~オリックス、吉田正尚2億・山岡1億・山本9000万円 の巻~
吉田正尚
オリックスの主砲、吉田正尚外野手(26)が29日、大阪・舞洲で契約更改交渉に臨み、1億1500万円増の2億円でサインした。入団5年目での1億円突破は、球団生え抜きでは96年イチロー(2億円)に次ぎ2人目で、5年目以内の2億円突破はプロ野球14人目。「ツーハンドレッドミリオンです」と笑顔で明かし「最高の評価をしてもらいました」と喜んだ。(日刊スポーツ)
1・2年目は半分も試合に出ず、3・4年目はフル出場で、OPSともに.956。
ただ、タイトル未獲得、本塁打も30未達、打点も100未達。
実質2年の活躍で2億円は、数字だけみればやりすぎの印象。
山岡泰輔
オリックスの山岡泰輔投手が1日、大阪市内の球団施設で契約交渉に臨み、5500万円増の年俸1億円で更改した。
山岡は3年目の今季、26試合すべて先発登板し13勝4敗、防御率3.71で勝率第1位投手のタイトルを獲得。イニング数はソフトバンク・千賀の180回1/3に次ぐリーグ2位の170回を消化し、シーズンを通して先発ローテーションを守り抜いた。(BASEBALL KING)
プロ入り3年連続で規定投球回到達。
しかし、
1年目:8勝11敗/防御率3.74
2年目:7勝12敗/防御率3.95
3年目:13勝4敗/防御率3.71
3年トータル28勝27敗(勝率.509)/防御率3.79。
勝ち星は打線との兼ね合いも、勝率.509は寂しく、防御率はもっと寂しい。
これで1億は、数字だけみればやりすぎの印象。
山本由伸
オリックスの山本由伸投手(21)が30日、大阪市内の球団施設で契約更改交渉に臨み、5000万アップの9000万円でサインした。球団の高卒4年目としては8000万円だったイチローを抜いて最高額となった。(金額は推定)
「しっかり評価していただいて満足しています。来季の目標はチームの優勝が一番。個人的にはどのタイトルも取れるのが一番いい。レベルアップできるように基本から見つめ直したい」
今季は8勝6敗、防御率1・95の好成績で防御率のタイトルを獲得したが、来季はこれに加えて最多勝、勝率1位、最多奪三振の“投手タイトル総なめ”を目標に掲げた。(デイリー)
昨年セットアッパーとしてチームの勝利に貢献。
今季は我がまま言っての先発転向。
チーム事情を考慮し転向に難色を示すも、最終的に山本個人の未来を重視し許した西村への恩返しが、防御率1点台での最優秀防御率受賞。
途中離脱はあったものの最終的には規定投球回にも到達。
山本の穴
昨年の4位は、近代野球で重要視されるセットアッパーに山本を配置したから。
今季の最下位は、その山本の穴を埋めることができなかったから。
貧打等他の要因も当然にあれど、そこに尽きると思っています。
1億届かず、山岡との昇給額500万の差は、勝ち星と投球回数。
防御率1点台での最優秀防御率受賞は、もっと評価されてもよいと思っています。
史上初
たとえば数年前に獲得に乗り出していた陽に報道では3億、
現に支払った中島に3億5000万。
チームになに一つ貢献していない選手にこのような額を払うのに比べれば、頑張った生え抜き選手へのやや過剰評価という温情は納得できるもの。
そして吉田にせよ山岡・山本にせよ、チームでのトップクラスの働きをしてくれた。
しかし、野球はチームスポーツの一面もあり。
入団以来一度もAクラスを経験せずでの4年目での2億到達は史上初とのこと。
吉田のその快挙を褒めるよりも、なぜそれが史上初なのかを考えることが重要。
ネガティブな一体感
オリックスの選手を見ていて感じるのは、緊張感のなさとぬるさ。
ケアレスミスや緊張感のないプレーを叱り非難するよりも、それを許容するなあなあの空気。
ネガティブな一体感は、優しさの履き違い。
福良のヒット性の当たりを自らの走塁ミスで二塁封殺となり福良のヒットを1本消した若き田口に対して、激怒した松永浩美。
強き時代の阪急、そしてその阪急の遺伝子が残っていたオリックス初期には、ヒット1本、一つの勝利に対する厳しさがありました。
時代が違うといえばそれまでも。
個を重視した大盤振る舞い
チーム成績とは別に頑張った選手をしっかりと評価することは、個のスポーツとしての野球という観点から見れば大事なこと。
しかし、チームスポーツとしての野球という見地に立てば、ある程度の影響を受けてしかるべし。
ちびっこに「1億円プレーヤーにはどうやってなれますか」と聞かれ「Bクラスだとなかなか上がらないので」と答えた中日・高橋周平のように。
緊張感のないチームにポジティブな一体感は生まれず。
いまでも自分のプレーだけやっていればの空気が窺えるオリックスにおいて、この個を重視した大盤振る舞いが悪い方向に流れなければよいのですが。