~オリックス・西村監督、「優勝を目指してやる」の巻~
昨年の西村
オリックス・西村徳文監督(59)は31日、2020年の優勝を厳命した。
「優勝を目指してやる。ヨーイドンから3位という考えはない。そのために何をすべきか意識を強く持ってもらうことが一番。今までの自分を変えていけるかどうか。同じことをやっても、同じ結果しか出ない」
自然と口調は強くなった。チーム全体が変わることこそ、優勝への近道と説いた。強敵ぞろいのパを勝ち抜くのは容易ではない。特にリーグ連覇の西武には今季8勝17敗、3年連続日本一のソフトバンクには7勝16敗2分けと苦戦を強いられた。
「そこに勝たないと上が見えてこない。最初から強いチームと思っていたらダメ。戦力差はあっても気持ちで負けたらダメ。勝つんだという意識を強く持って戦う」(デイリー)
ヘッドコーチを経験してからの監督昇格。
仲間として戦ってきて問題点を熟知していたためか、西村監督の口から「優勝」の二文字はついぞ出てこなかった昨年。
全員味方の激励会でもその二文字を口にすることはなかった西村。
勝負師としての物足りなさを感じつつ、それがともに戦ってきての現実なのかと諦めてもいました。
西勇輝曰く
結果は、西村の予想通りに優勝などはよその話の夢物語で最下位。
しかし、それでもチームを率いる指揮官ならば、本心を偽ったとしても「優勝」の二文字を口にし、チームの目標として戦って欲しかった。
たまたま現阪神の西勇輝が語っていました。
Q:開幕投手をみんなで争いたいと言ったのは、なぜ?
西:そこを目指しておけば、落ちても高い位置。ローテーションに入るって、もう低い、という感じ。「東大目指して勉強しよう」って言ってる人と、「どこでもいいから受かろう」って勉強してる人と差が出る。その違いですかね。駄目でもローテーションに入れる。高い位置を目指したほうがいいんじゃない? という。みんな、誰もが目指していったら。(日刊スポーツ)
指揮官が「東大」を目指さずに「どこでもいいから受かろう」と考えていたから、結局最下位に帰する。
確率は1/6。
東大合格に比べれば軽い。
現実主義者の「優勝」発言
そんな、勝負師に非ざる現実主義者の西村の口から発せられた「優勝」の二文字。
昨年を知っているからこのことばの重さを、意味を感じます。
やっと、西村と同じ方向を向いて戦える。
そんな気がします。
西村が言うように、西武・ソフトバンクとは隔絶した戦力差はあれど、気持ちだけは負けてはいけない。
ソフトバンクには点を取られればもうだめだと諦め、
西武相手ではいつ反撃を食らうかとリードしていても余裕がなく。
ここは気持ち一つで変えられる点。
そしてそこの物足りなさが、いまや弱者のオリックスバファローズの喫緊かつ永遠の課題。
守り勝つ
他球団の差はともかく、
監督のようやくの「優勝」発言に、それが叶うかどうかは別として西村就任後初めて心躍りました。
ここでデイリーの記事を読むのをやめればよかったのですが、以下続き。
そのために守りの重要性を口にする。「143試合戦い抜くには守りが大事。打ち勝つだけでなく、守り勝つをやっていかないと厳しいですね」。盤石の守りから96年以来、24年ぶりとなる優勝を勝ち取る。
確かにおっしゃる通り。
上を目指せば目指すほど、当てにならない「打」ではなく確実性をアップさせることが可能な「守」の重要性は増していくのですが、いまのチームの課題はそこにあらず、投手が打席に立つセを含め12球団ワーストのチーム打率の攻撃面。
監督を含めたチームの方針がこうだから、3年間9:1で守りを重点的にやってきたと語った岡崎のような迷子が生まれ、アマレベルの打撃でも年俸アップする選手が続出し、打で生きようとする選手があっさりと見切られアピールの場を失う。
力勝負のパリーグで、まずもって力負けしている現状を変えることが必須だと思うのですが…。