~オリックス、9連敗でストップし9月初勝利! の巻~
勝てば気持ちがよく
9月も半ばに差し掛かったところで、ようやく今月初勝利。
楽勝ムードも、ベンチが動いて相手に流れを渡すいつもの展開。
勝敗に左右される位置にはおらず、勝利への執着自体が薄れてきていますが、やはり勝てば気持ちがよく。
ゲームを作ったのは、先発の山岡泰輔。
不甲斐ないピッチングが続き、前回ノックアウト後はファーム再調整の報道もあった、いわゆる背水の陣。
チェンジアップが効果的で、7回0/3/被安打4・失点1とほぼ完璧なピッチング。
四球わずか一つとストライク先行の投球ができており、崩れる雰囲気すら感じさせず。
が、八回途中で降板。
ベンチの無用な焦り
八回先頭のウィーラーにほぼ真ん中の失投をバックスクリーンに運ばれ、続く渡辺に内野安打を許したところで交代。
球数は102、渡邉へのヒットも打ち取った当たりが高く弾んだアンラッキーなもの。
内容的にも決してアップアップとは思えず。
この早めの交代は、ベンチそして山岡の両方に問題あり。
投手キャプテンに任じるなど、山岡をエース的に扱うのであれば、まだ2点差。
今日の投球内容も鑑み、続投一択のはず。
ベンチの無用な焦りが相手ベンチにも伝わり、反撃の機会を与えることとなりました。
信頼
そして山岡自身も、背信に値する投球が続いていたから、この場面で代えられる。
中7日もらって100球、しかも1失点で代えられるということは、信頼されていないということ。
ただ、今回の投球は失った信頼を取り戻すに十分な出来。
ヒーローインタビューでの山岡の表情は、どちらかといえば白星を手にした喜びよりもあの場面で代えられた悔しさの方が感じられ、それならばまだまだ成長していってくれるはず。
太田椋
一軍昇格即スタメンの、ドラ1・太田椋。
バットを寝かせてのオープンスタンスから、高々と足を挙げるバッティングフォームは個性的。
(他球団の選手に比べるとまだ細いものの)オリックス内では決して見劣らない体躯。
まったく違和感なく、打席にフィールドに立っていることだけでも称賛に値します。
トップの窮屈さとスイングが若干遠回りするという欠点はありますが、まだ18歳。
際どい球を見逃せる冷静さも備え、期待させるに十分な4打席でした。
オリックス打撃投手の父との関係を言われなくなる日もそう遠くないのでは。
太田を育てようという意志
八回の第4打席が終わりここでお役御免かと思いきや、一点差、大事な九回の守備にも就かせた西村。
太田を育てようという強い意志を感じました。
が、その太田が空タッチで二盗を許し、チームのピンチを広げてしまい。
しかし最後はその太田のもとにゴロが転がり、6‐4‐3と渡って併殺でゲームセット。
トスするより二塁ベースを踏んだ方が一塁転送含め速かった場面でしたが、チームの主将が二塁ベース上に既に構え待ち構えていればそうもいかず。
このようなミスが許されるのが、目標を失ったチームに与えられた悲しき特典。
失敗含めていろいろな経験を重ね、来季に活かしてくれれば。
マイク・トラウト
その太田の空タッチの場面。
代走のオコエは、タッチされそうな右手をよけて左手でベースに触れましたが、オコエの談話によるとある程度は想定していたとのこと。
MLBの大スター、マイク・トラウトがたまに見せるプレーですが、MLBに明るいオコエはトラウトからインスパイヤされていたのかも。
MLBでは二盗においてはヘッドスライディングが主流で、手を保護するためのミトン型グローブも多用されています。
ヘッドスライディング
ヘッドスライディングといえば、走り抜けと比べてのスピードがいつも話題となりますが、MLBでは速さというよりもタッチを避ける(足からのスライディングに比べ態勢が低いためタッチまでに時間を要する、つまりセーフになりやすい)という意味から用いられることが多いのが実情。
それを表していたのが、九回の小田の二盗失敗。
捕手からの送球が高めに浮きタイミング的にはセーフも、捕球した野手が手を降ろしたところに小田の手がありアウト。
頭から飛び込んでいれば間違いなくセーフでした。
故障発生のリスクもあり、一つの答えは出ませんが。
宗佑磨
最後に、宗佑磨。
全3打点を挙げる活躍。
春のキャンプで衝撃を受けてから半年。
よくここまでもってきたなというのが偽らざる本音。
宗の魅力であった荒々しさの代わりに確実性を求めましたが、結果はともに失うという大失策。
が、
いまは打率,287と安定した結果を残し、スイングにも力強さが戻ってきました。