~パリーグ優勝のオリックス、2勝4敗で25年ぶりの日本一ならず の巻~
激闘の日本シリーズ
高く弾んだ宗の打球がセカンド山田のグラブに収まり、激闘の日本シリーズは幕を閉じました。
6試合すべてが接戦で、最終戦は延長12回。
まさに一進一退の好ゲーム。
日本一にはなれなかったものの、素晴らしいゲームの数々、それを演出した両チームの選手たちに拍手を送りたい。
代打の切り札
山本の奮投や能見の力投、いろいろと書きたいことはありますが、とりあえず今日はぎゅっと絞って、代打の切り札についての一点だけ。
オリックス・ジョーンズにヤクルト・川端。
代打成功率が三割を超える両者の使いどころが勝負の分かれ目となりました。
九回裏、先頭のモヤが出て紅林が送って一死二塁、若月に代えての代打は大下誠一郎。
神戸男と言っていい大下の起用は理には適っており、結果三振もそれは仕方ない。
二死二塁となって太田に代えてジョーンズ。
これがよく理解できない。
ジョーンズ、バットを振らずにお役御免
案の定の申告敬遠で、ジョーンズ、バットを振らずにお役御免。
ここまで2安打・打点1の福田になんとか回して勝負したいというのが中嶋の魂胆としても、そのために.代打での打率.429の切り札を使うは愚。
九回一死二塁の代打大下の場面でジョーンズを使っても、一点取られれば終わりのヤクルトの選択肢は守り易さも考えて申告敬遠のはず。
だからこそ、勝負をしたいと思わせる大下の起用は十分にありで、実際(アウトになったものの)勝負をしてくれました。
大下倒れて二死二塁となったならば、ここはそのまま前の試合で殊勲打を放った太田に打たせてよく、ここで太田が倒れても十回は一番福田から始まります。
勝負はまだ先とじっとジョーンズの起用を我慢すべきところで、実際そのチャンスは十一回、十二回とあっただけにもったいない起用でした。
個人的には紅林への犠打も疑問で、成功しても一塁が空きジョーンズで勝負はできない形となるわけで(と書きつつも中嶋はジョーンズを使いましたが)。
出ることに賭け
一方のヤクルト・高津。
延長十二回、八番・九番の下位打線で代打の切り札・川端を使いチャンスメイクをしたいところもぐっと我慢。
二番の青木に代走を送っておりそこに入るは打率.171の渡邉。
一人塁に出たときのことを考え、いや、出ることに賭け、結果その辛抱が実り塩見が出て、計算通りに穴の二番で代打・川端を起用できました。
ここで、流れ的には勝負あり。
接戦をものにするか否かは監督の差とも言いますが、この2勝4敗という結果はまさに監督の差。
高津の采配、お見事でした。
中嶋のおかげ
だからといって、中嶋の価値が下がるわけではありません。
危惧していた中嶋の短期決戦での戦い方。
それがそのまま形として表れはしましたが、パリーグ優勝の事実に一分の変わりはなく。
この時期まで野球を楽しめたのは、間違いなく中嶋のおかげ。
そこには感謝しかありません。
本当に、ありがとう
両チームの選手、スタッフ。
素晴らしい日本シリーズをありがとう。
東京ヤクルトスワローズの皆さん、日本一おめでとう。
そして我がオリックスバファローズ。
夢のような一年を与えてくれて本当にありがとう。
(たぶん最後の)神戸での日本シリーズまで観せていただき、25年ぶりの日本シリーズも十分すぎるくらいに楽しめました。
オリックスファンでいてよかった。
オリックスファンでいることが誇らしい。
心からそう思えた一年でした。
本当に、ありがとう。