~オリックス・T-岡田、通算150本塁打 の巻~
150本塁打
連勝を飾った西武戦。
そこで生まれた二つの大記録。
T-岡田の通算150本塁打と、
平野佳寿の通算150セーブ。
史上165人目の150本塁打と、
史上13人目の150セーブ。
オリックス一筋の二人が残した偉大な記録。
今宵、ふと窓から空を見上げると、月が煌々と輝いています。
そういえば、
あの日の神戸も月がきれいでした。
まだそんなもんか…
T-岡田、150本塁打達成。
達成当日の記事でも書きましたが、
正直な感想は「まだそんなもんか…」です。
ファームでの一進一退の3年を経て、
二軍コーチとして戻ってきた藤井康雄との再会が、岡田貴弘を変えました。
プロ4年目、ファームで大爆発した岡田。
一軍が期待を裏切っての低空飛行をつづけるなか、
二軍戦の試合結果をみるのが毎日の楽しみでした。
神戸で放ったプロ初本塁打。
低めの難しい球をすくい上げ、高々と舞い上がった打球はそのまま左中間スタンドへ。
長距離砲の片鱗をみせたその一打にファンは、岡田貴弘の晴れ渡った未来を想像しました。
それは、
月の輝くきれいな夜でした。
本塁打王
翌年、岡田監督就任に従い、T-岡田へ改名。
その才能を完全に開花させ、33本塁打を放ち本塁打王を獲得。
22歳での本塁打王は、王貞治以来48年ぶりとなる快挙。
しかしその年がTのキャリアハイ。
巷間伝えられてきたのは、精神面の未熟さ、そして弱さ。
岡田監督には「お仕置きの四番」と揶揄され、
そこから6年で、20本塁打を超えたのはわずか二度。
外の変化球に空を切り続けるTに、
配球の「は」の字も理解していないようにみえるTに、
期待するのは、やめました。
変化
そんなTが、
確実に変わりました。
いや、自ら変えたというべきか。
末っ子の印象が強かったTが、自ら手を挙げ選手会長に就任。
最年長で参加した秋季キャンプでも最後まで居残り、
背中で若手選手を引っ張りました。
その姿は、人生初のキャプテン就任後、
全体練習後も黙々とロングティーを打ち続けた糸井の後ろ姿にそっくりでした。
いま、
腐れ切ったチームをなんとか変えようと、
安達とともにチームを引っ張っています。
こんなもんじゃない
今季はこれまで25本塁打のT-岡田。
ホームランダービートップの、柳田、デスパイネ、レアードとわずか4本差。
8年ぶりの本塁打王を、十分狙える位置にいます。
ソロアーチが多いことや、
チャンスでの弱さなど不満な点もありますが、
本塁打、打率、そして出塁率に関しては納得のいく成績を残しており、
「T-岡田・復活」を印象づける一年となっています。
肉離れを起こしながら、岡田監督に「走らんでいいの打ってこい」と送り出されて放った、代打逆転満塁本塁打。
背水のCS第2戦、八回裏に放った起死回生の逆転スリーラン。
T、きみは大事なところで打てる選手。
もっと自信をもっていい。
まだまだこんなもんじゃない。
あの門田曰く、「700(本塁打)は絶対いける」。
キャリアハイ更新は間近。
T-岡田、
君はまだまだこんなもんじゃない。