~オリックス、奇跡の3連続タイムリーで今季初の3連勝! の巻~
初の3連勝
実に、素晴らしい試合でした。
1点リードをまた八回に守れず、一気に2点のビハインド。
その裏、一番に入った中川がツーベースで塁に出て、オリックスには珍しい打者一巡の猛攻で計5得点。
最後はクローザー・増井が3連投で締め、劇的勝利で今季初の3連勝。
いつもの負けパターンをひっくり返したオリックス。
底をようやく脱してくれたようです。
奇策、二死からのセーフティースクイズ
両先発が好投し、0‐0。
均衡を破ったのは、大城の奇策、二死からのセーフティースクイズ。
三塁前に転がした打球を、サード・ウィーラーがベアハンドで処理するも大城、ヘッドスライディングで一塁に滑り込み先制。
30年以上前の有田修三を思い出しました。
有田のヘッドスライディングは足がもつれながらのもので決して格好よくはなかったものの、それでも一点に賭ける心意気は幼心を揺さぶり。
今日の大城も同様。
なんとかしようとする強い気持ち、執念は、年を重ねた私の心を揺さぶり。
K‐鈴木
その一点を守ったのが、先発のK‐鈴木。
Kに関しては二軍戦での観戦記でも書いていますが、とにかくアウトローにストレートを続けられるようになったのが最大の成長であり最大の魅力。
今日もアウトローストレートは絶品。
しかもカット気味のスライダーにフォークも低めに集め。
さらには、ストレート自体にも力があり楽天の打者を押し込み。
西武戦に続いての完璧な投球。
山本、山岡、榊原、アルバースに続く5本目の柱が誕生し、先発陣はより強固に。
澤田が乱調
7回を被安打4・奪三振9にまとめたKの球数が112球に達し、八回はセットアッパー・澤田。
この澤田が乱調。
先頭打者に四球、一死二塁となったところで打者は浅村。
敬遠という選択肢もあったなか勝負に行き、初球あっさりと同点タイムリーを浴び。
続く島内にも四球を与えたところで、近藤の悪夢勘弁と即座に小林にスイッチ。
二番・辰己にも3-2までいっており、今日の澤田は制球定まらずで、この交代はやむを得ず。
そして、Kのプロ初勝利はまた消え。
まさかの左澤
代わった小林がヒットを打たれ一死満塁。
打者は左の銀次というところでベンチの選択は、まさかの左澤。
勢いはあれどルーキーには厳しい場面、代えるならここは経験豊富な海田ではなかったか。
その左澤、置きにいくもそれがより制球を乱す原因となり、一球もストライクが入らず勝ち越し点を押し出しでプレゼント。
Kの登板で、また押し出し。
続く金田も犠飛を浴びて1-3に。
残り2イニングで2点のビハインドはオリックスにとっては厚すぎる壁。
成功の果実があまりない犠打
そして、あの八回裏。
先頭の中川が粘って粘ってツーベース。
ファールを重ね、ストレートにタイミングを合わせることができました。
続く福田が四球を選び無死一二塁。
ここで三番大城への指示は、犠打。
フォースプレーで三塁封殺も十分考えられる場面。
しかも成功したところで四番の吉田が勝負を避けられるのは明白。
成功の果実があまりない犠打でしたが、大城ここでもしっかりと決め。
そのリスクは重々承知も、とにかく一打同点の機会をつくりたかったのでしょう。
ただ、吉田は案の定、敬遠。
満塁でバッター・白崎。
奇跡の3連続タイムリー
外へのスライダーという明確な弱点がある白崎。
2-2となって嶋もスライダーを要求しますが、楽天のセットアッパー・ハーマンの一球は真ん中へ。
それを逃さず叩いた白崎の打球は三遊間を抜け、同点タイムリー。
続くこちらも途中出場の山足が左中間を深々と破るタイムリースリーベースで勝ち越し。
さらに、昨日初本塁打のTがレフト前にダメ押しタイムリー。
3連続タイムリーで、これにて勝負あり。
これはまさに、奇跡。
貴重な同点タイムリーを放った白崎。
打った直後、逆転のホームを踏んだ直後、ゲームセットのボールを受けた直後と、ガッツポーズ三度。
同点、勝ち越し、勝利。
ファンと同じ場面で同じくらいに喜び。
「打ち上げ花火、勝って見るか?負けて見るか?」
試合後は、神戸大花火大会。
岩井俊二の名を一躍有名にした「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」という映画がありますが、
今日の花火も「勝って見るか?負けて見るか?」で大違い。
現地観戦された方は、爆ぜる花火をいつもより数段気持ちよく観られたのではないでしょうか。
高城俊人
今日のスタメンマスクは移籍後初出場となった高城俊人。
打つ方も2安打でしたが、守備でいい働きをしてくれました。
結果押し出しとなったものの、左澤の叩きつけたスライダーを好捕し傷口をふさぎ、
リード面では六回一死二三塁・浅村への配球が出色。
外3つ続けて2-1からの四球目、インハイストレートでファールを奪い2-2。
ここですぐに外への変化球といきたくなるところですが、もう一球インハイストレートを要求。
打者の最も近いところに2球直球を続け、3-2から最後はアウトローへのスライダー。
ボールでしたが、インハイ2球の効果あり浅村のバットは止まらず。
インハイ1球だけなら浅村も見送れていたはず。
理に適った素晴らしい配球でした。
そして高城の構えたところに投げきれたKもまた、素晴らしい。
「私のミスを、選手が神戸にきてくれた大勢のファンがカバーしてくれて」
試合後の監督インタビュー。
好投のK、セーフティスクイズの大城を称賛した西村、継投については正直に「私のミス」と。
そして「私のミスを、選手が神戸にきてくれた大勢のファンがカバーしてくれて」と続け。
ここまで負けは込んでいるものの、采配で負けたと感じる試合は昨年に比べ多くはなく。
選手を信じる監督のもと、明日も勝って、
今度は、今季初の3タテを。