~オリックス、ロッテとの首位攻防戦は1勝1敗1分け の巻~
平野佳寿
1点リードの九回表。
先発の田嶋に代わってマウンドに上がるは、クローザーの平野佳寿。
その平野が、先頭の荻野にやや甘く入ったフォークをレフトスタンドギリギリに持っていかれて同点に追いつかれました。
しかしこれは打った荻野を褒めるべき。
その後、怖いマーティン含むロッテの上位打線を、緊張感切れることなく危なげなく三人で片付けた平野はお見事。
負けをなくし、サヨナラ勝ちの準備は整いました。
1勝1敗1分け
この試合より一軍復帰のTが先頭も、空振り三振。
しかし次打者ジョーンズが右中間を破るツーベースでいよいよチャンス到来。
ジョーンズのスライディング、久しぶりに見た気がします。
若月四球で一死一二塁。
バッター宜保の場面で代打・松井雅人起用も三振。
二死となって紅林。
初球観る限りまったく打てそうになかった紅林ですが、打席の中で修正加え最後は益田のシンカーをうまく拾うも、サードライナーでゲームセット。
ロッテとの首位攻防第一ラウンドは1勝1敗1分けの引き分けとなりました。
宜保そのまま
この九回裏一死一二塁の場面。
宜保に代打松井は、益田の球筋を宜保よりも知る松井の経験を買ってのものでしょうが、ここは宜保そのままでいってほしかった。
宜保の方が打撃技術は上ですし、前打者若月にストライク入らなかった益田に小柄な宜保をぶつけストライクゾーンを狭めるという意味もありました。
しかしなにより、ここからの益田のピッチングが素晴らしかった。
松井、紅林に甘い球は一つもなく、とにかく怪我がないよう低目低目。
最後の紅林の打球も、もう少しボールが高ければサードの頭を越したはず。
敵ながら天晴の投球でした。
田嶋大樹
ゲームをつくったのは先発の田嶋大樹。
ここ最近不甲斐ない投球が続いていた田嶋でしたが、まるで別人のようなピッチングで、8回/被安打3・奪三振10・与四球2・失点1と好投。
真っすぐにキレあり捉えさせず。
また若月も右打者の外を上手く使う好リードで的を絞らせず、田嶋も要求通りに投げきれていました。
田嶋の比類なき才能を買っている者からすれば歯がゆさしかなかったここ最近の田嶋のピッチング。
これぞ田嶋大樹というピッチングに、喜ぶよりもほっと一安心。
3-0からの一発
T復帰もあり三番に入った杉本が勝ち越し弾。
打ったのは3-0から。
最高のバッティングカウントは3-0というのは数字が表す事実。
一振りで一点取れる長距離砲にとってこれを逃す手はないとここで何回も書いてきましたが、さすがの杉本。
まるで清原を思い出させる右中間深いところへの一発でした。
面白かった首位攻防戦
故障者続出に先発崩壊と、今季最悪と言っていいチーム状態の中での首位攻防戦。
ホームゆえ勝ち越したかったのは本心ではありますが、まあなんとか。
展開的には、オリックス、ロッテどちらかが3勝0敗になってもおかしくないくらいに競ったもの。
勝敗を分けるミスがあったとはいえ、内容的には首位攻防戦にふさわしい、そして面白い3連戦だったと思います。
4位まで4ゲーム差の混パ。
次の対ロッテは3週間後。
このとき再び首位攻防戦と呼べる位置に果たして両チームがいることができるのか。