~オリックス、山崎福也の走攻守の奮闘報われずドロー の巻~
ワゲスパックの急変
簡単に二死を取るもそこから連打と四球で二死満塁となったワゲスパック。
3点差でそれなりの余裕もあり、またワゲスパックの急変は何度も観てきて耐性もあり、そしてここから踏ん張るのもまたワゲスパックで。
ボール気味の剛球にバッター思わずバットが出て三振、危機脱出。
これで逃げ切れたと思いましたが。
失投
九回は阿部翔太。
ワゲスパックの乱調が、九回に村上に回るという潜在意識を生むことになったか、制球に苦しみ無死一二塁。
ここで代打の内山に一発を浴び、一気に同点に。
フォーク見切られ苦し紛れの真っすぐが高めに浮いてドカン。
それを逃さず捉えたバッターがお見事も、お手本のような失投なのは間違いなく。
センス
2戦目先発は、宮城でも田嶋でもなく山崎福也。
高校・大学と勝手知ったる神宮のマウンドを苦にせず4回無失点の好投。
また山崎と言えばその巧打。
打撃は結局タイミングで、タイミングを合わすはセンス。
練習熱心だった後藤駿太が結局伸びきれなかったのも結局はそういうこと。
変化球、150超の真っすぐにも自分のスイングができるセンスを備えているのが山崎で、先制点も自身のバットから。
決していい当たりではなかったものの、打撃練習をしていないピッチャーがプロのフォークについていけるというのがまさにセンスというもの。
投げて打って走って
ピッチングでは、右(打者へ)の外、左(打者へ)の内にチェンジアップを上手くコントロール。
右の外が左の内とならないのがサウスポーの面白さで、左の内に投げきれなかったのがオリックス時代の松葉で、いま悩んでいるのが宮城。
ただこの日の山崎は村上にも臆せず内に投げ込んでいました。
走塁でも、目切りせず、サンタナの拙守の隙をつく好走塁。
投げて打って走って。
阿部が打たれずあっさり勝っていれば、山崎福也がヒーローでした。
継投
その山崎福也を四回で代えた中嶋。
躍動している選手はできるだけ代えない方がよいというのが私の持論なので、1ないし2イニング早いという印象。
また、継投でいえば、平野がベンチから外れていることも考えて、宇田川にも2イニング任せ、一応延長も考慮し阿部ないしワゲスパックを残した方がよかったのでは。
(また書きますが)それでもこのまま逃げ切れると思いましたが。
比嘉 vs 村上
そのリリーフ陣でさすがの投球を見せたのがベテランの比嘉幹貴。
いいときの比嘉の制球力ではなかったものの、十一回ヤクルト二番からの好打順を0に抑えました。
比嘉と村上の対決は、NPB最高打者とNPB最高テクニシャンの対決。
内まっすぐみせてからの、外のボールからストライクゾーンに入れるスローカーブはまさに比嘉の技術の集大成。
打者集中とみせてからの高速牽制も実に興味深く。
痺れました。
もったいない引き分け
勝ちのなくなった十二回裏にマウンドに上がったのは久しぶりの登板となった近藤大亮。
力のある、これぞ近藤という真っすぐで無失点に抑え、2戦目はドロー。
九回までに勝ちパターンを使い切って心配していた継投も、その後の阿部含めブルペン陣の奮闘で杞憂に終わりました。
勝敗つかずのドローも、勝ちからドローのオリックスと負けからドローのヤクルトではその重みは違います。
負けはしなかったものの、やはりもったいない引き分けでした。
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