祈優勝! オリックスバファローズ

~オリックスバファローズを心から愛するファンの、ブログ~

高山郁夫

~オリックス、2018年チーム防御率1位の理由 の巻~




アウトロー

プロ野球シーズンオフのお楽しみ、NHK-BS「球辞苑」
野球を考えるファンには最適な番組ですが、
12/8放送のテーマは「アウトロー」(以下のデータ等はすべて球辞苑からの引用です)。

アウトローといえばオリックス

そのアウトローについて、3人の偉大なる野球人がこう語っています。
「困ったらアウトロー、基本はアウトロー、勝負球はアウトロー」(江夏豊)
「外角低めは投球の原点」(野村克也)
「俺がピッチャーだったら全部外角低めに投げる」(落合博満)

コース別被打率をみてみると、外角低めは、
対左:,208
対右:,173
と、コース別9分割において被打率が最も低くなっています。

アウトローに固執するオリックス、
あながち誤ってはいないのでは。



高山郁夫

それにしては、ここ数年チーム防御率がよくなかったオリックス。
昨年はリーグ5位で、12球団でみると9位。
それが今年はリーグトップで、12球団でも1位

その要因を語るのは、今季からオリックス投手コーチに復帰した高山郁夫

高山曰く、
基本はアウトコースもそれだけでは手詰まり
かねてよりオリックス投手陣の外角中心の配球を疑問視しており、
投手コーチに就任した今年は打者に「考えさせる」「迷わせる」ために、内角にしっかり投げ切るようにした、とのこと。



チーム別内角投球割合

2015~2017年のチーム別内角投球割合
オリックスは、23.2%(2015年)→21.5%(2016年)→22.5%(2017年)。
驚くことに、これ全て12球団で最少

それだけインコースに投げ切れていなかったということ。

オリックスファンが感覚的に感じていたことが統計として明確に証明されました。

また、2017年の捕手別内角投球割合を低い順にみていくと、
1位:伊藤光/19.9%
3位:山崎勝己/22.9%
6位:若月健矢/24.3%
とワースト上位をオリックス勢が占めており、
チームの方針がアウトコース中心の攻めということを示しています。

伊藤光が若月より内を使えない。
当然のように感じていたことが、こちらも証明されました。



若月健矢「内強外低」

高山の提言に応えたのが、今季正捕手の座を再び手にした若月健矢
その若月の内角投球割合は、24.3%→26.9%にアップ。

その若月の考えはこう。
今年は内角の投球割合を意識的に、ある意味腹をくくって増やした。
去年は、困ったらアウトコース、変化球だった。
考え方としては「内強外低」
打者の頭にないと思ったとき初めて外角低めへ。

さすが若月。



意識づけ

番組全般としてのアウトローの価値・結論については、NHKオンデマンド等で番組を観ていただくとして、
若月に象徴される、チームとしての内角攻めの意識づけ
アウトロー一辺倒ではだめで、これが徹底されたからこそアウトローがより有効となり、
チーム防御率12球団トップという素晴らしい結果をもたらしました。

投手運用については疑問符がつくものの、
高山がオリックスをチーム防御率1位に導いたのはこれで2度目
投手コーチとして能力があるのは間違いないでしょう。



球辞苑

そして「球辞苑」の番組としての質の高さ。
「福良采配」をキーワードに番組を一本つくっていただきたいくらい。

ただ一点、重箱の隅をつつくならば、
チーム別内角投球割合が12球団ワーストだった2015年も投手コーチも高山でした。

今回の高山の意志がそのときの失敗を生かしてのものであったのならば、それはそれで立派です。



-高山郁夫
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