちろん試合で激しいプレーを見せていくというのは当然のこととして)。
マクドナルドが、お子さま向けに割安感の高いハッピーセット(おもちゃ付き)を提供するのは、
幼少期にマクドナルドの味を植え付け慣れさせることで、大人になってもその味を食べ続けたいと思わせるためと言われています。
それだけ幼少期の思い出は強いということ。
多感な少年期に、T、安達、山崎福といったオリックスの一流どころに直に触れることができるのは、
メリットしかありません。
Tの豪快なバッティング、
安達の華麗な守備、
山崎の快速球。
生で観れた少年は、一生そのことを忘れないでしょう。
そして一生語り継ぐことでしょう。
楽しかった、眩しかった最高の思い出として。
融合、そして
そんな子供たちが大人になり、
吉田正尚のトークショーに集まりました。
野球というスポーツはそうやって綿々と受け継がれていきます。
たくさんの思い出とともに。
阪急からオリックス、
ブレーブスからバファローズと、
愛すべき対象はその名を変えていきました。
勝って当たり前の時代から、
負けて当たり前の時代へ。
あのころを懐かしむばかりの日常が淡々と過ぎていっています。
いつか振り返ったとき、
2017年はいい一年だったと深く心に残るような年となってほしいものですが、はたしてどうなることでしょう。
プロ野球の正月、キャンプインまで残りわずかです。