~オリックス・山本由伸、「このままだとパンクする」 の巻~
山本由伸
11月のSportivaの記事より。
タイトルは「山口鉄也が気になる山本由伸。飛躍の秘訣は「冷静さ」にあった」
2軍で調整を行なっていた山口へのインタビューで「注目する投手は?」と尋ねたところ、今シーズンに飛躍を遂げたある男の名を挙げた。オリックス2年目の山本由伸である。
セットアッパーとして一世を風靡した山口鉄也が注目したのが、別リーグのセットアッパー・山本由伸。
パの強打者をいとも簡単に打ち取る山本の姿は、オリックスファンのみならず一流のプロ野球選手も高く評価し。
大英断
4月下旬からの中継ぎ転向について、
「ルーキーイヤーから今シーズンの開幕までは、主にファームで先発を任されていました。1軍でローテーションを担うピッチャーを目指していましたが、リリーフ陣の層を厚くするというチーム方針で、そこに僕が入ったという感じです。それを伝えられたのは、2軍で先発する予定だった3日前の夜。小林(宏)2軍投手コーチから、『3日後から1軍の中継ぎのゲームメンバーに入ってもらうから』と電話があったんです」
「前触れはなかったですね。その電話の際に、『1軍に上がったら7回か8回の勝っている場面で登板させると聞いているから、これからの野球人生においてもいい経験になるぞ』と背中を押されました。
これを来季も継続するか否かは別にして、この転向は福良の大英断でした。
中継ぎ未経験ながら、最初からセットアッパーでの起用のつもりだったようで、
福良の山本への信頼の厚さが窺えます。
宝の持ち腐れであった山本を後ろに配置したことでチームは上昇気流に乗り、Aクラスで前半戦を終えました。
「このままだとパンクする」
無双状態だった山本に綻びがみられたのが、前半戦最後の山形での楽天戦。
1点リード、いつものように八回のマウンドに上がった山本が今江に逆転ツーランを浴び、今季初黒星がついた試合。
球宴での筒香との名勝負を経て、山本はいったんファームに落ちることとなります。
「7月のオールスター明けに自分から『ファームで調整したい』と申し出ました。異変があったわけではなく、『このままだとパンクする』という予感があったからです。
首脳陣からも、『何かあって長く離脱されるより、10日間(1軍に再登録できるまでの最短期間)で戻ってくれるほうがありがたい』と、認めてもらいました。そこでリセットすることができたのは大きかったです。来シーズンは最後まで1軍で投げられるよう頑張ります」
申し出
よく申し出てくれました。
19歳。
普通言えません。
逆に(申し出の有無は分かりませんが)パンクしてしまったのが田嶋。
チームの宝が二人欠けていたならばと想像するだけで恐怖に慄き。
この山本の離脱について、高山投手コーチは「大きな故障をする前に、良い時期かなということです」と語っていました。
この発言は田嶋離脱時と同じ。
戦いである以上、素直にすべてを語る必要はないものの、
高山自身の判断と取れるようなその発言にはいまひとつ納得できず。
変化を恐れない
昨年の鮮烈デビュー以来、山本のインタビュー記事を多くみましたが、
総じて、頭の良さを感じます。
大谷翔平に「今年対戦したなかで一番」といわせたフォームを球速アップのため改め、
必要とあれば、決め球だったスライダーをも躊躇なく封印する。
変化を恐れないことが成長の第一歩。
しかし、そう簡単に変えることはできない。
いろいろと試行錯誤し新しいことにチャレンジする山本の姿には、感銘を受けることが多くあります。
感謝
そして、
「たくさんの方々にお世話になっていますが、トレーニング面と投手論のイロハを教えてもらったのは酒井(勉)育成コーチと小松(聖)2軍投手コーチです。僕がセットアッパーに転向したとき、小松さんからは『先発ピッチャーは、1週間かけて懸命に調整して登板を迎えるのが任務。お前は、その気持ちをつなぐ役目になるから、責任をもって投げろよ』と言われました。小松さんは本当に尊敬できてカッコいい大先輩です」
感謝の気持ちも忘れない。
成長するはずです。