~オリックス、吉田正尚サヨナラ犠飛・山本由伸初の二桁勝利! の巻~
吉田正尚
1-1の九回裏。
自慢の一二番が連打で続き、一死満塁とこれ以上ない場面でこれ以上ないバッター、吉田正尚が登場。
相手は平良も、初球甘く入ってきたカットボールを見逃さず。
高々と舞い上がった打球は、打った瞬間犠打確実の大飛球。
三走山足が還りサヨナラ勝ち。
息詰まる投手戦を制し、ロッテ→日本ハム→西武と3連勝。
首位キープです。
粘り
この九回、打者の粘りが素晴らしかった。
代打の切り札、ジョーンズが0-2からフォアボールを選び(これが実に大きかった)、往々にして失敗するピンチバンターは案の定失敗も、そこから福田、宗がツーストライクと追い込まれてからヒット。
諦めない気持ち、選手の成長を感じます。
日々緊張感あふれるなかで戦うことが成長の養分となり、その中で勝利という結果を出せていることがさらなる成長を促す好ループ。
西村辞任要請受諾から一年。
チームは確実に変わりました。
中嶋の焦り
負け慣れたチームを変えたのは、指揮官の中嶋聡。
同じ面子で野球をやっていても前監督、前々監督ではこうはいかなかったはず。
MLBでは、監督はメンターとしての役割が大きいのですが中嶋も同様。
セイバーが証明しているのは、監督がちょこまかと動かない方が勝率がいいということ。
長打を重視し(打者に任せ)、非効率な犠打・盗塁を減らした結果、得点力が大幅に向上。
それがチーム成績に直結しています。
しかし、歓喜のゴールがおぼろげながらも見えてきたいま、その中嶋に焦りがみられます。
無死一二塁は犠打
後半戦に入り、犠打が明白に増えてきた中嶋。
無死一二塁をつくると犠打が第一選択肢。
もちろんこの場面での犠打も得点期待値を下げる行為。
この試合でも八回無死一二塁でTが犠打。
サインなのかT自身の判断なのか定かではありませんが、いずれにせよ弱気。
前者であれば、一挙3点の可能性のあるTに犠打はどうみても愚策。
後者であれば、チームバッティングの履き違えで情けない限り。
二走吉田に代走を出していないところをみると後者の感じがしますが、いずれにせよ前者かなと思えてしまうのがいまの中嶋。
なぜいままで勝ててきたのか(なぜ前任者は勝てなかったのか)。
そこを冷静に考えてもらいたい。
山本由伸
先発の山本由伸は五輪後の休養明けで余力十分も、八回で110球超え。
交代もあるかと思われたなか、そのまま九回続投、完投。
二番源田からだった九回表の西武の攻撃、山本以外だったら抑えられたかどうか。
その厳しい場面を三人で片付け、攻撃陣に勇気を与えました。
さすが、オリックスの、日本のエース。
報われた白星
気がふわっと抜けたような失投をスタンドにもっていかれて1点失った三回。
そんな自分に苛立ったか、四回からこれぞ山本というパーフェクトピッチ。
最後まで投げて山本初の二桁勝利。
ここ2年主要タイトルを獲得していながらの初の二桁。
勝利数は投手の能力と比例しませんが、実力ナンバーワンのピッチャーに実力通りに白星が集まればそのチームが弱いはずがない。