祈優勝! オリックスバファローズ

~オリックスバファローズを心から愛するファンの、ブログ~

田口壮

~オリックス・バファローズ、2018年度 激励パーティー③ の巻~




 「何苦礎日記」

前回(~オリックス・バファローズ、2018年度 激励パーティー① の巻~)、前々回(~オリックス・バファローズ、2018年度 激励パーティー② の巻~)の続きです。

激励パーティーの楽しみのひとつであった田口壮二軍監督の前に立った私は、
一冊の本を差し出しました。

「何苦礎日記」
著者:田口壮(2004年初版発行)。

2001年オフにFA宣言し、セントルイス・カージナルスに移籍した田口。

その田口の渡米一・二年目となる2002~2003年シーズンの出来事、それに付随する思いを、
自らのホームページに、
自らの言葉で綴った文章をまとめたものです。



 2A降格

メジャー契約を結び、海を渡った田口。
しかし、その後に待っていたのは、マイナーでの過酷な生活でした。

バッティングで結果を残せず、一年目の開幕前に3Aメンフィスに降格。
8月にはカージナルスからのトップダウンで、理不尽な2A降格

心折れてもおかしくないなか(メンフィスの監督ゲーリー・ピッツは「ソウは怒って日本に帰るのではと感じた」とすら語っています)、
田口はそれでもグラウンドに立ち続けました。
矜持、当惑、怒り、
いろいろな思いを胸に秘め



 笑顔

日本で華々しい活躍を残した田口の野球人生最大の屈辱。
しかもそこには納得しがたい、そして自分ではいかんともしがたい大人の事情もある。

しかしそれでも田口は、
下を向くことことなく、前のみを向いて戦います。

チームで最年長、33歳のオールドルーキーは、
2Aの凸凹のグラウンドで白球を追いかけました

「何苦礎日記」の表紙裏、著者近影として一枚の写真があります。

そこには、2Aニューヘブン・レーベンズのユニフォームをまとった田口が、
満面の笑みを浮かべています。

数多の感情を胸底に隠し、
いつものように、
晴れやかな笑顔で。

最も苦しいときに、こんな笑顔ができる人間を私は知りません



 「いつも笑顔で」「いつでもニコニコと」

2A、ニューヘブン・レーベンズでプレーする、このときの田口の姿を、
幾人かの人物がこう評しています(以下、「何苦礎日記」から引用)。

「彼のバッティング、走塁、そして守備と、どれをとっても私の監督人生の中でトップの選手だったと思います。2Aの選手たちに対して、口癖のように「彼のプレーを見習え」と言ったものです。

これだけは言えます。田口と一緒のチームで戦えたとき、私は本当に楽しかった。それは彼がいつも笑顔で、本当にいいヤツだったからなのです」(2Aニューヘブン・レーベンズ監督、マーク・デジョン)

「あらゆる意味で、これまで夫が野球をやってきた環境とはかけ離れていました。10年間、恵まれた環境で野球をやってきた人間が、わざわざFAしてまで逆境に身を置いているという試練は、あまりに過酷であるように思えました。見ているのが辛かった。でも、夫は全くそういったことを気にしていないんですよ。もちろん、悔しさはあったんでしょうが、とにかく「見せつけてやる!」というプレーの連続で、いまだにその時に家庭用のビデオをまわして撮っておかなかったことを後悔しているぐらい美技美技美技、でした。

2Aでのシーズン最終日にGMに呼ばれたんです。部屋に入るとそのGMは泣いていました。ボロボロと。詳しい事情は分かりませんが、どうやら彼は、今季限りで、レーベンズがカージナルスの傘下でなくなることを知っていたようなんですね。そんな彼が「ひとことお礼を言いたい」と。「普通ならば、ソウほどの選手が、こんなところに追いやられたなら、腐るか、ふてくされるか、怒って帰ってしまうかだと思う。ところがソウは、いつでもニコニコと協力的で、どんなことも嫌がらずに、プロモーション活動もサインも、どの選手よりもファンに付き合ってくれたチームとしてお礼が言いたい。ありがとう」と。その言葉は嬉しかったです。あぁ、やっぱり、どんな場所でもみてくれているひとはいるんだなぁと」(田口恵美子)




「うわぁ、懐かしいな、これ」

2018年度、オリックス・バファローズ激励パーティー。

「すみません、これにサインしてください」と「何苦礎日記」を差し出すと、
「うわぁ、懐かしいな、これ」と笑って応えてた田口二軍監督。

サインを書いていただいたのは、
表紙裏、2A、ニューヘブン・レーベンズのユニフォームをまとった田口の写真横

1995年のオリックス優勝時の意気軒昂たる笑顔も、
渡米二年目、本拠地ブッシュスタジアムで初本塁打を放ち、
大観衆のスタンディングオベーションに応える、含羞の色を浮かべた笑顔も好きですが、
私は、
2A、ニューヘブン・レーベンズ時代のこの笑顔が大好きです。



最高の宝物

田口二軍監督と撮ったツーショット写真。
そこには、
緊張で顔が強張った私と、大きな目が印象的な田口二軍監督が今日も満面の笑顔で

その笑顔は、十数年前の2A時代の笑顔と変わらず

私の、最高の宝物です。




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