～オリックス・T-岡田、奇跡の逆転スリーランで首位攻防戦、最高の3連勝！ の巻～
吉田正尚、スタメン落ち
2連勝で迎えた首位攻防戦3戦目。
優勝戦線に残る最低限の条件である2勝はクリア。
ここでもう一つ勝ってロッテをスイープできれば、逆転優勝もみえてきます。
その大事な一戦で、吉田正尚がスタメン落ち。
まだフル出場できる状態にないということ。
吉田がいないことで得点力は低下。
ゆえに失点を抑えることが勝利への必要条件。
そしてそれを託されたのが、先発の田嶋大樹。
田嶋、快投
この田嶋が、初回から快投。
右打者の外への制球力がよく、武器のストレートはキレも強さもあり。
そのストレートを生む腕の振りは、一年目の暴力的なそれに似て。
点を取られる空気すらなかった田嶋ですが、死球で出たランナーを犠打で送られ、好調荻野に打たれて先に失点。
相手先発岩下も状態良く、オリックスにとっては重い一点となり、試合は静かに終盤に。
太田椋の同点弾
1点を追う八回表。
ロッテのセットアッパー佐々木の前に簡単にツーアウトとなり、バッターは太田椋。
安達の代役の太田、前打席では犠打失敗。
打率.170の太田ですら、損益分岐点の観点からみれば、犠打は非効率な策。
その太田、初球真ん中に入ってきた甘いカーブを掬い上げ、打った瞬間の同点ホームラン。
確実性の低さと守備の不安定さからセカンドのレギュラーを奪いきることはできなかった太田の、久しぶりのアーチ。
これがファンが期待する太田椋の形。
大事なシーズン終盤、首位攻防戦で、太田がようやく躍動してくれました。
守備の面でも、田嶋の悪送球を打者とぶつかりながらも離さない好プレーもありました。
代打・吉田正尚
続く福田がヒットで続いて二番・小田の場面で代打・吉田正尚。
残り1イニング、打順を考えると、使うべきところはここしかなく。
が、惜しくもレフトフライ。
とりあえず追いついたことに満足。
あとは田嶋が八回、平野が九回を抑え同点でこの試合を終えれば、シーズンまだまだ戦えると、視線は次戦以降に。
まさかのファンブル
しかし相手は首位ロッテ、そうは問屋が卸さず。
田嶋が二死から2者連続四球と球に崩れ、ここでエチェバリアが三遊間を破る安打。
打球速度と外野の守備位置から、満塁で次打者藤岡と勝負と思いきや、ここで守備固めに入った後藤駿太がまさかのファンブル。二走・中村、再加速し勝ち越しのホームイン。
西浦が出てきた2年前の時点で既に西浦に劣っていた後藤のUZR。
走も大したことはなく打は言わずもがな。
チームへの貢献度が低い後藤のミス、しかも守備固めの守備のミス。
こんなつまらないことでシーズン落とすことになれば、はっきり言って、悔やんでも悔やみきれない。
まさかまさかの展開
続く藤岡にもヒット、しかも今度は福田のミスも加わってさらに1点追加されて、1-3。
ラスト1イニングで2点差。
ついにここまでかと諦めたところ、まさかまさかの展開が待っていました。
最終回。
ミスを取り返さんと三番・福田がヒット。
続く杉本はロッテ・クローザー益田の真っすぐ勝負に裏をかかれて見逃し三振。
五番モヤの巧打はエチェバリアの好守に阻まれツーアウト。
主軸二人を斬り、あと一死。
流れは完全にロッテ。
紅林弘太郎
二死となって紅林。
詰まりながらセンター前にもっていき、まだ試合を終わらせず。
犠打右打ちなどは二の次で、しっかりと振るということを重視してきたのが今季のオリックス。
それを、今季のオリックスを象徴する若手の紅林がやってくれました。
そして、
一発出れば逆転の場面で、T-岡田。
T-岡田、奇跡の逆転スリーラン
吉田正尚、山本由伸、宮城大弥。
綺羅星の如くNPBを代表する選手が生まれてきた昨今のオリックス。
しかし、このチーム、オリックスの顔はT。
打順何番であろうとチャンスで回ってくる星の下、Tが打てばオリックスは勝ち、Tが打たねば負け。
そしてそのT、シンカーを捉えた打球は、Tらしい美しい放物線を描いてライトスタンドに。
九回二死からのお釣りなしの、奇跡の逆転スリーラン。
これぞT。
これがT。
Tのこの一打、たぶん一生忘れません。
このチーム、結局はT
三塁ベンチが歓喜で沸くなか、一塁・三木がファーストベース空過のアピール。
一塁塁審はこの場合のファーストベースの担当にあらず判断せず、担当の球審が両手を広げセーフのポーズ。
それに対し井口がリクエストを要求。
リクエスト自体は権利であるため問題ないものの、（どの時点を始点とするかで変わってきますが）要求までに時間がかかりすぎていたのではという疑問は残りました。
結果は、セーフ。
そうだろうなとは思いましたが、再ジャッジされるまでの時間の長かったこと。
このいらぬ緊張感もまた忘れがたいものになりそう。
いずれにせよ、Tの逆転弾。
何度も何年も書いていますが、このチーム、結局はT。
平野佳寿
最後は、クローザー・平野佳寿。
平野の復帰がなければ今季のオリックスがこの位置にいないことは、誰の目にも明らか。
こんな痺れる場面でマウンドに立てるピッチャーは平野以外いません。
佐藤都志也の憤死後、最後は因縁の荻野をライトフライに打ち取りゲームセット。
まさに、首位攻防戦と呼ぶにふさわしい激闘を制し、ロッテ相手に3連勝です。
望外、最高の3連勝
山本由伸に宮城も登板しなかったこの首位攻防戦。
山崎福、山崎颯に田嶋の先発3人がしっかりと試合をつくってくれたのが大きかった。
そして吉田正尚の復帰。
そして、もちろんT-岡田。
殊勲の200号と201号。
心の底から望んでいたこととはいえ、この3連勝はまさに望外。
素晴らしい戦いぶり、最高の3連勝でした。
選手の頑張りのおかげで、まだまだ楽しめることに一ファンとして感謝。
そしてここまできたならば、なんとしても、優勝したい。
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