~オリックス、山本由伸「魂の138球」で運命の第7戦へ! の巻~
山本由伸
負ければ終わりと追い込まれた、日本シリーズ第6戦。
オリックスの先発は、エース・山本由伸。
前回、前々回とらしくないピッチングだった山本でしたが、序盤の内容はここ2試合と同じく悪い部類に入るもの。
高めに浮いた真っすぐをノイジーに右翼スタンドに運ばれましたが、これもここ最近の試合でみられたシュート回転した真っすぐを弾き返されました。
その後もいつ崩れてもおかしくない投球が続いた山本。
そのエースに活を入れたのが、ライト森友哉の気迫あふれる好プレー。
森のファインプレー
四回二死一三塁で、山本の157キロの真っすぐを捉えた近本の打球はいい角度でライト後方に。
不慣れな森の追い方はぎこちなく、やられたと思ったところで森がジャンプ一番、フェンスにぶつかりながらの好守で、ばたつく山本を、チームを救いました。
この打球が数十センチずれていれば、この試合、このシリーズの流れは明らかに大きく変わっていましたが、この森のファインプレーで大きく変わったのは山本由伸の方。
最後の雄姿
次の五回からシュート回転が減り変化球は低めにと一変、投手三冠の山本由伸のお出まし。
となると相手がどこであろうが問題なく、七回のピンチでもファンは落ち着いて観れました。
七回を終えて109球。
継投も考えられるところでしたが、ここは当然に続投。
八回終えて126球。
点差が4点に広がった九回も続投。
(とりあえず)日本最後の登板、エース・山本由伸の雄姿をファンの目に焼き付けておきたいという中嶋の親心も、山本自身の思いもあったはず。
真のエース
終わってみれば、138球、日本シリーズ最多となる14奪三振のおまけつきでの完投勝利。
有終の美を日本シリーズ初勝利で飾りました。
前回の記事でも書きましたが、山本が真のエースたる所以は、ここ一番の大舞台で結果を残せること。
山本由伸「魂の138球」で、徳俵のチームを救い、アメリカに旅立ちます。
巧打
打線は点を取られた直後の二回裏に、若月のライト前ヒットに中川の犠飛で逆転。
初球のフォークに演技かと思わすほどの大空振りをみせた若月が、続く真っすぐを狙いすましての巧打。
走れない杉本をヒット以外で還すには内野ゴロでも浅い外野フライでも難しいなか、大きな犠飛で杉本を歩いて還した中川の巧打。
点が線になるオリックスらしい点の取り方。
紅林に頓宮の一発
五回には、シリーズ好調の紅林弘太郎が左中間へのツーラン。
これは状態をみて紅林を三番に抜擢した中嶋の勝利。
八回には頓宮がとどめの一発。
お隣さんの奮投に帰するものがあったのでしょう。
接戦をものにし、タイに戻したオリックス。
泣いても笑っても、次がラスト。